いつから

秋になったのでしょう

 

カレンダーを見れば

季節の区切りはわかります

 

けれど自然は

ある日突然

姿を変えるわけではありません

 

朝の風が

少しだけ冷たくなったり

空が

いつもより高く見えたり

道端の草花が変わり

日が暮れる時間が

少しずつ早くなったり

 

そんな小さな変化を重ねながら

季節は静かに

次へと移っていきます

 

春には桜を待ち

夏には木々の深い緑に涼しさを感じ

秋には色づく葉や月を愛で

冬には葉を落とした木々の静かな姿を眺める

 

私たちは昔から

季節の変化を

ただ知るだけではなく

暮らしの中で

感じてきました

 

風の匂い

光のやわらかさ

虫の声

花の姿

 

自然から届く

小さな知らせに気づき

「ああ、季節が変わったな」と

心を動かしてきたのでしょう

 

 

 

 

桜は散り

葉は色づき

月は満ちては欠け

雨が降り

風が季節を運んでいく

 

どれも

同じ姿のままではありません

けれど

なくなってしまうのではなく

また巡ってくる

 

自然は

そのことを

何度も私たちに見せてくれます

 

忙しく過ごしていると

季節はいつの間にか

通り過ぎてしまいます

 

でも

少し立ち止まってみると

今日の風も

今日の空も

昨日とは少し違っています

 

季節を感じるということは

特別なことをすることではなく

そんな小さな変化に

気づくことなのかもしれません

 

自然を眺め

耳を澄まし

その気配を感じる

 

日本人は

そうして季節とともに

暮らしてきたのでしょう

 

季節は今日も

誰にも急かされることなく

静かに巡っています