原油相場は小動きです。中国の成長目標下方修正などを受けて朝方は軟調でしたが、ドルの反落や経済指標の改善、イラン情勢などを支えに下げ渋りました。

3月5日のNYMEX WTI 原油先物の終値は前日比2セント高の$106.72/bblで、引け後の時間外取引は$107/bbl台前半です。

中国の全人代で経済成長率目標が8年振りに8%台を割り7.5%とされたことは、原油相場には中期的に相当な影響を与えるのでしょう。
米国エネルギー情報局(EIA)の2月短観によると中国の2012年の石油需要は前年から日量53万バレル増加する見通しで、これは世界全体の増加量予想である日量132万バレルの4割に当たります。

債務危機の続く欧州のエネルギー需要回復は期待薄で節電のため経済成長に制限のかかる日本の見通しも低調、景気回復基調の米国では産業構造の転換で期待ほど石油需要は伸びていないなど、世界の石油需要は中国の成長への依存度を高めています。
その中国の成長鈍化は、そのまま世界の石油需要の伸びの無視できない鈍化につながりますね。

一方で、イランの供給懸念を背景にOPECや他の産油国は増産姿勢を続けており、足元の原油相場の高止まりも増産に拍車をかけています。
ところが制裁にも関わらず今のところイランの原油生産や輸出は大きく落ちておらず、原油需給の状況は日増しに緩んでいるものと思われます。

EUの制裁によるタンカー保険の困難化がイラン原油の輸出を制限し始めるのでしょうが、影響がどの程度大きくなるのかは不透明ですね。大きな影響が出るなら、需給の緩みに歯止めが掛かることになります。

イランを巡っては米国とイスラエルの協議が行われましたが、米国には強硬路線を主張するイスラエルの説得は難しいようです。イラン情勢は、まだしばらく有事の供給懸念として原油相場の支援要因となり続けるのでしょう。

また、土曜にイリノイ州で発生した交通事故の影響によるパイプライン停止はさらに数日続くということで、日量32万バレルのこのパイプライン停止によりカナダから中西部に輸入される原油の量が制限され、来週発表の在庫統計に影響が現れそうです。

量的には大きなものではないのでしょうが、死傷者が出ている派手な事故でメディアの取り扱いが大きいため、市場参加者の心理に影響しますね。

2012/03/05
NYMEX WTI Apr $106.72/bbl ( +0.02 )
20日移動平均: $104.71 ( +0.21 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $112.63 / -2σ: $96.78
 幅: $15.85 ( -0.56 ) / 100日平均: $10.75
ボラティリティ
 20.27 ( -0.27 ) / 100日平均: 28.05

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