今年の立春は二月三日。一二四年ぶりのことだそうです。節分のにぎやかな豆まきもなく、恵方巻もどこか盛り上がりを欠いて、静かな、とても静かな春です。
「国破れて山河あり。城春にして草木深し」。中国の詩聖・杜甫の『春望』を口にしてみます。わたしたちはいったいどこへ向かっているのでしょうか。答えは風に吹かれている、と。
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 キウイにワサビにワイン。これまで三鷹の特産品を幾度となく取り上げてきましたが、今回は三鷹産のイチゴをご紹介。と言っても農林水産省の統計資料「二〇一五農林業センサス」によると三鷹市内のイチゴの作付面積は0㌶。ゼロ!
 それでも十一の農家がイチゴの生産に関わっているようで、市内には自分でイチゴの摘み取りができる農園もちらりほらり。
 イチゴの旬は春。これからおいしいイチゴの季節が本番を迎えます。ちなみに、イチゴはワサビと同じく野菜の仲間だってご存じでしたか?(キウイは果物!)
 立春を過ぎれば三寒四温。温かくなってきたら、甘くて熟した三鷹産のイチゴをぜひ一度ご賞味あれ。

(『そよかぜ』2021年2月号/ひとやすみ)