10年目の3.11が過ぎました。あの時に時間が止まったままの方もまだたくさんいらっしゃり心が痛みます![]()
我が家も家のなかの本棚やスチール棚がすべて倒れ、ぐちゃぐちゃになり、家人がディアゴスティーニで毎週送られる来る材料で作り、出来上がった蒸気機関車がものの見事にぶっ壊れました。あえなく粗大ごみとなりました。今なら笑って話せますけれど、テクテク歩いて、やっと家に帰り着き、ぐちゃぐちゃの蒸気機関車を見た時はショックを受けていました![]()
写真を撮っといて良かった!まだ色を塗る予定だったそうです。
自分に起こったことはだんだん忘れていきますが、この災害は決して忘れないようにしなければと思っています![]()
2月に読んだ本のアップです![]()
7)門井慶喜著『定価のない本』
古書の町である東京神田神保町の古書店「琴岡玄武堂」は古典籍(明治維新以前の和装本)を専門とする業者。店主は琴岡庄司。
終戦から1年経った時、仲間の三輪芳松が死んだと知らされる。倉庫で崩れた古書の下敷きになったとのこと。
事故?その死に疑問を持った庄司は調べることにした。
そこで知るGHQの狙い。この日本という小さい国がアメリカに戦い挑んだことに、これは日本の歴史が関係あると考えたGHQは日本の古典籍をすべて抹消すると芳松から古典籍の買取を行った結果だった。
芳松亡き後庄司にその任がまわって来る。
その仕事をしながらもじっと時期を待つ庄司。ついに・・・!!
津軽の素封家の息子津島修二(太宰治)がいい役回りで登場し、この物語に色を添えてくれて嬉しくなった。
“古典は『のこる』ものではなく、誰かが『のこす』もの”の一文が心に響きました。
今年に入ってから読んだ本で一番面白かったです。
8)優衣羽著『紅い糸のその先で、』
小指に結ばれている運命の紅い糸が見える瀬戸つむぎ。その糸が一本につながる瞬間は運命の相手が近くにいる時。
紅い糸が見えることを負担に思っているつむぎは人との関りを極力避けていた。
高校に入学したつむぎは同級生苑田由佳梨(そのだゆかり)と友達になり嫌々ながら一緒の風紀委員会に入る。そこで3年生の泉縁樹(いずみよしき)と架間解人(かざまかいと)と知り合う。
帰り道が同じ方向の架間の小指を見たら、彼の小指にはナント紅い糸が無かった!そして彼には予知夢を見るという不思議な能力があった。
誰にも言えないことを架間に告白するつむぎ・・・。
青春の瑞々しさにキュンキュンしてしまう。
時代が変わっても、価値観が変わっても、いつまでも変わらない瑞々しい青春が決して無くならないでいてほしいと思わず願ってしまいました。
9)湊かなえ著『絶唱』
1995年に起こった阪神淡路大震災で被災し、その後トンガ島を訪れた3人の女性と、その女性と関わるトンガ島でゲストハウスを経営している尚美の物語4編。
楽園:雪絵と鞠絵の双子の姉妹。震災で雪絵が亡くなり、母親は鞠絵を雪絵として接してくる。雪絵として振る舞っている鞠絵がトンガで楽園を見出し自分の再生を誓う。
約束:トンガの高校で家庭科の教師をする松本理恵子。恋人宗一との仲を取り持ってくれる宗一の親友滝本祐司を震災で亡くす。震災が起きる前に滝本に言った言葉を後悔する恵理子はボランティアでトンガに行く。トンガで尚美と知り合いトンガの風習を知り、宗一とのことも考え直すことに・・・。
太陽:震災で父を失った高杉杏子。大学時代のボランティアメンバーの男の間にできた子を産む。5歳になった子 花恋を連れて、震災の時嬉しい思いをさせてくれたセミシさんに会いたくてトンガに・・・。
絶唱:作家となった「わたし」が今は亡きトンガの尚美に送る手紙。震災当時の様子や当時の想いが綴られる。
著者湊かなえは、実際に震災に遭い、また青年海外協力隊としてトンガを訪れている。その著者の私小説的な物語。
今年はコロナ禍で慰霊祭は小規模なものになりましたが、またもう震災のことを全然知らない人が増えていきますが、被災の事を忘れずにこのような物語を紡いでくれた著者に感謝したいと思いました。
10)阿部暁子著『どこよりも遠い場所にいる君へ』
先月に読んだ同著者『また君に出会う未来のために』での登場人物八宮和希の「過去から来た人」に会った物語。
八宮和希が高校生で月ヶ瀬和希と名乗っていた時のお話。
父親の不祥事で、横浜から知り合いのいない離島 采岐島にある采岐島高校に進学した和希。
采岐島には「神隠しの入り江」と呼ばれ、入ってはいけないと注連縄が渡されている場所がある。和希はそこを憩いの場所にしていた。
ある日そこで倒れている少女を発見。意識を取り戻したその少女は1974年から来たという。
少女は七緒と名乗り、島の彫刻家高津の家で保護されることになる。
横浜から和希について同じ高校に通う尾崎幹也に同じ寮生活を送る友人たち、彫刻家の高津、担任の仁科らの登場人物が織りなす学園もの?に七緒の不思議を織り交ぜた青春もの![]()
いいなぁ青春!この時代をいつまでも幸せに生きていける時代であってほしいと強く願っている。
最後に七緒の謎が解け、和希に届いた七緒からの手紙にはやはり泣いてしまった涙腺の緩い私です。
青少年向きの小説(集英社オレンジ文庫)だったが、私はとても好きだ。読みやすいし理解しやすいのが何より本を読む楽しさを教えてくれる。
11)佐々木譲著『図書館の子』
「図書館の子」という書名と“時の旅人たちを巡る六つの物語”との新聞広告に惹かれて読んでみました。
未来からやってきて東京大空襲の起きることを、タイムトラベル中の事故を助けてくれた医師に教えた男「遭難者」。京成線の廃駅が過去に繋がっていることを知り、そこに友達を置き去りにした「地下廃駅」。吹雪の日の図書館で謎の男に助けられた少年クルミ「図書館の子」。メディチ家が所有していた磁器を巡る「錬金術師の卵」。古いホテルの廃業が決まり、記念にそのホテルに行った男女がそこで体験したこととは「追奏ホテル」。大連のダンスホールで働く千春は青年安西順二と知り合い駆け落ちする。その千春のもとに駆け付けたのは7年の時空を超えてきた順二だった「傷心列車」。
う~ん 何とか読み終えた。面白いと言えば面白かったかな。でも内容を理解するのに四苦八苦し、この内容紹介でいいのかちょっと自信がない。
