幸せは現実世界が思い通りになることではなく、この心から善の思いを起こしてゆくことによって生み出される。
これが仏教が分かるということです。
これが分かれば、どんなに現実世界が思い通りにならなかったとしても、それに腐ることなく、いつも善いことに励むようになります。
でも、多くの人は心の世界に気づくことはありません。それは罪悪によって、すでに不安に満ちた世界になっているからです。
だから、不安を見ないようにする為に我を作り、我を崩さないようにして安心して生きているのです。
そして、多くの人は我の世界で生きている為に、自分が不安な世界で生きていることにも気づかず、臨終になって、初めて不安な世界と向き合うことになるのです。
だから、真実を知るとは、自分の罪悪によって生み出された不安な世界を知ることでもあります。
しかし、不安な世界を知らなければ、それを解決することもできません。
私たちは不安な世界から逃れることはできないと知らされた時、初めて、その世界を生み出す心の種まきを知り、この不安を根本から解決しようと求めるようになるのです。
心の世界を知ること。それが仏法を真剣に求める入口でもあるのですね。