人はどうしたら悪人の自分でも生きていていいと思うのでしょうか?
私たちの心の根底には善人は生きていてもいいが、悪人は生きていてはいけないという思いがあります。
そうやって自分は善人という所に立って、当然のように存在してもいいと思って生きています。
ところが何かのことで、我が崩れ、できない自分が見えると、まわりの人と比べて、できない自分の悪い所ばかりが見えて、こんな自分はダメなんだと自分で自分を否定してしまいます。
そして、何もなくても、自分は悪い人間だからいなくなった方がいいと思ってしまうのです。
そんな人にあなたはダメな人間じゃないよと言っても、まわりの人と比べて自分ができない所があることは歴然とした事実なので、どんなに頑張ったって自分はこういうことができない。だから、自分はダメなんだと思い込んでいるので、ダメじゃないと言われても聞けません。
やっぱりそんな人には、どんなにダメでもそばにいて見捨てない人が必要なんだと思います。自分はダメな人間で、自分なんかいなくなった方がいいと思うけど、そんな自分を大事に思ってくれる人がいると思うと、少しだけ自分でも存在してもいいんだと思えるようになります。
人は自分のことを見捨てない人がいて、初めて悪人の自分でも受け入れることができます。
悪人はいちゃいけない。でも、こんな自分でも大事に思ってくれる人がいるから、生きてゆこうと思えるようになるのです。