4月の読書 | shiratsuyuのひとことがたり

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宝塚観劇や読書の備忘録としてひとこと感想を

『ほんものの魔法使』購入しました。

もう読んでいたので再版されると聞いてもいらないと思っていましたが帯のあーさ(朝美絢)を見て絶対にほしいと思い、書店さんに予約を入れておきました。

チケットはバウホールとKAATどちらも落選でしたえーん

トップさん公演でないので、配信は無いのでしょうねえーんえーんえーん

タカラヅカニュースだけを楽しみに待っていますお願い

 

 

 

あーさの帯と共に4月に読んだ本をアップします本

 

3月に見たNHKニュースで、「一行の図書館」という本の中から一行を取り出し、その一行から借りる本を選ぶという図書館の試みを紹介していました。これは面白そうだなと思い、今月、私も読んだ本で取り入れてみましたパー

 

19)住野よる著『よるのばけもの』

夜になると、僕は化け物になる。

僕は安達。友達から“あっちー”と呼ばれている。中学生3年生。いつからか、夜中に突然、黒い粒が体のどこからか溢れだし体中を覆い、化け物となる。

ある日、化け物になった僕は宿題の忘れものを取りに夜中の学校へ行った。真夜中の教室にクラスのいじめられっ子 矢野さつきがいた。

あっちーの立ち位置は、昼は矢野さんをいじめる側、夜は矢野さんの話を聞く側。あっちーと矢野さんの不思議な交流が始まることになる。

クラスのイジメには理由がある。きちんと理由があっていじめが始まる。矢野さんには空気が読めない、声が大きい、しゃべり方が独特、ニマニマ笑うといったイジメられる、嫌われる理由があった。

1人をイジメることによってクラスがまとまることは大いにある。

しかし、あっちーは気付いてしまった。矢野さんの本当の思いを!

そして取った行動は?

この後どうなるのだろうと考えずにはおられない終わり方だったが、きっと“あっちーは正しい”と皆が気付いてくれると信じたいと思った。

中学生って私が思っているよりずっと大人なんだと、改めて思った。そして中学時代が人生で一番楽しかったと老年期に思い出せる中学時代を過ごしてほしいと願っている。

 

20)原田マハ著『<あの絵>の前で』

ほんものの絵を見ずに絵を描こうとしたって、できるはずがない。

ハッピー・バースデー:ゴッホ<ドービニーの庭>(ひろしま美術館蔵)。

母・私(夏花)・娘の3人家族。32回目の原爆記念日が私・夏花の誕生日。2歳の時に母と見たゴッホの絵。その後の私はこの絵と共に生きてきた。

窓辺の小鳥たち:ピカソ<鳥籠>(大原美術館蔵)。

私の相棒なっしーがサンフランシスコに旅立つ。高校生の時なっしーと一緒に見た<鳥籠>を思い出す。籠の鳥ではなく鳥籠。きっと私の元に帰ってきてくれる。

檸檬:セザンヌ<砂糖壺、梨とテーブルクロス>(ポーラ美術館)。

高校時代尊敬する先輩にバカにされた。そして絵筆を捨てた私。出勤途中カンヴァスバックを持った女子高生を見つけフラフラ後を追ってしまう。ついた先はポーラ美術館。そこで気付いた「ほんものの絵を見ずに絵を描こうとしたって、できるはずがない。」私はもう一度絵筆を取ろう。

豊饒:クリムト<オイゲニア・プリマフェージの肖像>(豊田市美術館)。

おばあちゃんに育てられた私(亜衣)は小説家になりたいと家を出た。おばあちゃんから届いたクリムトの絵ハガキ。そのおばあちゃんが孤独死をしていた。そんな私のお隣に越してきたのがスガワラさん。そのスガワラさんにチケットをもらって出かけた先は豊田市美術館。初めて見るクリムトの「オイゲニア・プリマフェージの肖像」。そしてスガワラさんのお仕事とは。

聖夜:東山魁夷<白馬の森>(長野県信濃美術館・東山魁夷館)。

12月24日はクリスマス・イブで一人息子 誠也の誕生日。二日前の22日は10年前21歳の誠也が旅立った日。

誠也ハタチの誕生日に贈った東山魁夷の複製画<白馬の森>。その絵に見入る誠也。誠也21歳の時両親に紹介したいと名にした真由香さん。そして雪山遭難で帰らぬ人となった誠也。

10年後誠也のお墓で見つけた真由香の手紙。そこに書かれていた「あの絵のまえで待っています」。

さざなみ:モネ<睡蓮>シリーズ5点(地中美術館)。

職場とひどい生理痛に悩まされていたあおいは、仕事を辞め子宮筋腫の手術を受け、2週間の入院後、退院した。

病院のベットで何気に見た直島の地中美術館が心に残り、退院後出かけた。

<睡蓮>の絵の前に立ったあおい。「うわあ・・・すごい」と思わず声を上げる。アートのパワーをもらったあおい。新しい自分を見つけたあおい。

絵を見ることが生きる手助けになると感じさせられたマハさんらしい6編の短編集でした。

絵も小説も宝塚も生きる楽しさを教えてくれますね。心を癒してくれます。今回登場した絵画は全て国内の美術館所蔵の作品というのも嬉しいです。コロナが終息したら、ボチボチと少しずつ訪ねて鑑賞したいです。

 

21)沖田円著『千年桜の奇跡を、きみに;神様の棲む咲久良町(さくらちょう)』

千年前の約束と、60年前の奇跡。

<喫茶さくら>で祖父と店を営んでいる咲は、店の前で行き倒れになっていた青年ヨリを助ける。

咲の住んでいる咲久良町は年中桜の花が咲いている千年桜で有名なところ。この千年桜には言い伝えがありそれを信じ、山神様との約束を守りながら生活している。

咲は千年桜を咲かせ続ける咲久耶姫の子孫。

町の人は伝説を受け入れ日々千年桜と山神様を大切に暮らしている。

そこにやってきたヨリ。何か訳アリに見えるが、町の人たちは優しく受け入れる。

ヨリもすっかり馴染み、60年前の奇跡を知り、それが誰だっか分かった時ヨリの心と体に変化が・・・。

伝説の土地に相応しい山神様に仕える閏(うるう)さまや纈(ゆはた)さまといった神様が登場したり、住人のヒバリさん、桐人さんとその娘小鞠ちゃんなど登場人物が面白くて可愛いい。

桜って人の心に寄り添い華やかに豊かにしてくれる花ですね。

今年はブログでアップしてくださっている桜を見るだけでしたが、でも癒されました。

桜をテーマに書かれたこの物語も優しくて温かい物語でした。

 

22)白河三兎著『田嶋春にはなりたくない』

タージは何があっても法律を遵守する。

田嶋春、愛称タージ。大学で法律を学び、将来検事を目指している。

頑なで法律遵守一辺倒。暇人・クレイジー・変わり者・気色悪いと変人扱いされているが、本人は全然気にならない。

関わりたくないと思っていたのに、ひょんなことから関わってしまうとタージ評価が変わってしまうという楽しい物語だった。

タージは大学のイベント系サークル「N・A・O」に所属し学生時代を楽しんでいる。そのサークルの先輩菅野と宮崎、同級生の千晶と奏、バイト先のセンパイ。彼らは初めは苦手だと思いながらも、付き合い始めるとなんだ?なんだ?と思いながらもタージの正しさに惹かれていく。

その過程がすごく面白くて、読み終わるとタージのファンになっている私がいた。

 

23)東野圭吾著『素敵な日本人』

9編からなるミステリー短編集。

私たちも、これからは負けないでもっといい加減に、気楽に、厚かましく生きていきましょうっ「正月の決意」

もう小説家のふりをしなくていいのよ「十年目のバレンタインデー」

たぶん、おばあちゃんのことをいっているんだろうけど、お母さんは我慢なんてしてなかったよ「今夜は一人で雛祭り」

見当たり捜査とは、指名手配されている犯人の特徴を記憶し、街中を行き来する人々の中から見つけ出すというものだ「君の瞳に乾杯」

その中で横たわっているのは、製品名ヒューマノイド・ベビー700-1F、通称赤ちゃんロボットだった「レンタルベビー」

あなた、どうしてあの時計を修理しようと思ったんですか「壊れた時計」

そのトリマーの子は、初めてサファイア(ペルシャ猫)を見た時、自分がかわいがっていた猫の気配を感じたんだそうです「サファイアの奇跡」

クリスマス・ツリーに十字架を飾るのはタブーなんですって「クリスマスミステリ」

水晶の数珠を手にした度会(わたらい)家の長男は、ここ一番の勝負には絶対負けないの「水晶の数珠」

9編の内容をそれぞれの本文から1行抜き出してみました。感想よりいい感じに物語の内容が伝わる気がします。

読みやすくて嫌な気持ちにならずそして面白い、隙間時間に読むのにピッタリでした。さすが東野圭吾!

 

24)荻原浩著『神様からひと言』

お客様の声は、神様のひと言―この会社の社訓だ

業界大手の広告代理店を辞め、「タマちゃんラーメン」を主商品とする珠川食品に中途入社した佐倉凉平。販売促進課に配属され、張りきって参加した新商品のネーミング会議で上司から総スカンを喰らい、リストラ要員収容所と言われる「お客様相談所」に異動となる。

まぁ会社勤めは難しいだろうなと思われる上司や先輩同僚たちとクレーム処理に勤しむことになる。そこでの凉平の活躍ぶりがとても面白かった。

また色々な悪意のクレームも実際そうかもしれないと思わせ、そのクレームに対する対処の仕方も笑わせてもらった。

凉平には、この会社勤めと並行してプライベートでも悩み事があり、仕事の終わった深夜に公園で弾き語りをして気を紛らわせていた。その凉平に声をかける男がいた。その男の言葉こそ神様からひと言⁉

最後はハッピーエンドでハチャメチャな内容を浄化することができて良かったと思った。