私は、先物相場に関わって22年になります。
ずっと取引をしていたわけではなく、むしろ取引をしなかったり、してはいけなかったりした時期も長いのですが、とにかく相場の動向はずっと見てきました。肝心の取引成果はどうかというと、まあ、とりあえず破産はせずに何とかやれている程度で、ここ数年は原油相場が主な関心対象です。

過去半年のWTI原油先物の出来高は、1日平均で70万枚くらいです。1枚当り1,000バレルですから、売買されている原油の総量は7億バレルくらいに当ります。世界の原油需要が日量8,700万バレル程度なので、実需の10倍弱といったところでしょうか。
歴史的な大相場が始まった2007年半ばより以前の出来高水準は毎日20~30万枚だったので、現在の市場は過熱気味といっても良いでしょう。

私はファンダメンタルズのデータをあれこれ眺めるのが好きなのですが、ファンダメンタルズの材料に基づいて取引をしても大抵は上手くいきません。
もちろん長期的には相場はファンダメンタルズに沿った方向に動きますし、情報が公表された直後も市場が反応しますから、長期のスパンで取引する人やデイ・トレーダーにとってはファンダメンタルズ・データも意味のあるものでしょうが、そうでない場合は有害なことすらあります。

そんなわけで大勢の人々がテクニカルに基づいて取引をしており、私もその一人です。とはいえ、テクニカル分析の際忘れてはいけない重要なことは、テクニカルに厳密な再現性はないことです。たとえ今の相場の動きが過去のあるチャート・パターンを綺麗になぞっているように見えたとしても、明日も過去のパターン通りに動くという保証はありません。

ただし、売買は人間のやることですから、行き過ぎた上げ下げは修正されるとか、市場参加者の恐怖や忍耐の臨界点を超えた相場は大きく動くといったような、似た様な相場環境での値動きの類似性は否定できません。100%の再現性はなくても、60%くらいの再現性は見つかるわけです。

従って、あれこれと値動きのパターン分析をして、勝率6割くらいの見当で売買を繰り返すことにより最終的な損益をプラスにするという方法論になるわけですね。

じゃあ、ファンダメンタルズ関係ねーじゃんという話になりますが、それはそれ、紳士淑女の嗜みということで。