私たちは無意識のうちに物事を善か悪か、正しいか間違っているかに分ける。
そして、悪を責めることで正しい所に立つ。
本来なら、自分はなぜ正しいのかということを考えてもいいはずなのに、悪を責めることで、当たり前のように自分は正しいと思ってしまう。
仏教とは、自分が正しいと思うことを、それは本当に正しいのか、自分が正しいと思っているだけなのかと考える教え。
それは現実を見なくては分かりません。
でも、私たちは自分が一度正しいと思い込んだものは、もう現実がどんなに悲惨になっても、正しいとしか思えなくなる。
だから、ある意味、宗教とは恐ろしいと言われるのです。
宗教と仏教は違う。
仏教とは、いつも現実を見て、何が正しいのか判断する教え。
だから、自分が正しいと思っていることも、本当に正しいのかどうか、よく考える。
それは現実を正しく見ることからしか分からないことなのですね。