5月の読書 | shiratsuyuのひとことがたり

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宝塚観劇や読書の備忘録としてひとこと感想を

6月になりました目

 

いつもなら、もう月が替わったのか早いなぁと思うのですが、5月はなんかとても長く感じました。

 

いつも通りの日々の過ごし方だったのですがなんでかなびっくり

 

令和元年の最初の月だったからでしょうか?

 

令和最初の月5月に読んだ本をまとめておきます本

 

23)荻原浩著『逢魔が時に会いましょう』

ゼミの教授からビデオ撮影に慣れていて体力のある人を捜していると紹介され、民俗学者布目准教授のフィールドワークを手伝うことになった高橋真矢(まや)。

現地調査として、座敷わらしを求めて遠野へ、河童を求めて富士山の裾野三ッ淵へ、天狗を求めて山陰霧北へと真矢と布目の珍道中。

大柄な真矢をシンヤ君と呼ぶ布目。2人のコンビがとてもいい味を出していて楽しく面白く読めた。

布目が語る座敷わらし・河童・天狗の見間違え解釈が、そこに潜んでいる時代時代の日本人の悲しみ苦しみを浮かび上がらせてとても良かった。

真矢が本当に見てしまうという体験をするところも面白かった。

 

24)米澤穂信著『本と鍵の季節』

図書委員堀川次郎、高校2年生。3年生の抜けた図書委員会で、中心に活動することになった。次郎の当番相棒が松倉詩門。2人は真面目に図書委員活動を行っている。そんな2人に利用者の少ない図書室でちょっと変わった相談が持ち込まれる。

3年生の先輩図書委員浦上麻里からは開かずの金庫の開け方を。

1年生図書委員植田登からは兄の無実の証明を。

自殺した3年生の友達長谷川先輩からは自殺した香田が読んでいた本の題名を。

そして最後は詩門の父の残した宝の在りかを。

2人は図書委員として習得した分類番号や本の形態知識を駆使して問題解決に奔走する。

相談者にとっては辛い結果となったが、図書館あるあるが満載で読んでいて面白かった。

図書館嫌いの作家が多い中、図書館のことに詳しく、その知識をフル回転させる主人公を描いていてとても楽しく読めた。

 

25)まはら三桃著『ひかり生れるところ』

平安時代から続く由緒ある神社 三雲神社で権禰宜という神職として働く奥山希美。奉職して5年目。

いつも先生に目をかけられ皆のお手本として過ごした小学校時代。中学校でもそのような存在だったが、ふとしたことでしてはいけないことをしてしまい学校に行けなくなってしまう。そんな希美を救ったのが祖母に連れて行かれた神社だった。大学で神道を学び神社で働くことになった希美。

初めて七五三で祝詞を読むことになった希美の前に中学時代の同級生が現れる。心の傷が疼く希美。

神社での行事や人間関係などを経験しながら希美は成長していく。

まはら三桃は児童文学者で、この本もYAの書架にあったが、大人が読んでも心に響く物語だった。

 

26)湊かなえ著『ブロードキャスト』

町田圭佑は中学入学時、小学生の時から活躍する陸上での有名人同級生山岸良太に声をかけられ陸上部に入部する。中学3年生の駅伝で地区大会2位という悔しい結果に、高校での雪辱を思い描いていた。

しかし、合格発表の日に交通事故に遭い左足骨折!陸上断念の考えが頭をよぎる圭佑に、高校入学式の日に放送部入部の誘いの声が・・・。

声をかけたのは、圭佑のイケボ(イケてるボイス)に注目した宮本正也。

正也は脚本家を目指していた。

圭佑は何となく誘われるまま参加したが、同じクラスの久米咲楽も加わり、全国高校放送コンテスト出場を目標に活動を始める。

高校生の学園ドラマ!青春だ!!

圭佑・正也・咲楽・放送部の先輩の面々などのキャラが面白く、とても楽しく読めた。

“陽”の湊かなえ作品。彼女の可愛い素顔とマッチしてとてもイイOK

このような湊かなえ作品もっと読みたいグッ

 

27)原田マハ著『常設展示室』

それぞれの美術館の常設展示室に展示されている絵画とその絵画を心に抱いている40代女性が紡ぐ6編の短編集。

群青:メトロポリタン美術館蔵ピカソ<盲人の食事>とメトロポリタン美術館教育部門で働く美青(みさお)。

デルフトの眺望:オランダ デン・ハーグにあるマウリッツハイス美術館蔵フェルメール<デルフトの眺望>と大手ギャラリーの営業部長なづき。

マドンナ:イタリア フィレンツェのパラティーナ美術館蔵ラファエロ<大公の聖母>となづきの部下あおい。

薔薇色の人生:上野の国立西洋美術館蔵ゴッホ<ばら>とパスポート窓口受付の多恵子。

豪奢:フランス パリのポンピドー・センターにあるパリ近代美術館蔵マティス<豪奢>とIT起業家の愛人下倉紗季。

:東京北の丸公園にある国立近代美術館蔵東山魁夷<道>と芸術大学教授貴田翠(たかだみどり)。

私は「道」が一番好きだが、どの作品も原田マハだなと思えるものだった。

ここに出てきた作品は家にある古ぼけた美術書や図録などですべて確認できたが、やはりほんものが見たいアート

西洋美術館と近代美術館には行けそう電車近々行ってみよう目