仏教に五逆という罪がある。
これは親を否定するようなことを思い、親の心を殺すようなことを思う罪です。
この世界に於いて自分のことを最後まで味方になってくれるものが親です。
その親を否定することは、自分を幸せにしてくれる人との縁を自ら断ち切る行為であるから、大変恐ろしい罪と言うのです。
しかし、この五逆になる人は、余程悪いことをしたら、なるのではありません。
この人は何も悪いことをしてなくても、この人の親が子どもの心を大事にせず、子どもの心が傷ついても放ったらかしにしてきたことによって、心がいっぱい傷つき、自分には傷ついても助けてくれる人はいない、一人で生きてゆかなければならないのだと思うことによって五逆になるのです。
そんな人が本当に自分のことを思ってくれる親のような存在に会った時、自分の中に溜め込んだ心の傷をぶつけることが五逆なのです。
だから、五逆だからといって、なった人が悪いのではなく、愛してもらえなかったという悲しい過去を抱えているのです。
でも、どんなに親が悪くても、その報いを受けるのは子ども。
だから、自分自身が変わらなければ、幸せになることはできません。
自分は五逆なんだと自覚したら、自分を支えてくれる人に対して、自分の心の傷をぶつけるのではなく、癒してもらうことが大切です。
誰よりも自分自身が心の傷に対して優しくやることが大切なのですね。