米国エネルギー情報局(EIA)による直近の統計では、4月27日時点のオクラホマ州クッシングの原油在庫が4,296万バレルで過去最高を記録しています。

これまでの記録は昨年4月の4,190万バレルですが、クッシング在庫は昨年5月以降今年1月中旬の2,800万バレル近くに至るまで減少を続けました。その後急速に増加へ転じた在庫は、3か月余りで再び記録を塗り替えたことになります。

油を売る日々-Cushing

米国中西部オクラホマ州にあるクッシングは石油精製や流通の拠点で、NYMEX先物市場に上場されてるWTI 原油の現物受渡し地にもなっているため、同地の在庫水準は原油市場で注目されています。

中西部への原油供給は米国南部で生産された国産品のほか、メキシコ湾岸に到着した輸入原油もパイプラインを通じて運ばれます。

また、昨年2月にはカナダからの輸入原油やノース・ダコタなどの原油を運ぶキーストーン・パイプラインも稼動し、中西部への供給過剰が取り沙汰されてきました。

確かに中西部への原油輸入量の推移を見ると、昨年後半から明らかに増勢となっていますね。
しかし、中西部への輸入原油の増加にも関わらず昨年後半のクッシング在庫は減少の一途を辿っており、供給と在庫はあまり相関関係を示していません。

今年に入ってからのクッシング在庫の急増についても、輸入のペースが別段昨年から変わったわけではなさそうですね。

米国各地域ごとの原油輸入量の推移を比べても、最大の輸入受け入れ地メキシコ湾岸の数値は昨年7月を境にそれまでの日量500~600万バレルに対し同400~500万バレルに下がったまま今年に入っても変化していません。

油を売る日々-USImport

足元のクッシング原油在庫の増加について、今月後半にも始まる予定のシーウェイ・パイプライン逆送に向けた準備という説明も聞かれます。

同パイプラインは元々メキシコ湾岸から中西部へ原油を運んでいたものを、反対に中西部からメキシコ湾岸に送るというもので、これまで流入するする一方で出口の無かった中西部の原油在庫圧力を下げるものと予想されています。

シーウェイ・パイプラインは当初日量15万バレル程度の輸送を始め、来年第1四半期には同40万バレルに輸送量を引き上げる予定です。

とはいえ、昨年のキーストーン・パイプライン稼動以降中西部向けの原油輸入量が一貫して増加しているにも関わらず在庫の変化との相関性が高くないことを考えると、シーウェイ・パイプラインの逆送が在庫を減らすことになるのかどうかも不透明という気もしますね。

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