昨日節分で今日は立春![]()
陽も長くなりましたね。13時半の宝塚公演を観終わって劇場の外に出た時の明るさがすごく嬉しいです。
2020年 令和2年 1月に読んだ本のまとめです。
№1から始まります。今年は何冊読めるかな?
感動作品に出合えますように![]()
1)米澤穂信著『追想五断章』
菅生芳光は、父親が亡くなり父親が経営していた工場が閉鎖になり、やむなく大学を休学した。伯父広一郎が経営する古書店 菅生書店に居候させてもらい、店を手伝いながら復学を目指している。
その菅生書店に、死んだ父親が書いた物語を納めた同人誌を捜してほしいと北里加奈子という女性が現れる。それは「結末のない物語」(リドルストーリー)5編だった。
伯父に内緒で引き受ける芳光。調査を進めるうちある未解決事件とつながり、その真相が明らかに・・・!?
加奈子の父親の書いた物語が挟まれて展開していくのだが、それがあまり面白くなくやっとこさで読み終えた。
私はそれほどのミステリーファンでもないので、面白さをちょっと理解できかねた作品だった。
2)加納朋子著『いちばん初めにあった海』
中編小説2編で構成されている。
いちばん初めにあった海:堀井千波が引っ越しの準備の時見つけた手紙。そこに書いてある一文“人を殺した”にこの物語のすべてがある。千波の今と過去とが行ったり来たりでしながら物語が進んでいくのだが、読んでいて今はどの時なのかが分からなくなってしまい、せっかくの面白さを十分に味わえなかった。千波の状態が最後に分かるのだが、それが遅すぎて感動をイマイチ味わえなかった。
化石の樹:植木のアルバイト職人が親方から読めと渡されたノート。樹齢七百年になる白い花を咲かせる不思議な金木犀。この木を治療することになった時に金木犀の洞の中で見つけたノート。そのノートに書かれていたことは殺人ではないかとの疑問が湧く・・・。
植木のアルバイト青年が誰かに話しかけるように物語が綴られていき、最後に話しかけていた相手がやっと分かり、物語の全容を理解することができたのだが、それがやはり遅すぎて感動を味わうことができなかった。
3)宮部みゆき著『過ぎ去りし王国の城』
中学3年生の2月、第1志望の県立高校の推薦入学が決まった尾垣真(おがきしん)はのんびり中学生活を送っていた。母のお使いで銀行へ行った真は展示してあった幼い子供たちの絵の中に大人の描いたお城の絵を見つける。その絵が風に飛び落ち、真はその絵を拾って持ち帰った。その絵はアバター(分身)を書き込むと絵の中に入り込むことが出来る不思議な絵だった。
その絵の中に入り込もうと、絵の上手なハブられ女子の城田珠美に絵を描いてもらうことにした真。そこから真と珠美の冒険が始まる。絵の中の世界でパクさんと知り合い、10年前の少女失踪事件とも絡み合い、3人で少女の救出に挑むことに。
ハラハラドキドキが止まらない面白さだった。
珠美の家庭事情や学校のイジメ問題、パクさんの仕事事情などが挿まれ、物語に膨らみを持たせ最後まで飽きさせず、感動と共に面白く読めた。
解説で池澤春菜さんが“読書の時間は孤独ではなく自由だ”と書いてらっしゃいました。その通りですよね![]()
4)白河三兎著『私を知らないで』
何のことなのか分からない序章からこの物語は始まる。
そして、黒田慎平13歳の夏、横浜の中学校に4回目の転校し、同じクラスにいる無視され続けている「キヨコ」と呼ばれる不思議な少女(新藤ひかり)と新たな転校生高野三四郎と出会い、慎平の中学時代の物語が綴られていく。
「キヨコ」の秘密を知り、「キヨコ」を守るために慎平と高野が取った行為!
その結果の13年後の出来事。やっと序章の出来事が理解でき終章へ。
慎平自身の行動や慎平の両親の強さと、ひかりの無視に負けない不思議な魅力がこの小説の面白いところだった。
5)愛川晶著『再雇用されたら一ヵ月で地獄へ堕とされました』
高校の地歴公民科教員生活を38年4ヵ月で定年退職し、新たに常勤講師として再雇用された笹山忠信。
年金受給まで再任用講師として働く予定を立て、それで長男の学資と生活費を賄うことにし、退職金は家のリフォームにつぎ込んだ。
新たな職場に赴任したが、そこで校長から思いがけない宣告をされる。そこから、妻の仕事先の保育園閉鎖問題、悪徳リフォームの手抜き工事と地獄の始まりが!!!
他人の不幸は蜜の味
的な面白さで話が展開されていき、最後は大団円。
いかにもありそうな展開に笑いながらも笹山を応援し、そして意外な展開にホッとし、また教師としての笹山の誇りを感じながら読み終えた。
6)赤川次郎著『記念写真』
「記念写真」「窓越しの雪」「影の行方」「留守番電話」「猫の手」「小さな大人の事件」「学校、つぶれた?」「十代最後の日」「見果てぬ夢」「笛」
の10編の短編集。
申し訳ないですが、どの作品もスルーっと通り抜けてしまい心に残らなかったです。
次の作品を読むと、前作を忘れてしまうという状態で読み終えていました![]()
7)米原弘樹著『ハイスクール歌劇団男組』
少し前、愛知県東海高校の「カズラカタ歌劇団」が文化祭で行う歌劇が話題になりましたね。
それをネタにこの小説は書かれたのでしょうね。
高校3年の7月中旬に行われる文化祭。文化祭の主役になるキャラでないと自覚する米原弘樹(著者とおんなじ名前!)。ひょんなことで同じクラスの森川隼人と川島直弥の3人で男だけの宝塚をやろうということになってしまった。
仲間を募り、出し物は「ロミオとジュリエット」と決まり、キャスティングをし、ダンスの先生を見つけ船出を始めるも、お定まりのメンバーの脱却やダンスの先生の稽古拒否などが起こり大丈夫?となり、そして結果は・・・?
ああ面白かった。
青春いいとこどりの内容で、私は好きです。楽しく読めました。