1月の読書 | shiratsuyuのひとことがたり

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宝塚観劇や読書の備忘録としてひとこと感想を

2月になりました節分

 

2019年も早いものでもう1ヵ月が過ぎてしまいました。

 

早いと感じるのはトキメキがなくなったから(by チコちゃん)

チコちゃんに叱られるぐらいボーっと生きているもんなぁ笑い泣き

 

読書も例年と変わりなく1ヵ月5冊のペースだし本

 

白内障手術後、眼鏡が無くては本が読めなくなってしまいストレスを感じ続けていますがペースって変わらないものですねあせる

 

1)門井慶喜著『銀河鉄道の父』

去年の終わりに読み始め、今年になって読み終えました。

第158回直木賞受賞作

宮沢賢治の父親政次郎の物語。

岩手・花巻で質屋を営む政次郎。地元の名士でもあり篤志家の政次郎から語られる賢治の人物像。

賢治を愛し応援し守っている政次郎は父親としての愛情にあふれている。が、いつまでも親を頼る賢治に腹を立てに自立を願う政次郎。

人造宝石や宗教などに関わる賢治。賢治のことをすごく知っていたわけではありませんが、私の中での賢治像が少し壊された気がしました。

だからいつの間にか賢治より政次郎に味方しながら読んでいました。

自分より先に子が無くなるのは何より辛いですが、賢治が亡くなってから早い時期に世間に認められ、今までずっと変わりなくその作品が愛され続けているのは、政次郎にとって幸せなことですね。

ちなみに、私の好きな賢治作品は『よだかの星』です。

 

2)川上途行著『ナースコール』

リハビリテーション病院で働く南玲子は看護師2年目。いまいちやる気がわいてこなく日常の業務を全うするのに精一杯。

リハビリテーション科は医師を頂点に看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士がチームを組み治療にあたる。

リハビリテーションの最大の特徴が病気を治すことでは無く、病気で失われた機能を回復させること。そして、薬やメスではなく人の手で治すこと。

4月から産休を取った医師に変わって小塚太一が就任。

小塚医師が就任したこと、小塚医師の取り組みを知ること、小塚医師の考えを知ることで、玲子の気持ちがだんだんと上を向いていき、患者対応にも、リハビリテーションの看護師としても喜びややりがいを知り成長していく。

イイです!若者の成長物語は楽しいものです。

 

3)ほしおさなえ著『活版印刷三日月堂;雲の日記帳』

同シリーズ第4作目。ついにきました完結編。

第1話:星をつなぐ線

私立のプラネタリウム「星空館」のリニューアルオープン記念として45年前に作った星座早見盤の復刻版を作りたい村岡深雪。担当の本町印刷営業部長田に相談。その星座盤は木口木版(こぐちもくはん=木の幹を横に切って作った版木)で作られてもので、その印刷で長田は後輩島本悠生に相談。そこから月野弓子の三日月堂へと話が繋がっていく。

第2話:街の木の地図

大学のゼミで、春休みに3人ずつのグループに分かれ雑誌を作るという課題が出る。草壁彰一・安西明里と同グループになった豊島つぐみ。テーマは“川越の街”。あまり親しくしていないメンバーにテンションの下がるつぐみ。それぞれテーマを考えてきて川越取材をすることに。

つぐみはアルバイトをしている「星空館」で復刻版の星座早見盤を見て活版印刷に興味を持つ。その活版印刷三日月堂が川越にあることを話すと草壁くんと安西さんも興味を持った。さてどのような雑誌が出来上がるのか・・・。

第3話:雲の日記帳

ゼミで作った雑誌の販売場所として古書店「浮草」の空きスペースを使っている。その「浮草」の店主水上。彼は毎月入荷した本の紹介としてリーフレット浮草だよりを出し、そこにあとがきとして雲日記を執筆。大学時代の友人岩倉がその雲日記を本にしないかと尋ねてくる。逡巡する水上。弓子も雲日記のファンで水上の後押しを・・・。

第4話:三日月堂の夢

桜咲く春。岩倉が三日月堂を訪ねてきて、水上が雲日記を本にすることを承諾したと、その本を活版印刷で三日月堂で作りたいと話す。

本を活版印刷で作るのは大仕事。考えに考えた末悠生の後押しを得、仕事を受ける弓子。文選・組版・校正、印刷の後は製本。黙々と作業が続いていく・・・。多くの人が協力を申し出てついに完成!

悠生は弓子に一緒に三日月堂をやっていきたいと申し出、「あなたと生きていきたい」と告白。「私もです」と受ける弓子。良かったラブ

どのお話を読んでも胸が温かい想いでいっぱいになり涙が溢れてくる。

なんとやさしさに溢れた小説だっただろう。

登場人物を思い浮かべながら川越の街を歩いてみたい。

 

4)東野圭吾著『マスカレード・ナイト』

『マスカレード・ホテル』『マスカレード・イブ』と続くマスカレードシリーズ第3弾。

『マスカレード・ホテル』でコンビを組んだ警視庁捜査一課刑事新田浩介と前作ではフロントクラーク今作ではコンシェルジュに昇格した山岸尚美が再び登場。

前作でとてもイイ感じになっていた2人。恋人同士になって登場かと思いきや、前回事件よりお久しぶりの再会ということで物語がスタート。

警視庁に、12月31日ホテルコルテシア東京で行われるカウントダウンパーティ会場に殺人事件の犯人が現れるとの密告状が届く。

ホテルコルテシア東京は前作の舞台だったところ。

新田はまたもフロントクラークに化け潜入捜査を行うことに。

大みそかの夜マスカレード・ナイトのパーティー会場で、仮装しはしゃぐ人々の中から犯人を見つけ出すことができるのか?

スイスイ読み進め、コンシェルジュ尚美の万能の仕事ぶりを挟みながら、最後は無事事件解決となるのだが、犯人や殺害動機、密告者の供述などはいまいちの感じを受けた。

新田と尚美の冷めた関係も残念な感じがした。

 

5)蒼月海里著『地底アパート入居者募集中』

大学生になってもネットゲームばかりしている葛城一葉は、実家を追い出され不思議な賃貸アパートに住むことに。部屋は雑貨屋「迎手(ゲーテ)」に付属した「馬鐘荘(バベルそう)」地下2階。地下は住む人の業(ごう)によってどんどん深くなっていくという。新生代から中生代・古生代へと⁉

大家さんはメフィストフェレス。お隣さんはアンドロイドのマキシマムβ17(マキシ)。新入居者の加賀美薫らが奇想天外な物語を紡ぐ。

まあ笑えて、友情にほっこりし、恐竜の赤ちゃんの可愛さに和んだりしながら読み終えた。でも心には残らないかなアセアセ