6月の読書 | shiratsuyuのひとことがたり

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宝塚観劇や読書の備忘録としてひとこと感想を

暑いです暑い暑い

 

家事をするのも、外を歩くのももうヨレヨレフラフラ・・・

 

蝉も鳴き出しましたアブラゼミ

 

暑いなか6月中に読んだ本をまとめておきます本

 

26)谷瑞恵著『額を紡ぐ人』

額装師・奥野夏樹。彼女は婚約者の死で、公務員を辞め、彼の仕事であった額装を引き継いだ。

彼女の額縁は、依頼された物を包み込むもので、依頼者の心の中を覗くことからことから始められる。そして出来上がった額縁に依頼者の心の負担が取り除かれる。

夏樹自身と登場人物すべてが悲しみ苦しみを抱えて生きているが、額装により彼らの想いが昇華されていき、温かく涙を誘う物語だった。

 

27)宮部みゆき[ほか]著『宮辻薬東宮』

宮部みゆきからバトンをつないで綴られるホラー短編小説のアンソロジーヤバぞう

宮部みゆき『人・で・なし』⇒辻村深月『ママ・はは』⇒薬丸岳『わたし・わたし』⇒東山彰良『スマホが・ほしい』⇒宮内悠介『夢・を・殺す』

この世のものでない?わけがわからないもの?をホラーと呼ぶ?

私には面白さが理解できなかったが、読むのには苦労しなかった。さすが人気作家たちだと思う。

それぞれの巻末の作者の言葉が一番面白かった。

 

28)奥山景布子著『寄席品川清州亭』

時は幕末。ペリー来航直後の品川宿を舞台に、落語が好きで自分の寄席を持つことが夢の大工の棟梁・秀八とだんご屋で働き家計を助けるしっかり者の女房・おえいの物語。

秀八は、助けれくれる人がいて自分の寄席を建て、清州亭と名付け、席亭となり寄席を始めることに。

芸人集め・トリを務める大御所依頼・演目選びに出演順とやることがいっぱい。躓きには助けがありと人情味あふれた温かい物語。

読みやすくありながら物語はしかっりと構成されていて、私はこの作家が好きだと改めて思った。

 

29)川村元気著『億男』

失踪した弟の借金を背負った一男は、借金返済のため昼は図書館で夜はパン工場で働いている。妻は子を連れて出ていった。

そんな一男がひょんなことからもらった宝くじで3億円に当選!

使い道を考えるため唯一の親友九十九(つくも)に相談。

しかし 九十九と共にカバンに入れた3億円が 無くなってしまった。

それから一男の「お金と幸せの答えを見つける」旅が始まる!

一男の見つけた幸せは?

有名人や学者のお金にまつわる蘊蓄が時たま述べられ楽しく読めた。

 

30)渡辺優著『地下にうごめく星』

大手文房具メーカーに勤める松浦夏美。40代独身、恋愛にも興味が無い。そんな夏美が同僚に誘われ地下アイドルグループのライブに!

そこで一人のアイドルに魅せられた。しかもそのアイドルグループが解散とのこと!そこで夏美がそのアイドルをプロデュースすることにキラキラ

まずはグループ結成のメンバー集め。タカラジェンヌに憧れる女子・女装男子・自称天使・元アイドル。それぞれの独白で物語が紡がれ、その独白が結構胸にジーンとくる。

“現実を忘れさせてくれ夢を夢として味わってそれで幸せ”ってことよく分かりますラブ

 

31)せひらあやみ著『小説アシガール』

森本梢子原作コミックの小説化作品

“小説にしてくれてありがとう”と言いたい楽しい小説だった爆  笑

やる気のない、おしゃれや流行やはたまた恋愛にも興味のない、足が速いのだけが取り柄のぐうたら女子高校生速川唯。天才弟のつくったタイムマシーンでうっかり戦国時代に!

そこで領主の子の若君と出会い一目惚れ。歴史によるとそのお城は滅び若君も戦死している模様。惚れた若君を助けるため足軽になることに。

満月の時だけ動くタイムマシーンで往復し、若君のため、走って走って走って八面六臂の活躍⁉

唯のキャラがとてもいとおしい。唯だけではなく若君・弟・唯の両親その他登場人物(悪人除く)みんなが面白く楽しく可愛いドキドキ

きっと読書対象中高生だと思うけれど、年配者の私でもワクワクハラハラが止まらなかった。