以下は、読書普及協会のメルマガから転載です。 (先週の水曜日は、私の担当でした♪) 皆さまこんにちは! ただ今、完熟マンゴーが旬の宮崎県からお届けします~ヽ(^。^)ノ 地鶏屋という商売を始めてあれよあれよという間に15年になりました。 収益計算も集客も難しいのですが こういう仕事をしていて何よりも難しいと感じるのは断トツに「人材育成」です。 まだ未熟な頃は、ある程度常識を持った大人のスタッフに働いてほしいと思っていました。 でも今は、社会を何にも知らないまっさらな若者の方が面白いんですよね~♪ さて、4月から入った新人バイトちゃん、この春に高校を卒業したばかり。 アルバイトの経験もありません。 面接の時、彼女は私の質問に小さな声で返事をするだけ。 笑顔も上手に出せません。 こういう子に、いきなりホール接客をしろと言っても酷なので、 まずは裏方の揚げ場を担当させることにしました。 真面目に淡々と作業をこなすバイトちゃん。 この二ヶ月で、裏方ではかなり頼りになる存在に育ってきています。 ところで最近、私が読んだのは、児童文学の『思い出のマーニー』。 この小説の主人公アンナは、無愛想で無表情で無気力で、 友だちが一人もいない少女。 でも、アンナはいじめられているわけでもなく、周囲に反抗しているわけでもなく、 可愛らしく周りに愛想を振りまけばいいのはわかっているけれど、 それをどうやっていいのかわからないだけなのです。 これはもしかしたら、多かれ少なかれ、 誰にでも経験のある感情なのではないでしょうか。 この小説を読み進めるごとに、私も鮮やかに小さいころの自分を思い出しました。 そう、この小説の孤独で不器用なアンナは、少女時代の私そのものでした。 アンナは、あずけられた田舎で不思議な少女マーニーに出会います。 マーニーとアンナは、あっという間に仲良くなって、毎日会って遊ぶようになります。 アンナはその少女と会うたびに、 知らず知らずのうちに自分の殻を溶かしていくのです。 この小説のステキなところは、美しい海辺の景色。 レトロなお屋敷。シーラベンダー。夕暮れの空の色。 優しい波の音と、ピティミー(私をかわいそうだと思ってちょうだい!)と鳴く鳥の声。 たちまち小説の中に入り込み、 湿気を帯びた綺麗な空気を思いっきり吸っているような気分になります。 また、登場人物のほとんどがアンナの不機嫌を責めていないところもステキです。 周囲の大人たちはアンナのすべてをすっぽりと包み込み、 自由に成長していくのをそっと見守っています。 そして小説を読み終えすべての謎が溶けたとき、きっと誰もが、 何とも爽やかな優しい気持ちになれるはずです。 このお話は、アニメにもなっているようですね。 アニメも、機会があったら観てみたいものです。 アンナは小さいころの私であり、シャイなバイトちゃんでもあります。 アンナは気付いたら、鳥の鳴き声がピティミーとは聞こえなくなります。 シャイなバイトちゃんも、少しずつ殻を溶かして、 私たちの仲間として活き活きと活躍してほしいと願っています。 小さいころの感情を思い出し、若い子たちの気持ちを理解するためにも 読書っていいものですね~♪
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- Amazon.co.jp 真っ白いナデシコ。 可憐でとても美しい。。。