原油相場は3営業日続伸です。米国の財政協議に対する楽観やそれに伴うドル安ユーロ高が引き続き支援材料となっています。
12月18日のNYMEX WTI 原油先物の終値は前日比73セント高の$87.93/bblで、引け後の時間外取引は$88/bbl前後です。
シーウェイ・パイプラインが予定通り来年1月に輸送量を拡大するようで、クッシング原油在庫の抑制要素としてWTI 相場のサポートになっています。
同パイプラインは今年5月に、以前はメキシコ湾岸からクッシングなど中西部に原油を運んでいたものから逆送を始め、中西部の過剰在庫をメキシコ湾に運んでいます。
当初は日量13.5万バレルでの運用でしたが、2013年初めに輸送量を同40万バレルに引き上げる予定となっていました。
シーウェイ・パイプラインの逆送稼動によって、クッシングの原油在庫は6月から11月初めにかけて10%減少しましたが、このところは増加傾向です。5月の逆送稼動前と同様に、ブレントのWTI に対する値ざや縮小を狙った仕込みなのでしょうね。
開発の進展で産油量の増加が続き、イランを抜いてOPEC第二位の産油国となったイラクですが、クルド問題で内戦の危険も取り沙汰されています。
■ In Iraq, Exxon oil deal foments talk of civil war (Washington Post)
フセイン政権前の1970年から自治政府が治めるイラク北部のクルド人自治区は、イラク戦争はでいち早く連合軍に協力したためバグダッドの中央政府に対し発言力を強めてきました。このところ自治区と中央政府とで領有権を争う地域を巡っては、衝突で多数の死傷者も出ています。
イラク復興の過程で石油開発が進んでいますが、北部の鉱区については中央政府とクルド人自治区との間で帰属が明確になっておらず、また、全国の資源開発を一元管理したい中央政府に対し、クルド人は自治区内の資源開発について独自に管理を始めています。
昨年11月には米国メジャーのエクソンモービルがクルド自治政府と自治区内の開発について合意を発表し、今年半ばにはその他の欧米やロシア企業が次々と自治区とから開発権益を取得しています。
外資による開発実績の積み重ねによりなし崩しに資源管理や油田の帰属をクルド人自治区に取られてしまうと焦るバグダッド中央政府には、状況を変えるためには内戦も辞さないとの声が出ています。
一方、米国オバマ政権はエクソンモービルなどに対し強く自重を求めるようなことはしていないようです。そして踏み絵を迫るバグダッド中央政府に対しエクソンは、イラク南部の油田権益を売却してでもクルド人自治区の開発に注力する姿勢です。
民族主義の高揚するクルド人問題については、国内にクルド勢力を抱えるトルコなどの周辺国も警戒を強めています。シリア内戦へのトルコの介入もクルド人問題によるものでしたね。
イラクの原油生産は、OPECによる11月の推定量が日量317万バレルとなっています。そのイラクでの内戦は、石油生産や輸送に直接の関係はほとんどないシリアに比べて、原油相場には遥かに大きな影響があるのでしょう。
2012/12/18
NYMEX WTI Jan $87.93/bbl ( +0.73 )
20日移動平均: $87.03 ( +0.09 )
ボリンジャーバンド
+2σ: $89.10 / -2σ: $84.96
幅: $4.14 ( -0.34 ) / 100日平均: $7.61
ボラティリティ
17.40 ( -2.80 ) / 100日平均: 24.38
12月18日のNYMEX WTI 原油先物の終値は前日比73セント高の$87.93/bblで、引け後の時間外取引は$88/bbl前後です。
シーウェイ・パイプラインが予定通り来年1月に輸送量を拡大するようで、クッシング原油在庫の抑制要素としてWTI 相場のサポートになっています。
同パイプラインは今年5月に、以前はメキシコ湾岸からクッシングなど中西部に原油を運んでいたものから逆送を始め、中西部の過剰在庫をメキシコ湾に運んでいます。
当初は日量13.5万バレルでの運用でしたが、2013年初めに輸送量を同40万バレルに引き上げる予定となっていました。
シーウェイ・パイプラインの逆送稼動によって、クッシングの原油在庫は6月から11月初めにかけて10%減少しましたが、このところは増加傾向です。5月の逆送稼動前と同様に、ブレントのWTI に対する値ざや縮小を狙った仕込みなのでしょうね。
開発の進展で産油量の増加が続き、イランを抜いてOPEC第二位の産油国となったイラクですが、クルド問題で内戦の危険も取り沙汰されています。
■ In Iraq, Exxon oil deal foments talk of civil war (Washington Post)
フセイン政権前の1970年から自治政府が治めるイラク北部のクルド人自治区は、イラク戦争はでいち早く連合軍に協力したためバグダッドの中央政府に対し発言力を強めてきました。このところ自治区と中央政府とで領有権を争う地域を巡っては、衝突で多数の死傷者も出ています。
イラク復興の過程で石油開発が進んでいますが、北部の鉱区については中央政府とクルド人自治区との間で帰属が明確になっておらず、また、全国の資源開発を一元管理したい中央政府に対し、クルド人は自治区内の資源開発について独自に管理を始めています。
昨年11月には米国メジャーのエクソンモービルがクルド自治政府と自治区内の開発について合意を発表し、今年半ばにはその他の欧米やロシア企業が次々と自治区とから開発権益を取得しています。
外資による開発実績の積み重ねによりなし崩しに資源管理や油田の帰属をクルド人自治区に取られてしまうと焦るバグダッド中央政府には、状況を変えるためには内戦も辞さないとの声が出ています。
一方、米国オバマ政権はエクソンモービルなどに対し強く自重を求めるようなことはしていないようです。そして踏み絵を迫るバグダッド中央政府に対しエクソンは、イラク南部の油田権益を売却してでもクルド人自治区の開発に注力する姿勢です。
民族主義の高揚するクルド人問題については、国内にクルド勢力を抱えるトルコなどの周辺国も警戒を強めています。シリア内戦へのトルコの介入もクルド人問題によるものでしたね。
イラクの原油生産は、OPECによる11月の推定量が日量317万バレルとなっています。そのイラクでの内戦は、石油生産や輸送に直接の関係はほとんどないシリアに比べて、原油相場には遥かに大きな影響があるのでしょう。
2012/12/18
NYMEX WTI Jan $87.93/bbl ( +0.73 )
20日移動平均: $87.03 ( +0.09 )
ボリンジャーバンド
+2σ: $89.10 / -2σ: $84.96
幅: $4.14 ( -0.34 ) / 100日平均: $7.61
ボラティリティ
17.40 ( -2.80 ) / 100日平均: 24.38