リハビリの先生に、

勇気をふりしぼって、

チョコをあげようかと思っていた矢先。

 

突然の先生からの

2月14日はお休みをとります」宣言。

 

それは・・・彼女とバレンタインデートってことですか??!

(まだ妄想だけど)

 

そして、

もやもやしたまま、迎えた次のリハビリは

2月15日。

 

時すでに遅し・・・・

チョコレートを渡すチャンスは永遠に終わってしまった。

「ジャンプする」パワーストーンの力、うまく借りられなかった・・・

 

ローな気分で、リハビリにのぞむ。

バレンタインなんてイベントは、まるでなかったことのように、

いつもどおりの、先生との雑談が進む。

 

すると、

先生 「昨日、大学に、証明書類を取りにいったんですよー」

 

ん?大学? 証明書?

 

先生 「ちょっと資格試験に必要で。」

 

実は先生の卒業大学は、私の住まいとわりと近くて、

今までも雑談にのぼっていた。

 

先生 「車で久々に行ったんですけど、

     あのへんも、けっこう変わりましたねー」

 

私は、「そうそう」、とか

適当に相づちを打ちながら、めまぐるしく考えていた。

 

なんだ・・・ そうだったんだ。

デートじゃなかったんだぁ。(^^)

 

でも??

 

だからって、なんで、わざわざ14日に?

 

たまたま?

 

いや、彼女とドライブがてら、大学ツアーってのも、

あるかもしれない・・・・・

うーん、それって、かなり気心知れてる感じだわ、イタタタ (><)

 

片思いって、

妄想の暴走が止まらない。

 

それ以上、細かい情報もゲットできず、

もやもやのまま、その日は終わる。

あー、こんなとき、上手に情報を聞き出すやり口を

だれか教えてほしい~

 

バレンタイン、

当たって砕けもせず、肩すかしで終わった・・・・・

と、思ったのだけど、終わってなかった。

 

ちょうどその数日後、

私は、会社時代の先輩と会う用事があった。

 

その先輩は、私のちょこっと上の独身女性。

優秀で仕事がものすごーーくできる管理職、

かつ、ヴェルベットみたいな

「上質な女性」オーラがあふれて、ミステリアス。

職場でも取引先でも、彼女に吸い寄せられる男性が

地引網にかかるイワシみたいに、ざっくざく。

あくまでも、プライベートはヴェールに包まれているけれど

常にパートナーがいる匂いがする。

 

全然似てない私と先輩だけど、

なぜか、けっこう可愛がってくれて、

こんな時、恋愛相談にのってくれる力強い味方なのだ。

 

私は、リハビリの先生への片思い、

そして、バレンタインイベントの不完全燃焼の話を

聞いてもらった。

 

すると・・・・・

いつもエレガントな先輩の顔に

やり手のスナイパーのような表情がキラリと浮かんだ。

 

かっぱ、

 今からでも、チョコレートを渡すのよ!

 次のリハビリに、持って行きなさい!

 ”少し遅れちゃったけど、どうぞ~”って!

 

 

先輩からの、ご神託ーー!!

 

今からでも??

 

そーか。

ぜんっぜん、思いつかなかった!わたし。

14日、逃しちゃったから、もう、さりげなく渡せない、

チャンスは終わっちゃったーーって、思い込んでた!

 

いい?

 だってね、チョコレートをもらって

 うれしくない男性なんて、いないの!

 迷惑に思われるとか、絶対ないから!」

 

歳だけとった、イタイ乙女チックおばさんの私と、

実のある恋愛実戦経験を積んでいる先輩の差は

歴然だった。

 

先輩からすれば、そんなこと、

ごあいさつレベルに、軽~くできることなんだろうな。

 

 

「わ、わかりました!

 わたし、

 今からでも、渡しますっ!!」

 

パワーストーンの力は、ちゃんと働いてた!!