元ヤンで、、4人の孫がいるアラフィフのKと、

東京⇔大阪の距離を越えて

始まった不思議な関係。

 

彼は、子育てでしんどい時期の私を

大阪から応援してくれる、という。

 

「おはよう!今日も1日張り切っていきましょう!」

朝には、おはようメッセージが届く。

 

「今日の大阪は死ぬほど暑いです。」

日中も、ふらりとメッセージ。

Kの仕事は屋外の作業もあるから、大変。

 

「熱中症、気をつけて。

 東京も暑いよーー」

 

「どっちかが倒れたら、お互い介抱にいきましょね?!(笑)」

 

私たちの間では、暗黙の了解で

「この距離は、つきあうわけないよね」

ってのがあった。

 

だから、そこがギャグになったりした。

 

「今日は、飲み会です」

と送れば、

 

「いいですね~

 僕も混ぜてほしいです!」

 

「じゃあ、今から新宿に集合!!(^^)」

 

そんな他愛もないやりとりが続いた。

不思議と毎日、途絶えることはなかった。

 

「ここんとこ、すっごく忙しくて寝不足~

 お昼も食べる暇なかった・・・」

と、弱音を吐けば

 

「かっぱさんに、僕の睡眠を分けてあげたい!

 寝だめ、食いだめは、できないよね。

 人間だもの~  あいだみつを」

 

なんのこっちゃ?なんだけど、思わず笑っちゃう。

 

関西の人の例にもれず(?)、

Kは、人を笑かすのが大好き。

息するみたいに、ボケとツッコミをかます。

 

そうそう、ちょうど明石家さんま、みたいな感じ。

面白いギャグを飛ばしては

「今のは、ちょっとすべったかな?(笑)」

って、自分で突っ込んだり。

優しくてあったかい笑いなんだな。

 

楽しい。

Kのメッセージはほんとに楽しいよ!

毎日、笑わせてもらってる。

 

私たちは、会うことも、つきあうこともない。

顔も見たことない、声も聞いたことない。

なのに、心の中でポッ!と温かい火が灯ってるような関係。

 

この関係、いつまで続くんだろう?

いつか、メッセージのやりとりも、立ち消えになるかもしれない。

 

私たちは、お互いの恋活を応援するスタンスだった。

「お互い、地元でいい人見つかるといいね!」って。

 

大人だから、お互いの恋活の近況は、

あまり語らなかったけど。

コミュニケーション上手なKだもん、

いつ彼女ができてもおかしくない。

(ちなみに、私が所さんと付き合うのは、もっと後)

 

そんな日々が続いてる中、

ちょうど、私たちの誕生日がやってきた。

 

私は、子どもたちがお祝いしてくれるけど、

お子さんが独立しているKは、長いこと一人暮らし。

 

50代のシングル男性だもの

誕生日だからって、特別に祝ったりしない。

「今日も明日も仕事」って言ってた。

 

「子どもたちが、お祝いのライン、送ってくれました」

と、嬉しそうなK。

 

そこで私は、何かしたくなった。

だって、人生で初めて出会った、

同じ誕生日の人と迎える誕生日。

しかも、マッチングアプリなんていう、思いがけない場所で!

 

最初の言葉どおり、

毎日支えてくれるKに、何かしてあげたかったのだ。

 

そこで・・・ロマンチックおばさん、発動。

「今から、大阪のほう向かって、ハッピーバースデイ、歌うよ!」

 

ベランダに出て、大阪方面と思わしき

夜空のほうへ向かって、歌う。

子どもに気づかれないように、小声だけど。

 

♪ハッピーバースデイ K~

・・・・♪

 

「歌ったよ~

 K、お誕生日、おめでとう!!パチパチ!」

 

「ありがとう。届きました!

 ほんと、かっぱさんに会えてよかった!

 神様に感謝!

 このまま、会うことなくても

 ずっと友達でいたいね~」

 

こんなアラフィフのエピソード、甘酸っぱいだろうか?

だろうな。

でも、人間なんていくつになっても

こんな、ささやかな支え合いで、生きているもんだと思う。

 

この遠距離バースデー祝いの後、

Kのメッセージに変化が起こる。

 

「あのな、かっぱさんとの会話で思うねんけど

 かっぱさんには、まったく嘘が見えへんねん。

 だから、俺もこれからは、気取らず

 大阪弁でメール打つな!」

 

おお~~っ!

大阪弁、バリバリやん!

キャラ変わって見えるー!

でも、なんかカッコイイ(^^)

 

つづく