7月の読書② | shiratsuyuのひとことがたり

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宝塚観劇や読書の備忘録としてひとこと感想を

長い梅雨が明け、とたんに暑くなりました晴れ

8月に入り気温もコロナ感染者もうなぎのぼりムカムカ

この前、北野武さんの言葉として紹介されていた“感染者として生活していくしかない”の言葉、私はすごく同意しましたハート

感染しないではなく、他者に感染させないの心持で生活していくのが大切だと強く思います。

7月『源氏物語』読了後に読んだ本のアップです本

 

35)橋本治著『これで古典がよくわかる』

橋本治式古典入門!

これを読んだからって古典が得意になって良い点が取れるようにはなると思えないのですが(私だけ?)とにかく面白かった。

古典が身近に感じられ好きになること間違いないと思います。

橋本治氏の並外れた知識とそれを分かりやすく伝えようという心意気に感心し、つくづくその死が残念でならない気持ちでいっぱいになりました。

 

36)橋本治著『お春』

これは、谷崎潤一郎生誕130年を記念したオマージュ作品として、2015年に執筆されたもの。

「夢のような愚かさを書いてみたい」と挑んだものとのこと。

浅草の乾物問屋の一人娘・お春の5ヵ月の間に起こった出来事。

大店のお嬢様ゆえ、好き勝手もできるし、店のために親の言うことを聞かなければならないゆえの葛藤ある生活。

そのお春の身の上に起こったとんでもないできごと。

色と恋に溺れるお春を救った人は・・・!?

勝気なお春が魅力的で、橋本治だから書けたのだろうし、面白く読めた。

 

37)橋本治著『蝶のゆくえ』

作品と共に、巻末の橋本治氏による“自作解説”が面白かった。

現代を舞台にした著者三作目の短編小説集で、女を中心とした作品で、六作品の配列は主人公の年齢順とのこと。

この作品は第18回柴田錬三郎賞を受賞し、それは橋本氏が初めて手にした小説の賞とのことです。

ふらんだーすの犬:女子高生の時に子を産み、離婚。その後子連れで再婚。夫婦共子に関心を持たずネグレクト死させる。今よくある問題を2003年にもう小説にしていた橋本氏!

最後の一行“ただ「お母さんにやさしくされてよかった」と思って死んだ”に涙が溢れた。

ごはん:食べ歩きをするOLの話。26歳になった女性はどうして若くないのかと思いながら白いご飯を食べたくなるというところが面白かった。

ほおずき:短大生同士の会話で母親とはどういう存在かが描かれている。それぞれの母親に対する思いの違いが面白いと思った。

浅茅が宿:病院から夫が死んだとの電話。しかも若い数人の男に乱暴されてのことと。定年直後でこれからの生活を考えていたところ。

司法解剖が終わり葬儀が終わった後、妻の心に去来するもの。そして夫の死を受け入れていく心に涙が溢れた。

金魚:夫の両親と同居を始めた加穂子一家。姑と気が合わない加穂子が姑の孤独を知った。不思議な心持ちになった物語だった。

白菜:毎年冬になると白菜漬けを送ってくる母。そろそろその時期と思っていた時、実家の近くに住む中学時代の友人から母が怪我をして入院したと連絡が入る。実家に帰って感じた娘孝子の想いに共感できるような?

 

38)住野よる著『君の膵臓を食べたい』

[秘密を知っているクラスメートくん][大人しい生徒くん][地味なクラスメイトくん][仲のいいクラスメイトくん][根暗そうなクラスメイトくん][仲良しくん]etc

読書に没頭することで周りのクラスメイトから距離を取っている高校生の僕は、苗字でも名前でもなく適当に上記にように色々呼ばれていた。その僕が病院で「共病文庫」と名付けられたクラスの人気者山内咲良の日記帳を拾った。

その日記で彼女の病気を知った僕は、咲良と不思議なお付き合いを始めることになる。

表題の『君の膵臓を食べたい』の意味を知った時、その言葉が使われた時涙をこらえることができなかった。

高校生の闘病ものと侮ることなかれ!

二人の青春に感動と涙必須!