『青楼オペラ』12巻
完結 感想②
桜小路かのこ/ベツコミ/小学館(2020)
ラストのネタバレありです。まだ読んでいない方はお気をつけくださいm(__)m
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◆メデューサ
(『青楼オペラ』12巻 桜小路かのこ/小学館/ベツコミ/2020)
いやもう・・・この男前。
マジで何の説明もいらんと思うのですが、私の感想がないと・・・(以下略)。
目元、どうした。これはもう”若旦那”じゃない。この時すでにもう「旦那様」の風格。目力、パネェっす。この目に射抜かれたらもう釘付け。あぶねーメデューサかと思ったわ。そのまま石になってしまうかと思ったわ。
この顔を直視したらもう1分くらいは動けなくなるでしょうね(実際はめちゃ気になって急いで次のページをめくる)
もう何か渋すぎる。
惣ちゃんはただキラキラ輝くかっこいいだけの少女漫画のヒーローじゃないの。どんな役にも成りきれるベテラン俳優並みの存在感。ジャンルは「漫画」じゃなくて「舞台」か「歌劇」かと錯覚。作者さんの大好きな歌舞伎じゃないけれど、何かの舞台やお芝居を見ているような臨場感です。
それが、このキリッと締まったお顔に現れていると思いました。あーかっこいい。しびれたー。本当にやばいでしょこの顔は。何歳だっけ??もうミドル世代の風格やろほんま。かっこよすぎる。20代でこんな顔渋い顔、できるわけない。
だって首筋だってこの色気・・・首筋を見て生唾、飲み込んじゃったよあたし。ゴクリ・・・だよ。
目元を見てかたまって、首筋見て生唾を飲む。
え、あたしが買ったの少女漫画だよね?若手NO.1俳優の写真集じゃないよね??
・・・。
あ、良かった。ちゃんと少女漫画だった。ベツコミフラワーコミックスって書いてた。良かった。写真集買っちゃったかと思った。それくらい男前な顔だった。
(『青楼オペラ』12巻 桜小路かのこ/小学館/ベツコミ/2020)
まさかのBL要素を盛り込んで下さるとは。もう盛り盛りですね。盛りだくさん。入院中のお見舞いに持っていくくだものの籠くらい盛り盛りです。どこに萌えれば良いのか迷ってしまう程に盛り盛りです。
しかも、この笑顔、切なくて切なくて・・・どうすればいいのか誰か教えて。
確か、『仁~JIN~』か何かで観て調べたことがあるんだけど、白粉(おしろい)の中に鉛だか水銀だか有害なものが入っているから、昔の歌舞伎役者って短命な人が多かったそう。本編にもありましたが、陰間的なこともしているからもちろん性病になる可能性も高いし。
(今程医療技術が発達してないし元々死亡率が高いから、本当に歌舞伎役者の死因で「白粉」が上位なのかどうかは分からないみたいだけど)
話逸れるけど吹越さん・・・マジかっこよかった。大好き。言ってしまえば大沢さんも大好き。←ドラマ『仁』の話
この可愛い笑顔の菊のこれからを思うと、深読みして切なくなってしまう・・・まだ若いんだろうなぁこの子。
だって茜は大団円で幸せになったけれど、菊は自分の芸を認めて背中を押してくれた大好きな(え、好きだよね??)若旦那とは一夜の情すら交わすことができなかったというのに・・・それでも愛する惣ちゃんの願いを叶える為に座元に何度もお願いしたりしたんでしょう。
役者としての大成功を収めて、好きな人の役に立てたからそれで良い・・・のでしょうか。でもロマンス小説や少女漫画ばかり読んでる私としては、好きな人と一度も肌を合わせられないなんて・・・と思ってしまう。いやまだ若く才能ある菊だし、きっと若旦那みたいにとは言わないまでも、他にも良いパトロンはいるだろう。これからもっと凄い人に目をかけられることもあるかもしれんし。若旦那と茜以上の大恋愛するかもしれんし。と思わずにはいられない。
この無邪気な笑顔を見てまるで息子のように心配してしまった。
菊、幸せになってくれ。
(『青楼オペラ』12巻 桜小路かのこ/小学館/ベツコミ/2020)
茜ちゃん、この顔、ただ者じゃない。かげろうお銀かと思ったよ。由実かおる姉さんばりの色気と迫力。(確かお銀は薙刀を振りまわしてはいなかったけど)人生、楽ありゃ苦もあるぜ。
これはもう何度も言うけど、ただの少女漫画であって、ただの少女漫画にあらず。
何かもう・・・何路線なのか。凄すぎて私のつたない語彙力が崩壊してしまって・・・泣けてくる。
ラスト、凄かったですよね。
ロマンス小説や少女漫画を数多く読んできた私。遊郭もの、大好きです。遊郭ものもたくさん読ませていただきましたが、吉原にいる主人公が自分で自分の借金を返して大門を出るというラストははじめて読んだ気がする。茜はもともと理由あって自分から吉原に来た身であり、売られてきたわけじゃないから当然と言えば当然なのですが、このラストは全く予想してなかったので、びっくり仰天しました。
「私は自分の足でここへ来た。自分の足でここを出て行く」(『もののけ姫』1997)が頭をよぎった。
アシタカばりの男前っぷり。
(私はジブリの中で1番かっこいいのはアシタカだと思ってる)
なのに「きっと廓に売ろうとしたのよ・・・!」と涙して惣様に抱かれるところなんて、素敵な貴婦人。気品すら感じる。
男っぽさ(強き)と女っぽさ(弱き)の塩梅が上手すぎて・・・こんな良い女いるか?いや、ここにいたわ。って感じで。
この作者さんの描く主人公は本当に可愛くて強くてかっこいいです。
まー私の中では、この絵で完全に、茜ちゃんは「かげろうお銀」のイメージで固まってしまったのだけど。お風呂シーンあれば良かったのに。そこにつなげられたのに・・・残念です。
(『青楼オペラ』12巻 桜小路かのこ/小学館/ベツコミ/2020)
ヒーローである惣右助が目に入れても痛くない程可愛がる愛娘が宿敵・利一のことを気に入っている(たぶん初恋だと解釈)
ただの少女漫画じゃない・・・と思わせといてからの『ご近所物語』のラストを彷彿とさせるような・・・このベタな展開。うわー久しぶりに『ご近所』読みたくなってきた。←主人公の妹である実和子の小話がある。幼馴染の嵐と浩行のお姫様である実和子が、謎のキラキラ星人・キサラギに恋をして嵐と浩行は不満タラタラで終わる。
でも切り口が変わるとこんなに温かい家族のエピソードになるんだな。
テレサ・テンか!て言おうとしたけど違うよね。川の流れに身を任せてはいない。相手や運命に委ねてはいない。
この2人はお互いに、しっかり自分を持っていて自分で人生を切り開いてきました。
この大きな川がどこまでも続くように、2人や周りの皆の人生がどこまでも続いていく...という感じがします。
中身は王道がちりばめられた少女漫画なのにラストもただ事じゃなかった。壮大な物語を読んでいたような気分になる。終わりよければ全て良しとはよく言ったものですよね。最後って本当に大事だなって思いました。
んで、11巻で私が予想してたお粗末な展開は、見事に何も当てはまりませんでしたwwwwお粗末すぎて恥ずかしくて泣けてくるくらいの壮大な大団円です。
↓怒涛のネタバレと感想
◆利一の頭が遂に露わに!?という予想(願望)だけは叶えて下さって、桜小路先生ありがとうございますw
私いままで惣様派閥の人間だったけど、この利一見て、現金にも利一派閥に乗り換えてしまおうかと思ったくらい。(ミーハーなんで)
かっこいーwwwww
アイドルのライブよろしく電飾で
「利」「一」「L」「O」「V」「E」「♥」
って光ってるやつを持ってる気分で。うちわでも良いけど。(ミーハーなんですいません。)
だってこんな髷結ってもかっこいいとか、おかしい。絶対おかしいと思う。こんなかっこいいわけない。←かっこよすぎて目が錯覚してるかと思う程。自分の目を疑ってる。
◆でも、ゆかりちゃん、利一と一緒にならなくて良かったの??少女漫画なのに・・・と思ってしまった。思うよね?
主人公の友達なのに。番付で一番とったと喜ばしいこと言ってるけど、一番ってことはそこに行くまでに何人ものお客とイチャコラしてるってことであって・・・お殿様に貰われる運命でも良かったのでは・・・
いや、ゆかりは気が強いからそんな暮らしじゃ満足できなかったということか・・・いや・・・でも・・・と思わずにはいられない。
1度は幸せになりかけたゆかりを、あえて吉原に残すところが凄い。こうなると、幸せとは何かっていう話になってくる気がする。奥が深すぎてブログ1個じゃ語り尽くせない。
利一、登楼ってくれてますように。
いやー無いか。
利一が通うわけないと思ってしまった。
そっか。そういうことか。
利一はもともと茜ちゃんのものだから、どちらにしろゆかりの恋は叶わない。お殿様のところへ行っても、吉原にいても同じということ・・・なのかなと解釈。
少女漫画としては利一がゆかりを幸せにするよりも、ずっと茜一筋でいる方がおいしい・・・ということだと推察。
あと、ちょっと利一は男前すぎる。
◆長女の初音に姉の顔を見る惣右助
いやーこれが1番びっくりでした。
郭に売られたお姉ちゃんをあれだけ探していたのに・・・結局、惣様は姉が誰か、どこにいるか分からないまま終わったんですね。この感じだと、気付いてるのに気付かないふりをしてる風でもない。すっかり忘れてる。
出会った頃は侍を悪戯に煽っては往来で恥をかかせたりしてちょっと病んでた若旦那。恋したお姫様(幼い茜)は許嫁に夢中で叶わない恋にもままならない思いを抱えていたんでしょう。過酷だった幼い頃の思い出、大好きだった姉を犠牲にしたという悔恨、そしてお姫様とどうにかなる夢もみれず...狂ったように姉を探そうと躍起になることで自分を保っていたのかな。
でも、最後は、愛娘が「誰かに似ている」なんて言って、誰に似てるかも分かってない。
茜でも自分でもないなら姉に似てる...しか有り得ないのに姉の「あ」の字も出てこない。
もしかしたら悲しい人生を歩んだかもしれないし、今も苦しんでるかもしれない姉のことをすっかり忘れることが出来る程に、今が幸せなんだ...という風に解釈しました。
そういえば、茜はあの神社で初対面でしたが、惣右助は茜のことを知ってたんだものね。たぶん、初恋か何かだったんだろうと推測します。
茜だって、心の中に狂気を抱えた許嫁と結婚する最悪の結末じゃなくて惣右助と一緒になれて本当によかったね!なんだけど、
惣右助の方こそ、焦がれた初恋の女の子をモノにできて、本当に本当によかったね!!!
と、思わずにいられません。
「誰かに似ている」という台詞は、狂ったように探していた姉の影を忘れる程に幸せなんだと震えました。
茜が惣右助を幸せにしたから姉のことを忘れることが出来たのか、自分(惣右助)が幸せになることで姉を忘れられたのか。
自分が幸せだから、姉も幸せだろうと思うことでやっと、幼い頃に売られた姉のことを忘れられたのかもしれません。
そしてこれも、姉は自分の幸せより弟の幸せを思うというラストの方がおいしい。
泣くほど好きだった人(松坂屋)と添い遂げるよりも弟のことを優先する気骨・・・さすが惣様のお姉さまです。
なるほどー
だから、松坂屋様は茜を養女にしてくれたのですね。義理の弟になるかもしれなかった惣右助は、松坂屋様にとっては身内も同然。朝明野姉さんもずっと目をかけ気にかけてきた可愛い茜を通して縁ができればこれ程嬉しいことはないでしょう。
惣右助も茜もかっこいいけれど、強いけれど、皆に守られて愛されている主人公なんだなと思う。
もう姉ちゃんと松坂屋様の気持ちを思うと、主人公2人のことは置いといても涙が出そうですよ。おーいおいおいおい







というわけで、『青楼オペラ』終わってしまったー
しばらく「青楼ロス」だわー
まーまだこれからドラマCD聴くから。
あー楽しみだ
桜小路先生、有難うございます。
そして、ここまで読んで下さった方ありがとうございましたm(__)m
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▼私的なつぶやき
冬はミロだ。
ココアよりミロ派の私。
そうなると牛乳を切らせない。
実はお恥ずかしいことに珈琲が飲めない。
学生時代、テスト前にがぶ飲みして胃をやってからだめなんです←だせぇ
珈琲の香りは好きなんだけどな・・・
閲覧ありがとうございました。
またお会いできますように。
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