4月の読書 | shiratsuyuのひとことがたり

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宝塚観劇や読書の備忘録としてひとこと感想を

元号平成最後の月4月に読んだ本をアップしておきたいと思います。

令和時代も平和で楽しく本が読める日々が続きますように本

 

17)村田沙耶香著『コンビニ人間』

第155回芥川賞受賞作品

図書館で予約してからどれだけ経ったのか分からなくなるほど待って、次に予約が入っているので大急ぎで読みました。

男性?女性?会社員?公務員?主婦?いいえ私はコンビニ人間!

という感じでしょうか?

コンビニ人間古倉恵子36歳は、大学1年生から卒業後もコンビニアルバイト店員ただ一筋に18年。

恵子は、生活はコンビニで仕事をするために整え、食事はコンビニで賄うコンビニ人間。

 恵子の働くコンビニに 婚活のために働きに来、すぐにクビになった

白羽を同居させたために(あくまでただの同居)巻き起こる騒動と祝福が、恵子と世間一般の価値観の違いを浮きだたせて面白かった。

コンビニ人間もありかな?と思わせてくれるところが良かったかなうーん

 

18)澤田瞳子著『火定』

天平時代、聖武天皇の皇后光明子によって悲田院と共に設立された施薬院で働く令外官蜂田名代(はちだのなしろ)と藤原房前家令猪名部師男(いなべもろお)が、宮城内の行われる渡来品払い下げ場で出会い、その後、裳瘡(天然痘)大流行の世の中でそれぞれに生きていくさまが描かれている。

どちらもいいか悪いかではなく、己の置かれた場所で迷いながらもどうすることもできないまま、時流に巻き込まれていく壮絶な話だった。

読み進めるのに苦しく時間がかかったが、最後に名代と師男がめぐり会いうことによって様々な疑問が解消され、裳瘡をも対応できる処方が見つかりホッとし、ヤレヤレと思いながら読み終えた。

 

19)天野頌子著『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』

東京都北区王子にある王子稲荷神社で拾われた妖狐沢崎瞬太とホストあがりイケメン陰陽師安倍祥明。

ひょんなことで祥明の開いた陰陽屋でアルバイトをすることになった瞬太。

二人がお客の悩みをいつの間にか解決するという楽しいお話。

瞬太は興奮すると目が金色に瞳孔が縦長に、耳が上に移動し茶褐色の三角形に、そしてふさふさの尻尾が出てくるキツネ君。

瞬太の級友が、瞬太が秘密にしている妖狐であることを知っていて気づかないふりし友達として受け入れている様がとても温かく楽しかった。

 

20)東野圭吾著『虚ろな十字架』

ペットの葬儀場を営む中原正道は愛娘を殺害され、その犯人が死刑判決を受けた後、妻と離婚するという悲しい過去があった。その後、その妻小夜子が刺殺されるという事件が起こる。

その犯人も直ぐに捕まるが、小夜子が死刑制度廃止に反対の立場で活動していたことを知り、その犯人について調べていくうちに、犯人町村の娘婿仁科史也に辿り着く。史也にも辛い過去があった。

“死刑制度廃止論者には犯罪被害者たちの姿が見えていない・・・”

死刑制度廃止がいわれて数年になるが、何の落ち度も無いのに命を奪われてしまった被害者と残された遺族の方々の心情にもっと寄り添っった制度をと、改めて思わされた作品だった真顔

 

21)五十嵐貴久著『ぼくたちは神様の名前を知らない』

小学5年生の3月11日、東日本大震災の津波に飲み込まれ学校・家・家族を亡くした幼なじみ6人(セータ・真帆・タクト・結菜・ヤッシー・葉月)は福島を離れ東京・大阪・横浜とそれぞれ離れ離れになって暮らしていた。

それから3年半が経ち中学3年生になったある日、北海道の親戚に引き取られていた仲間の葉月の自殺を知り、バラバラに分かれていた5人と当時の担任チャコ先生と一緒にその現場北海道の岬に向かうことに・・。

人里離れたその岬からの帰り道、橋が壊れ原生林の中に放り出されてしまう。先生は意識を無くしてしまった。助かるためにどうすればよいのか?5人は知恵を絞りながら行動を起こす。

その時に語られる大震災当日の様子と引っ越ししてからの生活。

多くの子供は、そうするしか仕方ないだろうと大人に言われるまま住んでいた土地を捨てた。我慢するしかないだろうと言われて!でもそれは辛く苦しいことだったと彼らは語る。

受け入れられているようで、敬遠されている様子がヒシヒシと伝わって、彼らの苛酷な運命を思い知る。

当事者でないと時が経つのは早いと思ってしまうが、私たちにできることはまず忘れないこと、そして手を差し伸べられることがあればいつでも手を差し伸べること、決して他人事と無視しないことだと思った。

 

22)群ようこ著『れんげ荘』

大学を卒業し、有名広告代理店に勤め23年。勤め人時代にためた貯金で今後は暮らしていこうと決意し早期退職。ササガワキョウコ45歳の物語。

月10万円で好きなように暮らそうと家賃月3万のボロアパート「れんげ荘」に引っ越す。

トイレ・シャワー室は共同。夏の暑さと蚊に辟易し、電気ストーブだけしか使えない冬の寒さに厳しさを知りながらもなんとか自分らしい生活をつかんでいくキョウコ。

月10万円とはどこまでを言うのかが疑問に感じた。無職だって税金・保険料(健康保険・介護保険)・年金は収めなければいけないし、家賃と光熱費(電気ストーブ2台使ったらすごい電気料金になりますよね)を加えれば手元にいくら残るのか???

キョウコの家計簿を覗いてみたくなりましたよ!

 

《おまけ》NHK「チコちゃんに叱られる!」制作班編『チコちゃんに叱られる』

オトナ向けもありと言われましたが、シール付きの子供用を購入しました。

チコちゃん可愛い炎大好き拍手