ティアって、呼んで欲しかったんですよね。美憂が「ルブ」って呼んでるの、羨ましいと思ってたもんね。
でもこの優しい笑顔。
今となっては彼の方が、ティアと呼べることの喜びを嚙みしめているだろうな、と思います。
まるで回帰前の非道な自分を懺悔するように、迷いなくアリスティアへ血の誓いをたてるルブリス。血の誓いとは、自分が誓った内容を守らないと死ぬそうです。アリスティアの父、ケイルアンの血の誓いもまた、皇室を裏切ったら死を、そういう誓いなのでしょう。
ルブリスのこの曇りなき眼……我らがジブリ映画の、ヒーローみたいです(はいはい、アシタカね)
だいぶ前から許してたけど、もう許して良いよね。
ルブの非道な行いを、許しても良いよね。
そう何度も問いかけられているように思いながら読んできましたが、もう完全に全読者が許したな、と感じました。このラストを読んでまだ、
いやいやいやいや
ルブリスのあの行いを許せるわけ??アリスティアはおかしい。私ならアレンかセインと結婚する。
って思う人、います???
そりゃ想いは人それぞれだから良いんですよ。
でも改めて私は確実に許しました。
はい。
ルブリス、私が司祭ならあなたの回帰前の行いを許します。
この日は何のイベントの日なのか分かりませんが、雪の日に正装にて現れた二人も、神への誓いをたてるに相応しい恰好です。ルブリスはアリスティアから「恐い夢」として聞いている回帰前の自分を、単なる夢ではなく重く受け止めていることでしょう。
絶対に、アリスティアを傷つけない、裏切らない、そういう誓いが、決意がこの曇りなき眼に宿っているのですよね。
恋に浮かれた今だけの戯言ではない、と。
命をかけて、君を愛する、とその誓いが胸にじんわりと染みわたってきます。
曇りなき眼。
嬉しそうだものね。アリスティアがこの誓いを受け入れてくれると確信があるような笑顔です。最初は怯えて姿を見るだけでもビクついていたアリスティア。ルブリスも、少年時代は誰も信じる者がおらず、どこか機械のように冷淡な目をしていたように思います。そんな二人の間にもう信頼関係があると思うと、何とも言えない嬉しい気持ちになります。
▼初恋から遠く離れ、立派な青年に
皆さんのネタバレで、緑頭(アレン)は物凄く病んでいるというイメージが私の中に勝手にあったので、なんかもう一度くらい出てくるのかと思っていましたが、出てきませんでしたね。
きっと遠方でも立派にやっていることでしょう。
立派な大人になりましたね。
このコマで思ったのですが、今の彼ならばもっと冷静にことを進められたのではないか、と少しだけ思ってしまいそうなくらいの大人の佇まいです。素晴らしいブレーンになることでしょう。あの時、ルブリス陛下は正直にアリスティアの危機を知らせてきたこの恋敵をよく衝動で殺さなかったな、と思います。いつか国の有事には、アレンが知恵を貸してくれることでしょう。
やはりルブリスは名君なのでしょうね。
最後に彼のラストを出してくれるあたり、作者さん、分かっていらっしゃる。
そうそう、気になってたのよ、アレンディスのこと。
アレンのあの最後なら、普通のティアのことを好きなだけの純粋な男の子。ネタバレを読む感じでは彼にも本当は、幼い頃から親に恐れられるなど、天才に生まれたが故の苦悩があったように思っていましたが、その描写ほとんど出てきてないような・・・?中盤で完全に消えてしまって残念でもありました。
でも、ちゃんとティアの危機を察知し、聡明であるが故に、憎き恋敵に任せてでもティアを確実に守れる方法をとって消えましたよね。病んでいるどころか、全く、理性的だったような気がします。
でもあのセインだって、恋が叶わなかったのだから。
多くの少女漫画がそうであるように、この物語もまた、恋敵やあて馬がヒーロー並みにかっこいい。3人とも甲乙つけがたい程に魅力的な男性陣だと今思います。
でもその中でもルブリスとカルセインのかっこよさは群を抜いています。本当にセインの魅力はルブリスとは対照で且つ素晴らしいものがありました。
恋敵にしては贅沢すぎる配役です。キムタクがあて馬みたいなもん。笑(それはそれでおいしいってなるんだろうけど)
ティアは、回帰前ルブを猛進的に愛し、破れ心に大きな傷を負い、もう二度とルブを愛したりしないとまで誓います。そして回帰した先で二人の良い男に出会う。
本当は身近にこんなにも良い男がいたことに気付いた。
タイプの違う良い男2人。回帰前、ボロボロになったティアへの罪滅ぼしに、ルブの他にももっとこんなに良い男がいるよ、と神は教えてくれたのかもしれません。
それでもやはり、二人の運命はこのように決まっていた、ということなのでしょう。
良い男2人を振ってでも、「二度と愛したりしない」と誓った、心の底から愛する男を選びましたね。
アレンの元気な姿が見られて良かったです。
髪も伸びて、ずいぶん大人になったね。
いつか、何かで国の危機が訪れたらまた、ルブリスとアリスティアをその類稀なる頭脳で助けてあげて欲しいですね。
この姿がないと、また私達、うるさい読者が「アレンどうなったわけ??」とかなんとか感想を書いてしまうところでしたね。本当に作者さんありがとうございます。
ラストかなり駆け足だったことからも、推測ですが、もしかしたら原作からは結構端折られてるのかな、と思いました。さすがに韓国語を翻訳する元気は無いのですが、もしかしたら小説版だともう少し忠実に翻訳されてるかもしれないですね。
▼おめでとう、良かったね。
幸せだなぁ。
幸せになったんだね、ティア。
おめでとう。
いや本当は物足りないのよ。
最後、駆け足じゃなかったですか?もっとラブラブな二人のやりとりが見たかったわよ。
あと、1~3話辺りのルブリスの大人~!な雰囲気にはまだ遠いと思うのですが、それはこれからなのかな。あの時はアリスティアも何年か皇后の仕事をこなしたり、美優がやってきたりとしばらく宮殿生活をしているような話でしたし。
それとも、もしかしたら、薬(毒)を飲んで顔が変わっていた……?なんていう可能性もありますしね。やはりこの爽やかな顔が我らのルブリスのイメージにぴったりですね。アダルトなルブも見たかったな……という淡い期待はあったんだけど。
でも、この笑顔を見られたらもう、良いかなと。
ルブはまぁ笑顔だけど、ティアのこんな満面の笑顔、初めて見たような気がする。
いや、本当は、物足りないんだけどね。笑
でも良かったです。
こうならないならここまで読めなかった。そう思える至極のラストですね。
アリスティアが幸せになることは少女漫画界の悲願!!!
最後に作者先生のコメントにもあるように、もしかしたらこれ以上描けない事情が何かあったのかもしれません。マンガはここで終わりなのでしょうから、原作にある「外伝」の漫画部分は無いのでしょうね。あとは日本語訳の小説バージョンに「外伝」が載ってくれたら良いな……と祈るばかりです。
清廉潔白な王子ルブリスと孤高のお姫様アリスティア、本当にお似合いの二人です。末永くお幸せに。
●主な登場人物
◆皇帝ミルカン
ルブの父→崩御
◆ルブリス<ルブ>
皇太子→皇帝
回帰前、ティアを処刑
◆アリスティア
モニーク侯爵令嬢
◆アレンディス<アレン>
頭脳担当(草頭)
◆カルセイン<セイン>
剣術担当(赤頭)
◆ケイルアン(白髪)
モニーク侯爵
ティアの父 第2騎士団長
◆ベリータ侯爵(緑長髪)
アレンの父
◆ラス侯爵(赤髪)
セインの父 第1騎士団長
◆ハレン・ディマルク
ルブの側近
◇イリア・セ・ジェノア
(茶髪巻き毛・赤目)
◇キリナ・セ・フィル
(金髪・茶目)
◇ニアーヴ・スー・ヌエン
(白髪・たっぷりの髪)
◇ダニエル・セ・バート
優男
◆大神官
ニアーヴのお友達
◇シャリア子爵令嬢
(ピンク短髪)
商団持ち
◇ナイラ子爵令嬢
(ストレート、ベージュ)
宝石持ち
◇センク子爵令嬢
(紫っぽいセミロング)
宝石細工商人持ち
◇ライア・セ・ハメル
(紫ボブ・紫目)
伯爵の娘・ゼナ公爵の親戚
◆シーモア卿
護衛騎士のひとり
◆ジューヌ卿
護衛騎士のひとり
◆イット王女
貴族派の推し王女
◆ルア王女
不思議な金髪・ショートヘア
ラス家の長男に嫁ぐ
◆美優
回帰前ルブリスに愛されるも先立たれ自分も回帰。
自分を利用したゼナ侯爵に復讐しようと動く
◆ミルワー侯爵
『捨てられた皇妃』iNA/Yuna/D&C/ピッコマ
閲覧ありがとうございました。