2月の読書① | shiratsuyuのひとことがたり

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宝塚観劇や読書の備忘録としてひとこと感想を

マスクもトイレットペーパーも在庫はあるとのことですが、全く店頭には出てきませんショボーン

特にマスクは入荷さえ不明との店頭チラシゲホゲホ

マスク不足が言われだしたとき、我が家にはストックがあり、これが無くなるまでには店頭に出てくるだろうと呑気に構えていました。

それからどれぐらい経ったでしょうかうーん

使うと当然無くなってきます。

くしゃみや咳の時、マスクが無い場合はハンカチか袖で口を押えることとのことガーン

いきなり出てくるのがくしゃみや咳あせるあせるあせる

ハンカチ間に合わずえーん では袖ガーン

いやぁ汚すぎる! だって冬物上着はしょっちゅう洗わないもの!!

で、YouTubeでハンカチマスクの作り方を調べ、折りたたんで耳紐を掛けるだけのマスクを作り使っています。

外したらすぐ洗いアイロンかけて乾かしすぐ作るの繰返し。

ウイルスの侵入は防げないけれど、自分の飛沫を防ぐことは出来ます真顔

前置きが長くなりましたが2月に読んだ本のまとめです本

 

8)浅田次郎著『帰郷』

自身は戦争体験を持たないが父母は戦争世代という“戦後第一世代”の作家浅田次郎が書いた戦争小説6編。私も同じ世代です。

歸鄕:無事帰還したにもかかわらず、既に実家には戦死公報が届けられ、帰るところが無くなった帰還兵が街の娼婦に語る「黙っていれば心が腐る」物語。

鉄の沈黙:ニューギニアに辿り着いた野戦高射砲の修理技師の体験。現地では戦況が全然知らされないし日本に帰る手立ても無くなるなか黙々と任務を果たす技師。

夜の遊園地:遊園地でアルバイトをしている大学生の武内勝男。父は戦死していた。遊園地に来る客に戦争体験者がいてその心の傷を知り、再婚した母に戦死した父の心の在り方を説き母の心の負担を鎮める勝男。

不寝番:陸上自衛隊の射撃競技会の前夜の不寝番に当たった片山と仙波。何かのはずみで1973年と1942年を共有することになる。

金鵄のもとに:南方戦線ブーゲンビル島からのたった一人の生き残りの染井。久松と名乗る男に仕事の世話になる。2人はお互いの体験談を語る。染井は語る!戦友は「僕を、あなたの腹におさめて、国に連れて帰ってください」と。生き抜いて国に帰ってみたが・・・。

無言歌:香田正也と沢渡恭一郎が夢(眠りながら見る夢の方)や恋や思い人について語り合う。

それは西太平洋で事故を起こした特殊潜航艇の中だった。命尽きるまでの残り時間での対話だった。

戦争の理不尽さを思わないではいられない短編集だった。

戦争体験は決して美化されることなく語り継がれるべきだと改めて感じた。

 

9)柚月裕子著『蟻の菜園;アントガーデン』

南米に蟻と植物の共依存で成り立っている「蟻の菜園」と呼ばれる事象がある。これがこの小説とどう関わって来るのか⁉

離婚後、以前勤めていた出版社でフリーライターとして仕事をしている今林由美。主に世間が注目している人物を取り上げ記事を書いている。編集長の長谷川康子は同期入社。

結婚詐欺容疑・複数の男性殺人容疑で逮捕された女性の写真を観た裕美は、その女性が美しいことと完璧なアリバイがあることから彼女の過去に興味と違和感を感じ、取材を始める。

父親からの暴力・ネグレクト・無戸籍。現代社会で起きている様々な問題を練り込みながら物語が紡がれていく。

思わず目をそむけたくなる描写もあり、最後までドキドキしながら読み終えた。読み応えがあった。

すべての子供たちの睡眠・食事・学習・遊び・清潔・自我・希望が守られますようにと祈らずにはいられなかった。

 

10)澤村御影著『准教授・高槻彰良の推察;民俗学かく語りき』

10歳の夏の夜、長野の祖母の家に行ったときに体験した不思議なことによって、嘘を聞き分ける耳を持つことになった大学生深町尚哉。

そのことによって両親や友達から距離を取らざるを得なくなった尚哉。

尚哉の異常に気付き、また尚哉のレポートが目についた大学の民俗学の人気准教授高槻彰良。高槻も子供の頃怪奇体験をしていた!

高槻は尚哉に助手を依頼。

こうして高槻・尚哉の凸凹コンビが誕生し、学生や高槻のH.P.に持ち込まれる怪奇現象を解決することに・・・。

今回は幽霊物件・呪いの藁人形・神隠しのからくりを解決。

解決の仕方が相手を傷つけない優しさに溢れていてとても良かった。

高槻は自分に起こった真実を知るため研究し続け、共に真実を知ろうと尚哉に手伝ってほしいと要請。

かくして凸凹コンビ継続!

高槻に尚哉、それに高槻の幼なじみ刑事佐々倉と高槻の研究室の瑠衣子。みんな優しくて頼もしくてこの物語を面白くしてくれる。

嘘を聞き分けられ苦しむ尚哉に嘘は全てが悪ではないと諭す高槻が素敵だった。

 

11)篠綾子著『月蝕;在原業平歌解き譚』

歴史上もっともモテ男だと私が思っている在原業平が文徳天皇と紀静子との子惟喬親王のお世話係として活躍するお話。

聡明な惟喬を愛する文徳天皇は東宮に立てたいと思うも、藤原良房娘皇后明子に男子が生まれ皇位継承問題が浮上する。

小野小町、まだ小さな高子、業平の親友 陰陽師の行定などが登場し、和歌の謎解きをしながら惟喬を守るべく活躍する業平。

さらっと読めて、和歌のエスプリも味わえ、平安朝の人物に親しみを覚えることができた。

惟喬の人物キャラが可愛くて、これは業平じゃなくても守るために頑張るわと思えた。

 

12)原田マハ著『美しき愚かものたちのタブロー』

とても読み応えのある小説だった。

原田マハさんお得意の美術小説!これは特に良かった。

別立てで書きたいと思う。