米国メキシコ湾の原油流失事故発生から2か月が経過しましたが、解決の見通しもはっきりせず日量35,000~60,000バレルと推定される原油の流失が続いています。
海底油田の新規開発再開に積極的だったオバマ政権は事故を受けて再開を先送りし、場合によっては海底油田開発が恒久的に止まってしまうかもしれません。

米国のメキシコ湾海洋油田における原油生産量は日量170万バレル前後で、国内での総生産日量550万バレルの三割に当ります。
米国の原油生産量は1970年に日量1,000万バレルのピークを迎えた後減少に転じ、それから40年後の現在は最盛時の半分強に止まっています。全米を代表する油田地帯テキサス州の生産量も、日量100万バレル余りと70年代の水準の3分の1に過ぎません。

一方、米国の原油需要は、過去四半世紀にわたって景気動向に左右されながらも日量1,300万~1,600万バレルの水準で推移してきました。
次第に不足する供給を補ってきたのは輸入で、1970年頃は日量150万バレル程度だったものが、現在は日量950万バレルに上ります。
また、海底油田の生産量は1980年頃の日量70万バレル余りから現在の170万バレルへと大きく伸びています。
米国の国内原油生産量は2008年以降やや回復傾向なのですが、ノース・ダコタなどを除いて減り続ける内陸油田の落ち込みをカバーしているのは海底油田です。

今後海底油田の生産量が頭打ちになると、過去の生産量推移から想像して、米国の原油総生産量は10年間のうちに日量50万バレル程度減り日量500万バレル弱になるのではないでしょうか。
ただ、米国に比べて人口が3分の1の日本の原油需要は日量360万バレル前後と米国の4分の1なことを考えると、アメリカ人が生活習慣を改めれば不足どころか原油輸入量を大幅に減らせますが、そういうのはやはり無理なんでしょうね。

油を売る日々-BPGS

近所にあったBPのガソリンスタンドが先月初めに潰れました。
立地条件はいいのですが、その後なかなか買い手がつきません。
BPの不買運動をする人達などもいて何かと逆風なせいでしょうか。