日本が海外に輸出しているプラスチックごみは年間約150万トン。東南アジア諸国は海外からのプラスチックごみを処理しきれていないのが現実。海に流れたごみは海水や海洋生物を通して私たちの元に返る。また、プラごみは燃焼しても微量のマイクロプラスチックとして残り、土壌や動植物を通して私たちの元に返る。この連鎖を少しでも食い止めるために、私たちは暮らし方を変えなくてはいけない。
先日ひょんなことから海洋プラスチック問題のシンポジウムに行った。そして、世界の見方が少し変わった。ある日、中華料理店で出てきた薄いお手拭きのビニール袋に、「このタオルは洗濯して20回ほど繰り返し使えます」と書かれていることに気づいた。はっとした。こんなにしっかり作られたおしぼりを、簡単に使い捨てていたのか……。
自分の行動を見直すと罪悪感がのしかかった。どうしたら気持ちよく過ごせるだろう。私は毎日の生活の中で「これでいいのかな?」と自分に問うことを覚えた。「袋は、いりません」と、どこでもちゃんと言えるようになった。エコバックも持参。ちょっとの衣料品は購入したらそのまま鞄に入れる。まずはできることから始めてみた。すると、同じ毎日でも、なんだか少し気持ちよかった。小さなイイコトが積もっていくような感覚。便利さの裏にある「気持ちよくない」に気づける人になろう。
SDGs(持続可能な開発目標)により、企業では環境への配慮を前提とした思考が強まっている。企業背景は個人の取捨選択の材料となる。SDGs指数をもとに、かっこいい人を探してみよう。
たとえば、つま先までお洒落にスーツを着こなすひとりのイケメンが、通いなれた店で使い捨てカップに入ったコーヒーをテイクアウトする。まあ、ただのイケメンか……。しかし、イケメンの彼がマイカップを持参してフェアトレードコーヒーをテイクアウトするようになったら……。あれ、これこそ本当の「かっこいい」じゃない?
環境に優しい生き方ってかっこいい。まずはできることから。始めると世界の見方が変わる。せっかくだから楽しく。罪悪感を小さなイイコトに変えていこうと思う。個人のSDGs指数が上がれば、世界はかっこいい人だらけじゃないか。
sakin