お茶を淹れるとき
茶葉に目が向くことはあっても
水を意識することは
あまり多くないかもしれません
けれど
同じ茶葉でも
水が変わると
驚くほど味わいが変わります
日本は雨が豊かに降る国です
そのため 比較的やわらかな水に恵まれています
やわらかな水は
茶葉の旨みや香りを
やさしく引き出してくれます
だから日本では
お茶を味わう文化が
長い年月をかけて育まれてきたのでしょう
急須に茶葉を入れ ゆっくり蒸らす
そんな光景は珍しくなりましたが
ほっとするひとときに
心安らぐ飲み物はどなたにもあるように思います
朝の一杯
誰かを迎える一杯
ほっとひと息つく一杯
その一杯の向こうには
豊かな雨があり
山があり
森があり
ゆっくりと磨かれた水があります
自然が育てた水と
人が受け継いできた知恵
この二つが重なって
一杯の飲み物になるのです
湯気の向こうに広がる香り
両手で包む湯のみの温もり
静かに味わう時間
そのどれもが
水という自然の恵みから始まっています
今日いただく一杯も
そんなことを思いながら味わうと
いつもより少しだけ
やさしい時間が流れるような気がします
