ロマンチックなタイトルをつけましたが

お話は、この続きです。

 

↓ 尿漏れとセックスの件。

  アラフィフ以降で、恋愛したい女性には大問題😊!

 

 

 

 

同年代でも、話題にしづらいことだけど

さっそく姉と妹にきいてみた。

 

姉は50代半ば 妹はアラフィフ。

 

すると、どちらも心当たりがあると言う!

 

姉は、わたしと同様、

トイレで我慢しきれない感じ。

すでに、吸水パッドを使う時もあるとのこと。

今のところ3㏄のもので間に合っているそうで

早速、ドラッグストアで見てみたら、

210CCなど、バリエーションがたくさんある!!

 

妹はまだ閉経してないからどうかと思ったけど

漏れはないけど、尿意を我慢しづらくなり

遠出や外飲みを控えるようになったとか。

 

ふたりとも出産をしていないけれど

あまり関係なく、更年期に出てくる症状なのか・・・

 

とりあえず、安心したのでした。

やっぱり、身近に仲間がいると心強い😊

 

***********

 

安心したものの、病院へ行ってみた。

だって、これから先、

出先でひやひやして過ごすなんて落ち着かない。

旅行もしっかり楽しみたい。

 

近所の泌尿器科で「女性の泌尿器科」

というのが見つかったので早速行ってみた。

今は、こんな看板のクリニックもあるのねぇ。

 

ひととおり検査などして、

特に病気は隠れていないとのこと。

老化による切迫性のものでしょう、と。

 

膀胱にためやすくなるお薬をいただいた。

でも、先生曰く

「根本的には、骨盤底筋体操です。

 お薬は、やめると元に戻ってしまうので」

 

「そうなんですか?!

 ということは・・・ 

 この先、死ぬまで骨盤底筋体操を続けないと??」

 

「そうです😊」

 

「うっ・・💦 

 人生100年時代、先が長いですね~💦💦」

 

というわけで、骨盤底筋体操のサイトなどを見つつ

ときどきやっている。

でも、そんなに真面目じゃなくて

思い出した時くらい。

 

経過は、薬のおかげでどんどんよくなってきた。

えーーー 快適~~♪

前は、これが当たり前だったのだけど

今は、ありがたみが身に沁みる。

 

薬をしばらく続けましょう、となった。

骨盤底筋体操も、しっかりやらねば!!

 

**********

 

さて

やっとタイトルにつながるのだけど

 

はらぺこくんに、なんとなく話してみた。

 

「この前、ちょっと病院へ行ったんだよね~

 たいしたことじゃないんだけど・・・」

 

トイレでちょろっと間に合わない時が出てきて、と。

 

すると、

「俺も最近、時々あるんだよね。」

と、はらぺこくん。

 

「え?!そうなの?!」

 

「うん。ちょっとだけど。

 パンツについちゃったり。」

 

なんだーー!😊

なんか、心強いな。

そこ、安心するとこじゃない?

 

でも、はらぺこくんはちょっと私より若いし

男性だから

そういう症状が出るのはもっと後なのかと

勝手に思っていた。

 

はらぺこくんが健康であってくれるほうが

ありがたいはずなのに

自分だけじゃないと思って

ホッとしてしまうわたし💦。

 

それから、

骨盤底筋のチェックには

排尿中に尿を止められるかだ、とか

吸水パッドを姉が使っているらしい、とか

いろいろおしゃべりした。

 

はらぺこくんは、

わたしのこういう健康事情ネタの話を

いつも真摯に聞いてくれる。

彼は、「いつまでも若くありたい!」

みたいな概念とは、真逆の価値観の人で

人間、歳とれば色々あるよね~と、

受け入れ力がすごく大きいから。

 

早速泌尿器科へ行ったわたしに

「もう、病院行ったんだ😊」

って、苦笑するから

 

「うん!

 だって、健康でいたいんだもん。

 わたしが右肩上がりが好きなの

 知ってるでしょ?」

って笑った。

 

「もしかすると、

 この前のも・・・・」

 

セックス中に少し出てしまうのも

実は、単に老化では?!

 

ごめん、はらぺこくん😊

夢を壊してしまって。

 

「でも、あれは

 おしっこじゃないかも・・・」

と言って、信じたそうなはらぺこくんを

そっとしておいた。

 

彼なら、

わたしが尿漏れショーツを履いても

「へえ~ いいね」って言いながら

Hしてそうな気がする。

 

そんな風に、

ずっと恋していられたら最高だ。

 

*******

ちょっと生々しいお話でしたが

同じように悩めるお年頃の方の目に留まれば♪

 

(おしまい)

 

「この人、天才っ!!」

と、わたしが思う日本の作家は2人います。

 

1人は、少女マンガ家のくらもちふさこ。

もう1人は、小説家の山田詠美。

 

2人は、パッと見、似てないけど、

本質でどこか似ている。(かっぱ調べ😊)

オセロの裏と表みたいな感じ。

 

くらもちふさこで育ったわたしが、

大人になっても楽しめるフィクションが、山田詠美。

 

GWのはざまだから、駄文を書くのだ~♪

よかったら、おつきあいください。

 

***********

 

姉は、既婚者とつきあっている。

妹は、幼なじみとつきあっている。

 

姉は、自分を「床上手」と言い、

妹は、「あんな動物みたいなこと、絶対にしない」と言う。

 

↓ この本に入っている短編「花火」。

 

 

「花火」は、小説としての評価はどうなのかな?

ややもすると

「言葉で語らせすぎ」という評価もありそう。

 

でも、あえて。

語っている言葉が、興味深い。

 

精神的な愛が尊い、と言う妹に、

姉は言う。

 

「信頼関係ってのは

 寝てみて初めて生まれるものなのよ。」

 

「はっきり言って、

 今、彼を見ても寝たいなんて思わないわ。

 体をくっつけていると、すごく安心する。

 それは、彼をとても信頼しているからよ。」

 

「でも、それがセックスに発展すると

 嫌悪感すらおぼえるわ。 

 前は、彼に触れられて

 一番、感じていた部分が

 今は一番最初に、拒否反応を起こすのよ。」

 

しかし姉は、恋人の求めに嬉々として応じている。

動物のような声を出し、彼を満足させる。

それは、関係を壊さないための

「思いやり」なのだと語る。

 

「わたしは、彼の生理に従って

 セックスしているだけなの。」

 

妹が、そんな思いやりをなぜ?と問う。

 

「そういう思いやりを持つことが

 男を愛するってことなのよ。

 あの人に会いたいって、恋焦がれている時って

 自分を愛しているのよ。

 自分の欲望をなだめるために

 その男を思うのよね。

 同じ会いたいと思うのでも

 その人を愛し始めたときは違う。

 もっと、静かだし、もっと悲しいものよ。」

 

「男と女って、まったく面倒だわ。

 体で魅かれ合って

 それに飽きた瞬間に

 離れられない関係になる。

 体が離れられないなんていうのは

 まったくの嘘。

 離れられなくなるのは、

 心が結びつき始めるからよ。

 体も心も結びついて離れないのは

 だから一瞬なのよね。

 両立しない。

 すぐに消えちゃう。

 まるで花火みたいなものよ。」

 

***********

 

男の生理ってのは、どこか悲しい。

男のそんな部分も丸ごと愛すしかない

女も、やっぱり悲しい。

 

つきつめると、人間はちょっと悲しいんだろう。

 

でも・・・
山田詠美の言うことは、全部が本当だろうか?
 
体も心も結びつくのは一瞬なのか?
わたしたちの花火は、あとどれくらい?
そもそも心と体って、はっきり分かれるのか?
 
 
「面白い小説を読んだんだよ」

 

ちょうど、はらぺこくんに会ったので

話してみた。

 

体を重ねると信頼が増していく

すると、安心できる存在に代わり、

性的な接触は嫌悪するようになる・・・

 

「女の人はそうなんだ、って書いてあった。」

 

「ふうん・・・」

神妙な顔のはらぺこくん。

 

「たしかに

 まだ体の関係を持つ前の

 ドキドキする感じとか、 

 初めての時の盛り上がりとか、いいよね~!

 ずっとああだと、いいのになぁ!」

 

はらぺこくんが、噴き出した。

「そんなの、どうやったって無理だよ。

 何百回って、やってるんだから。」

 

ふふふ、まあそうだよね~

でも、わたしのはらぺこは、

こういう時も、いい返事をするのぅ。

 

だから、安心して

はらぺこくんの、ふかふかですべすべの胸に

とびこんで、くるまれた。

 

でも、小説の「思いやり」のくだりは

口にしなかった。

どうしても。

 

小説の最後で、

妹は、とうとう幼なじみの恋人と結ばれる

 

「初めての体験でしたが

 姉のような声を出しました。

 それは、それは

 自然に出た声で

 私は、自分自身に驚きを覚えました。

 それと同時に京二郎さんを喜ばせている

 自分の無意識の演技に

 唖然とするのでした。」

 

自然に出る無意識の演技。

 

矛盾したような言葉だけど

女性なら、思い当たるのではないだろうか。

花火を、少しでも長く見ていたくて。

 

 

こんなにもネタバレしてしまって、すみません!!

他にも、旨味のある短編がたくさん入ってる

味わってみてください。

 

(おしまい)

 

 

お金のない男が、そんなに嫌いじゃない。

 

もちろん、お金はあったほうがいいけど

そんなになくても、嫌いにならない。

 

 

働かない男は嫌いだけど

お金のない男は嫌いじゃない。

 

努力できない男は嫌いだけど

お金のない男は嫌いじゃない。

 

 

もう少し、ひろげると

 

うんちくが過ぎる男よりは

お金がなくても、話を聞いてくれる男がいい。

 

清潔感のない男はイヤだけど

お金がなくても、柔軟剤のいい匂いがすればいい。

 

金持ちで感性が鈍い男よりは

ホテル代は割り勘でも、セックスがうまい男がいい。

 

 

「お金が飛んでいく~!」

って、この前、はらぺこくんがもらした。

 

ロイヤルホストのレジの前。

 

ファミレスで、どんだけお金がないんだよ~(*'▽')!

しかも、割り勘だったのだけど。

 

 

「思わず、心の声がもれてたよね」

 

後日会ったとき、

ふふふ♪と、言ってみた。

 

「”お金が飛んでいく~”って」

 

「え!そんなこと言ってた?」

 

「言ってたーーー!」

 

恥じ入る、はらぺこくん。

かっこつけなくなったよなぁ~。

 

まあ、そういうもんだよね。

 

「はらぺこくんに

 あんまりお金をかけさせちゃ、いけないな

 って思った。」

 

「でも、ウーバーで

 バイトもがんばってもらって、ね!」

 

ふふふ、ふふふ!

と、ふたりで顔を見合わせて笑った。

 

GWのお出かけ予定を立てながら。

 

お金がない男でも

お金がないことを、笑って話せるなら

それでいい。たぶん。

 

(おしまい)

 

 

手を撫でるだけで

何万回の「愛してる」よりも

心を甘く満たしてくれる。

 

はらぺこくんの不思議な手。

 

そういえば、こんなCMソングがあった。

 

♪ママの手は 何でもできちゃう 不思議な手

 ママ、ママ

 ママの手は 魔法の手~♪

 

恋人なのに

こんな歌を連想するなんて、おかしいな。

 

子どもにとって、ママの手は

触れられると、この上なく安心できて

甘やかにこそばゆい。

 

わたしの気持ちも似ているんだろう。

 

 

********

 

日を開けずに、次に会う約束ができた。

元のペースに戻ったように。

 

「今度は、はらぺこくんの

 行きたいところに連れてって」

とお願いしたら、

競艇を見に行くことになった。

 

 

 

競馬は何度か行ったことあるけど

競艇は初めて。

 

はらぺこくんは

安全第一の人なので

賭け事にはほとんど興味がないのだけど

競艇は、たまにふらっと一人で出かけて

1回100円で何レースか賭けることがあるらしい。

 

「水しぶきと

 モーター音とエンジンのにおい、

 あとアジフライかな。」

 

アジフライ?

どうやら競艇場にはアジフライがあるらしく

はらぺこくんはそれをかじりながら

見るのが好きなんだそうだ。

 

********

 

日程の都合で、

今回は、はらぺこくんも初めて行く

競艇場になった。

 

 

初めてリアルで見るボートレースも

面白かったのだけど

なによりも、競艇場の空気が独特なのだった。

 

競馬とは全然ちがう。

 

おじさん、おじいさん、オッサン、オッチャン・・・

どこを見てもシニア男性ばかり。

しかも、活気あふれるという感じではなく

どこかうら寂しい。

NHKのドキュメンタリー72時間みたいな風景。

伝わるだろうか。

 

競馬場は、家族連れや女の人も多く

健康なエンタメ感があるのに。

時代に置き去りにされた感がすごい。(失礼・・・)

 

「引退した男の人って

 ここにいたんだね。

 女の人は、よく集まって

 お茶とかしてるけど。

 男の人はどこに行ってるのかと思ったら。」

 

「どっか出かけるって言ったら

 こういうとこなんだろうね。」

 

「でもさ

 女の人はグループで集まるけど

 おじさんたち、みんなソロだね!」

 

競艇場に集まるおじさんたちは

みな静かで、ひとりで淡々と行動している。

 

念願の売店で

アジフライをゲットする。

↓ (写真はネットからお借りしてます)

 

もつ煮、焼き鳥、チューハイ、ビール。

おじさんがこよなく愛するものだけが

ミニマムに提供されている。

お値段も、ミニマムだ。

このご時勢に、心に沁みる。

 

「映えるモノが、なにひとつない!!

 それが、一周回って・・」

 

「笑 一周回った感あるね」

 

 (同じく、お写真はお借りしてます)
 
アジフライが
インスタにいっぱい載っちゃう時が
来るかもしれない。
でも、おじさんたちの憩いの場、
どうか、このままであってほしい。
 
そんな競艇場に
ふらっと来るというはらぺこくん。
彼がここの空気を愛するのがよくわかる。
 
そういう背中が
一周回って色っぽいのである。
 
レースのほうは、4レースぶんくらい
賭けたのだけど
1円も当たらなかった。
わたしも、はらぺこくんも。
各自1000円ー2000円くらいの損。
 
ほんとは100円くらい当たりたかったけど
競艇新聞をいっしょに眺めて
次、誰にする?と話したり、
しぶきを飛ばすボートに一喜一憂するのは
すごく楽しかった。
 
 
******
 
すっかり、競艇レポートになってしまいました💦
 
そんなわけで
わたしにも、
はらぺこ直伝の「なあなあ力」が
かなり、ついてしまった。
 
 
帰りの電車が
今回も空いていたので
ふたりでピトっとくっついて座った。
 
手の甲、手のひら、手首
はらぺこくんの魔法の手が
わたしの手をなでなでする。
 
わたしが逆らわないのを察知して
その手は、腰やお尻に、じわっと触れて
また引っ込む。
 
「あ、触っちゃった!」
と、恥ずかしそうに笑う。
 
出た。
はらぺこの「ちゃった」。
 
ふふふ、と、ほほ笑むわたし。
イヤじゃない、というしるし。
 
「なんか、くっつきたくなるね。」
 
「うん」
 
「でもさ
 また、なあなあにしようとしてるでしょ?」
 
「え・・・」
 
「なんとなく、元通り~みたいな?」
 
苦笑する、はらぺこ。
 
「いや、でも、気にしてるよ。
 それでいいのかな、って。」
 
「Hしちゃったら・・・」
 
「うん。
 また離れづらくなっちゃうってなるでしょ?」
 
「そうだね。
 なっちゃうだろうね!」
 
「だから、触ったりするのも
 いいのかなぁ?って」
 
そうだ!
大いに悩んでくれ!
 
でも、やっぱり
この「触ってくる手」がないと物足りない。
 
わたしたちは、すごく動物なんだろう。
 
 
ふと
「〇〇に行くの、どうするー?」
と、はらぺこくん。
 
〇〇は、わたしが行きたいと言った場所。
今までのわたしたちの移動距離を更新する。
ギリギリ日帰りできる限界。
 
「行ける?!」
 
「うん、行けるよ。
 朝はやく出ればいいよね。」

 

 

「一緒にやりたいことが浮かばなければ

 会う必要がない」

と言ったわたしの言葉を

彼なりに、受け止めてくれたんだろう。

 

はらぺこくんのような人には

「一緒にいる」こと、

そのもので十分なのかもしれない。

 

でも、わたしたちには

「ただ一緒にいる」空間がない。

 

と、わたしは感じる。

 

彼にしてみたら

あらゆる場所が、その空間なのかもしれないが。

 

でも、今は

あまりそのことに不満を感じない。

 

 

上野千鶴子が書いていた。

「セックスは、きわめて侵襲性の高い

 個人的な行為です」

だったかな。

 

「侵襲性の高い」

 

心身ともに、内部へ深く入り込み

影響を与える

ということだろう。

 

ママの手のような

はらぺこくんの手に

もっと身をゆだねながらも

わたしは、自分の人生の舵を

自分で望むように取っていけるのか。

 

また、こうも思う。

 

しないことも選べるのに

することを選ぶということは?

 

それを選ぶことでしか

味わえない感覚がある、と

考えるからだろう。

 

ならば、味わってみるしかない。

 

 

お読みくださり、ありがとうございました。

 

(おしまい)

 

一緒にやりたいことが浮かばないなら

会う必要はない

 

上野公園のお花見に

惰性でやってきた風のはらぺこに

言い放ったのだけれど

 

ふと、また

やりたいことのイメージが浮かんできたのは

2-3週間経ったとき。

 

運動?散歩?

体を動かすイメージ。

話し合いなんか、しなくていい。

 

去年の夏も、こんな時期があった。

しばらく離れて

でも、突如いっしょに泳ぎたくなり

市民プールへ行ったんだった。

 

わたしがチャットで声をかけると

はらぺこくんは、忠犬のよう。

わたしが行きたい場所へ、

行きたい日時に来てくれる。

 

わん!

待ってましたわん!

はらぺこ犬😊

 

だったら、自分から誘ってくれればいいのに。

でも、彼はいつもこう。

ただじっと待っていてくれる。

そういう愛のカタチなんだろう。

 

********

 

「いっぱい歩くよっ!」

 

「え、なんで?」

 

「運動になるから!」

 

わたしの家から数キロの

庭園に行くことにした。

ウォーキングにちょうどいい。

 

はらぺこくんは、持病の治療の副作用で

ちょっとふくよかになった。

わたしも、ロコモーティブシンドローム対策。

お金もかからないし、

アラフィフには一石二鳥だ。

 

上野公園は、わたしも反省していた。

里山の動物のように、平穏を愛するはらぺこ。

人混みに連れて行っちゃダメなのだ。

 

今度の庭園は知る人ぞ知る、だから

道中も庭園の中も、がらがらだった。

 

いつの間にか手をつなぎ、

あちこち、ぶらぶら見て歩く。

木の小橋を渡り、苔むした石仏を眺める。

 

小さな売店でお菓子を買った。

庭園オリジナルのものがあったので。

 

小ぢんまりした広場でベンチに座って

1つずつ食べる。

人影まばらな庭園に、緑色の風が匂っていた。

 

「さて

 はらぺこくんは会わない間

 どんなことがありましたか~?」

 

「んー なにもないよ。

 いつもどおり。」

 

「えー、なんかあるでしょ?」

 

会話がほとんど思い出せない。

あまり意味のあることを話さなかったんだろう。

言葉じゃないものを、やりとりしていた。

 

********

 

その日は、たくさんたくさん歩いて

出発地と違う駅に着き、

電車に乗って移動して、ラーメンを食べた。

 

はらぺこくんが学生時代に通ったという

ラーメン屋さん。

おいしいけど食べきれなくて、

残った麺をはらぺこくんに食べてもらった。

 

「普通の人だったら

 絶対、こういうことしないんだよ。」

 

「食べ残しを食べるとか?」

 

「うん。

 回して食べるとかも、やなんだ。」

 

はらぺこくんにしてはめずらしく

力説しているな。

かっぱさんは特別だ、と言っているのか?

いや待て。

そうじゃなくて・・・

 

「あ、もしかして今

 断りづらかった?!」

 

「いや、そうじゃないよ。」

 

真意はわからないけど。

 

 

帰りの電車は空いていて

ピトっとくっついて座った。

 

なんにも話さなかったけど

はらぺこくんの手は、いつもどおり雄弁だった。

わたしの手を握ったまま、

愛おしそうに、すりすりする。

スベスベマンジュウガニのような、はらぺこくんの手。

その感触を味わいながら

わたしは目を閉じて、彼の肩に頭を預けた。

 

ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン・・・

 

車窓に映るわたしたちの向こうに

東京の夕暮れが広がっていた。

 

(つづく)

 

 

 

またいつもみたいに

自然に戻るのかもしれないと思いつつ

でも、自分の存在が

かっぱさんがかっぱさんらしく生きるのを

邪魔しているのではないかと

思ったりもする。

陽の光を浴びてまっすぐ生きるのが

かっぱさんらしいから。

 

 

恋庭で、長めの言葉を

はらぺこくんは送ってくれた。

 

何度も行ったり来たりしたこと。

また繰り返す。

 

幸せなわたしたちの不幸。

 

「あなたたちは

 

 りくりゅうペアのように

 感性がピタっと合うんでしょうね」

と、カウンセラーさんが言った。

 

理屈ではないところで

惹かれあう。

「人格」とか、「人間」以前の部分。

 

りくりゅうペアは、感性の一致に加えて

社会的な部分でも

同じ目標を持って進むことができた人たち。

 

「それは、

 人生のある時期に限ることもしれないけれど

 これ以上ない至福よ。

 だから、みんな二人に理想を見るのね。」

 

納得。

 

わたしたちは

りくりゅうペアに両方そろってる相性が

片方しかない。

 

社会的な目標の不一致。

 

お互いがお互いを

幸せには「しきれない」。

こんな風に考えてるのはわたしだけかもしれないが。

はらぺこくんは、

ドラマチックに考えない人だから。

 

********

 

転職、引っ越し、パートナーシップ・・・

 

いろいろな課題が

一気にやってきた春。

 

いっそ、彼を切ってしまったほうが

パワーを削がれないかもしれない。

 

そんな風にも思ったのだけど

いざ別れる?と想像すると

やっぱり情緒不安定になってしまう。

 

はらぺこくんは

わたしの深いところに入り込んでいる。

親子くらい、近しいところ。

 

そう

会わなければいいのだ。

お別れはしない。

ただ忙しいから、落ちつくまで。

そう考えるようにすると、怖くなくなる。

 

就職活動や、引っ越し先探しに打ち込んだ。

 

 

でも、

はらぺこくんを思い出さない日はない。

 

それどころか

いいことがあったり

がんばる場面があったりしたら

いつでも、心の中のはらぺこに語りかけている。

 

わたしは、彼を

内面化しているんだ。

 

死んじゃったおばあちゃんを

時々、心の中で召喚するかのように。

 

本当に絆ができた人は

「千の風」になるんだと思う。

♪千の風になーって~♪という歌のごとく。

 

はらぺこくんを心の中に置いて

いつでも感じながら

自分の人生に打ち込む。

ものすごくパワーが湧いてくる。

 

うまく言えないけど

自分の男性性の投影を

自分の中に取り戻した感じ。

 

それは、すごく安定してパワーが出る状態。

 

チホちゃんが言うところの

「ひとり恋愛」なのかもしれない。

 

こんなにも大きなエネルギーを感じるのは

久しぶりだ。

離婚したとき以来かもしれない。

 

(つづく)

 

 

タイトルは「なあなありょく」と、読みます。

はらぺこくんの得意なヤツです。

 

************

 

しばらく、Hしていない。

1か月ぐらいだけど。

すごく間が空いているように感じる。

 

もう、いいかも?と

ふいに感じたのは、お花見。

 

上野公園に行ったのだけど

「あ、これは前に来た時のほうが楽しかったな~」

って、思ってしまった。

 

上野公園でボートに乗ったのは、つきあってすぐの春。

力強くオールをこぐはらぺこくんにときめいた。

夜桜を見に行った年もあった。

小学生のようにたこ焼きをほおばる姿を

かわいいと思った。

 

今年は?

待ち合わせで顔を見た瞬間、

帰ってもいいな、と思った。

人混みが苦手なはらぺこくんが

笑顔を浮かべながらも、

ちょっと気乗りしていないのを

わたしは見逃さなかったから。

 

だったら、言えばよかったのにね?

どこ行く?って事前に話し合ったとき。

 

ふ~ん

 

以前はね

人混みが苦手でも

わたしと一緒にいられれば、まあよかったんだろう。

もう、そんな時期は過ぎたのか。

 

*********

 

「一緒にやりたいことが

 特になければ、会う必要なくない?」

と、言ったのは

帰りの電車のホームのベンチ。

 

ちょっと驚いた顔のはらぺこ。

それなりには、楽しい花見をすごしたから。

でもそれは、わたしががんばったのだよ。

楽しい空気に包みこもうと。

 

それぞれの電車に乗り、

ひとりになって、ふと思った。

 

もともと、代替だったのだ、これは。

上野公園。

もう何回も一緒に来ている。

 

ほんとは、わたしはどうしたかった?

 

もっと遠くの桜が見たかった。

東北とか?

 

フロンティア・・・

新しい地に旗を立てるみたいに。

そう、わたしは右肩上がりが好きなんだ。

 

人混みが嫌いな

はらぺこくんのせいではなく

 

わたしが、今日にときめいてなかったのか。

 

 

(つづく)

 

 

わたしは夢見ることをやめられない。

 

そういう性分なんだと思う。

 

 

夏に、東南アジアに行くことにした。

以前いた会社の後輩に会いに行く。

 

彼は、もう長年そちらで単身赴任していて

先日、帰国したときに、お茶をした。

15年ぶりくらいに会った気がする。

 

そこから話がトントンと進んで、

よし!行っちゃお~!となった。

同じく、以前いた会社の先輩と2人で。

 

初めての国。

未知の国へ行くと思うと、

おなかの底からワクワクが止まらない。

血が騒ぐという感じ。

 

駐在している彼のように

わたしも外国で、その国の人と働いたら?

と、想像する。

きっと、大変なことも死ぬほどあるに違いないが

人生に飽きる暇のないまま、寿命が尽きる気がする。

本望だ。

 

*******

 

はらぺこくんは、DNAが全然ちがう。

 

未知の場所は怖いし、

今より広い世界を見たいという欲求が

そもそも彼にはない。

 

外へ外へ

フロンティアを追っかけるのが好きなわたし。

はらぺこくんは、そういう意味では

ベストパートナーではないだろう。

 

でも、冒険好きな女の子が

「あー!楽しかったぁ!」って帰ってきて

おひざでゴロンするような

「港」みたいな存在かもしれない。

 

そういう「ベストパートナー」としての

カタチがあるのかもしれないし

 

そうでもないかもしれない。

 

最近、わたしの周りには

引っ張るタイプではないが、怖がりではない男性が

ちらほらと現れる。

 

この駐在員の後輩もそうだけど、

他にも、ひとりで本屋さんを起業している男性などなど。

 

元夫も、そういうタイプだった気がする。

 

寄り添ってくれるけど、冒険するのも好き・・・

そういう男性像。

 

果たして

わたしが社会的な行動も共にできる、

そういう男性があらわれるのか?

あるいは

わたしは、その部分は友人・知人で満たし

帰れる場所の、はらぺこくんがいればいいのか?

 

もっと他のカタチもあるかもしれない。

 

 

夢見る性分が

マグマみたいに出口を求めてうごめくうちに、

なにかが、できていくんだろう。

 

ちょっと怖いし、寂しいのだけど

わたしは、わたしに逆らえない。

 

 

(おしまい)

 

 
「はらぺこくんがくれたコーヒーに
 牛乳入れて飲むのに
 ハマってるーー♪」
 
「お、さすがカフェラテ好き」
 
「水をまったく入れずに
 全部牛乳にするとおいしいんだよー」
 
「なるほど、おいしそ。
 ミロみたいかな。」
 
「ミロ!! 懐かし~~!」
 
ホワイトデーに、はらぺこくんは
スタバのちょこっとギフトをくれた。
 
「いつも、好きでしょ?」
って。
 
はらぺこくんは、スタバに行くと
「オーダーの仕方がわからなくて緊張する」
って、言う。
 
どんな顔して、買ってくれたのかな。
 
だから、チャットしたくなったんだよ。
1袋ずつ、惜しみながら飲んでいる。
 
************
 
この間、実家へ帰省して
両親と桜を見た。
 
すごく見晴らしのいいところ。
父が
「ここは、すごいんだぞ」と
車で連れて行ってくれた。
 
認知症の母は
出かける前、ヤダヤダとぐずったのに
桜の下では、少女のようにはしゃいでた。
 
故郷の絶景を眺めながら
 
はらぺこくんを連れてきたいな
 
って思ったんだった。
 
父が、とっておきの場所に
わたしたちを連れて行ってくれたように。
 
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今朝のニュースでは
富士山の噴火を特集してた。
 
もしも、噴火したら
火山灰で交通機関はマヒしてしまうんだって。
 
ほーら
いつも、わたしが言ってるとおり。
 
「物理的に近くにいなくちゃ
 結局、なにかあったときには
 バラバラだよ」
 
えい!とチャンネルを回したら
こっちは、戦争とインフレのニュース。
 
わたしたちなんて
吹けば飛ぶようだ、って
思うのも無理ないよ、ねえ?
 
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用事があって
引っ越し前の地元へ行った。
 
2年前まで、住んでたところ。
 
公園にも、コンビニにも
幼いかっぱ子とかっぱ太郎の姿が浮かぶ。
 
すると、はらぺこくんも浮かんできた。
 
緑の木陰。
ベンチに座っていっしょにお弁当食べたな。
 
そういえば
この役所にも、あっちの病院にも
付いてきてくれたことがあった。
 
いつも優しい笑みをたたえて。
 
久しぶりの駅の階段を下りるとき
胸がきゅうーっとなった。
 
あ、このきゅうーっは、あれだ。
はらぺこくんちの方へ
会いに行くとき。
 
何十回と、この階段を下った。
足早に。
はやる気持ちを抑えながら。
 
体がおぼえているんだねぇ。
 
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「ただいまー」
って、家のドアを開けると
 
「おかえりー」
リビングからかっぱ子の声。
 
 
お互いの1日のあれこれを
しゃべりながら
夕ご飯の準備をする。
 
待ちきれなくて
カップラーメン食べちゃった、
とか
毎食、たんぱく質を20gとると
いいんだってよ、
とか。
 
食べ終わると
ゴロンと寝ころんで、テレビを見る。
かっぱ子は、わたしのお腹に頭をのせる。
いつものスタイル。
とっくに成人式も過ぎた娘なのに。
 
トイレに行こうとして、
長いまっすぐな廊下を
すすーーーっ しゅ!と、すべる私。
 
このマンションの長い廊下。
「ランウェイみたいだよね」
って、歩いたり、踊ったりする。
 
子どもたちに笑われたり
時にはいっしょにふざけながら。
 
ふふふ
はらぺこくんも
わたしが、廊下のランウェイで踊るのを
にやにや笑って見るに違いない。
 
今日の夕食は
たんぱく質、なんグラム?とか
おしゃべりするのも目に浮かぶ。
 
わたしは、いっしょに暮らすには
なかなか楽しい人物だと思うぞよ。
横暴でもあるけれど。
 
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さて
そろそろお布団に入って
マンガでも読もう。
 
至福の時間。
 
今日もかっぱは、いろんな気持ちの絵を描いた。
心のキャンバスに。
 
 
いろんな色の、点と線。
 
一瞬一瞬が、即興なんだ。
 
それでは、今夜はおやすみなさい。
 
 
(おしまい)