3月17日(日)14時の回を観てきました。







場所は新井薬師前にあります中野ウエストエンドスタジオ。









作品はナナシノ(  )本公演『8年目の電話』






ナナシノの作品は今回が初めて。






13時30分近くに到着。






受付で3500円を支払いポストカードを受け取る。





劇場内に入って席を探す。





自由席だったので最前列の右寄りの席に座る。





舞台上には中央に白い木の物を置くようなセットに黒電話が置いてあり左端の上の方にはモニターがある。





14時になり舞台の幕が上がる。





上演時間は約1時間30分でした。





ここからはネタばれが含まれますのでまだ観ていない方、内容を知りたくない方は読まないで下さい。





劇作家としていくつもの東日本大震災をテーマにした作品を出していた藤村(矢野竜司さん)そして8年の月日が流れる。そんなある日1人の俳優でもある熊倉(植田恭平さん)と出会う。




彼もまた震災を岩手県大槌町で体験した人物でもあった。




そんな熊倉の前に子役上がりの知人でもある小林(日野祥太さん)と会う事に。




3人それぞれの8年間の思いが語られていくのだが…




東日本大震災から8年後の今を3人のそれぞれの目を通して紡ぎ出されていく作品は作品の中でも言っていたりするのですが…悲劇でもあって喜劇でもある作品。




前半部分では『んっ?』ってシーンもあったりするんですけど…それが後半のやり取りで『あぁ』っていう感情に変わっていくのはちょっと今までになかった感じでした。





よくその気持ちわかるみたいな言葉をいう事があったりしますけど…実際は相手の気持ちを理解する事は出来ないと思うんですよね。





どんな似たような境遇にあったとしてもその人の気持ちはその人にしかわらない事だからわかるはずがないんです。




それを象徴している言葉が劇中でも登場する『自粛』という言葉。





他人事だから出るそんな言葉が重く刻まれる。





劇中で津波が襲ってきて逃げる熊倉と小林のシーンがあるんですけど劇場を全速力で何度も何度も走り回るという演出は実際その場で2人の風を感じとれてなんだか不思議な気分になりました。





照明や音響の演出もまた作品を際立たせていましたね。





最後実際に岩手県大槌町にある『風の電話』が登場するんですけど。





その電話は黒電話で通話は全く出来ない線の繋がっていないもの。





でもその人たちの気持ち次第で大切だった人たちと唯一思いを繋げられるシーンはグッとくるものがありました。





実際私は震災で大切だった人を亡くした経験者ではないので本当の意味での気持ちはわからないと思いますが。





この舞台公演を最後に大槌町でやりたいというシーンが最後にあるんですけど…再演する際は何かの形で実現したらなと思って観ていました。





植田恭平さん演じる熊倉は東日本大震災で彼女でもあったサクラを亡くした経験を抱えている役柄で。




震災がある前までは医者として働いていたがその後辞めてしまい今では役者としてその場に。





最後『風の電話』を使って彼女と思いをつなげているシーンにグッときました。





観る人によってそれぞれに思う作品なのかと。





出演者の方々ありがとうございました。





8年目の電話は3月18日(月)まで二酸化炭素の公演は3月21日(木・祝)まで上演していますので気になる方々は是非。





最後まで読んでいただいた方もありがとうございます(o^∀^o)