原油相場は4営業日続伸です。ドル安や景気刺激策期待で堅調となっています。

7月16日のNYMEX WTI 原油先物の終値は前日比$1.33高の$88.43/bblで、引け後の時間外取引は$88/bbl台前半です。

ニューヨーク連銀製造業景況指数が予想をかなり上回る好調で米国の石油需要回復基調を印象付けたものの、その後発表された小売売上高の数字は冴えないものとなりました。
しかし、それによるドル安に加えて火曜のバーナンキFRB議長の議会証言で景気刺激策について言及されるとの思惑が、引き続き原油相場を下支えています。

前週後半も中国の成長鈍化を示す指標を受けて景気刺激策への思惑から原油相場が堅調となっていますし、どうもこのところの動きは期待感先行となっています。

一方、今月に入ってからのイラン情勢を巡る緊張も引き続き原油相場の心理的なサポート要素になっています。

イラン原油の主要な買い手となってきたインドも代替原油への切り替えを進めているようで、イランの収入は益々苦しくなっていく見通しです。

 ■ India's top buyer of Iran oil turns to Azeri, Saudi (Reuters)

イランは昨年末以来軍事的な示威行動を繰り返したり、政府関係者がホルムズ海峡封鎖について言及したりと国際社会との対立姿勢を崩していません。
ただ、イラン議会でホルムズ海峡封鎖法案などが議論されたとしても、結局は最高指導者であるハメネイ師の判断が無ければ実行は不可能のようですから、イラン政界の動きに一喜一憂するのも考え物です。

 ■ イラン軍「海峡封鎖は最高指導者次第」と発表 (チャイナ・ラジオ)

また、UAEが進めてきたホルムズ海峡バイパスのパイプラインがいよいよ稼動し、日量50万バレルで輸送が始まったようです。このパイプラインの能力は日量150万バレルで、いずれ同180万バレルに引き上げられるといいます。

 ■ UAE and Saudi Arabia open pipelines bypassing Hormuz (RT)

先にサウジアラビアがイラクにつながる日量165万バレルの古いパイプラインを再稼動していますから、このところ日量300万バレル余りのホルムズ海峡迂回路が開通していることになります。

サウジアラビアには以前からペルシャ湾産原油を紅海に運ぶ日量400万バレルの東西パイプラインと地中海向けの日量50万バレルのトランス・アラブ・パイプラインがありますから、合わせて日量765万バレルの原油をペルシャ湾からホルムズ海峡を経由せず出荷することが可能となっています。

これは日量1,700万バレル余りと思われるホルムズ海峡通過量の45%に相当しますから、海峡封鎖の影響力はかなり小さくなることも考えられます。

とはいえ、実際にはサウジからイラクへ日量165万バレルを輸送できたとしてもイラク国内のパイプラインは日量140万バレルの能力しかなく、しかも元々キルクークなど内陸油田の原油をペルシャ湾に運ぶルートですから多くは期待できません。

また、サウジ東西パイプラインやトランス・アラブ・パイプラインも、紅海や地中海まで原油を運んだとしてペルシャ湾岸のタンカー出荷能力を代替できるとは思えませんね。

2012/07/16
NYMEX WTI Aug $88.43/bbl ( +1.33 )
20日移動平均: $85.05 ( +0.36 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $91.61 / -2σ: $78.49
 幅: $13.12 ( +0.80 ) / 100日平均: $11.00
ボラティリティ
 47.65 ( +0.21 ) / 100日平均: 23.86

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