7月の読書② | shiratsuyuのひとことがたり

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宝塚観劇や読書の備忘録としてひとこと感想を

32)瀧羽麻子著『いろは匂へど』

京都の町屋で祖父の店を引き継いだ趣味の食器屋さんをマイペースで営む紫(ゆかり)のマイペースなお話。

行きつけの飲み屋さんに行けと言われたパーティで染色家湊光山と知り合い、彼と付き合うことによって紫の生活が少しだけ動いてゆく。

これといった結末もなく、紫のはっきりしない性格にイライラしたことだけが記憶に残った小説でしたえー

 

33)永井するみ著『隣人』

ミステリアスな短編小説「隣人」「伴走者」「風の墓」「洗足の家」「至福の時」「雪模様」の6編で構成されているもの。

怖っ!と思ったり、妻にはかなわないと思ったり、妻を殺そうと考えた方法で自分が殺されてしまったり、伯母と協力して伯父を殺した理由に驚いたり、母の自殺の原因となった不倫相手が思わぬ人でギョッとなったり、姉妹の微妙な心模様のすれ違いにふ~んとなったりしながら、それぞれ面白く読めましたびっくり

 

34)久坂部羊著『老乱』

76歳、妻を亡くし一人暮らしをする父と、同じ市に住むその息子夫婦。父の問題行動に、すわっ!認知症か⁉と驚く息子夫婦。義父の行動が賠償行為に発展したらとても賄いきれないと心配する息子の妻。父の認知症を受け入れられない息子。

登場人物すべてに身につまされる想いを抱きながら読み進めていきました。

認知症は病名ではなく症状の総称なのだと諭す医師。分かっていても異常行動を目にすると怒ってしまう息子夫婦。自分が何をしたか分からなくなる父。

他人事ではないと強く思いました。

この物語の平安な終わり方にホッとし、涙しました。が、実際はこう上手くはいかないでしょうねえーん