数珠屋などやり出すと、人様の持ってる数珠が何だか大変気になりだすもので、法事やら葬儀やらに出ると、どうしたって視線は数珠を追いかけます(笑)
ケッ!虎眼石とは下品だな、成金野郎め!
とか、
あ~、一見天然石みたいだけど、房が人絹だから、これはガラスか樹脂だな。
なんて、色々品定めをするのが楽しい(笑)
しかし、驚きだったのは、少なからぬ坊さんが、参列者にも劣るヤスモノ丸出しの数珠を携えて導師を務めていること。
お友達のお坊さんに聞いてみると、僧侶になるには、得度という儀式を所属する宗派の本山等で受けるのですが、この時に本山から数珠をもらうのだそうです。
ただ、所詮は儀式のついでにくれるようなものなので高級品であることはなく、たいていは梅などの安価な素材なのだとか。
しかし、本山から頂いた有難いお数珠ということで、後生大事に使う人が多く、買い換えるとかいった考えも浮かばないそうです。
もちろん、すべてがそうという訳ではありませんし、やはり商売道具なんだから、良いのを持たないとなという大人な考えの人も居るようですが、どうも私が法事や葬儀を覗き見た印象では、そういうお坊さんは少数派のように見受けられました。
そういえば、先日、懇意にして頂いている行者用品のお店で、お茶を飲んでいましたら、後輩に数珠を見立ててやろうと思ったらしき修験者のオッチャンがお店に入って来たのですが、開口一番、
「なるだけ安い数珠見せておくれな!」
と勢いよく店主に申し付けたのにはゲンナリしました。
一生ものなんだから、せめて、安物買いを後輩に戒めるくらいのことはするべきではないでしょうか。
余計なお世話かもしれませんが。
後輩クン(これも結構なオッチャンでしたが)は、30分ほど迷った挙句、並品の紫檀の数珠を買って帰りました。
天玉が樹脂なのが、ちょっと私には気に入りませんでしたが、先輩よりは遥かにまともな判断が出来る人のようです。
ちなみに、そわかの尺七サイズ(修験道で使われる一般的なサイズ)の開運数珠ネックレスは房を付けて四天玉の位置を変えればそのまま修験道の数珠になるのですが、グレードとしてはそこそこの高級品だったりします。
店主の話では、20年ほど前は金剛菩提樹の尺七サイズも常備していたそうですが、いつの頃からか安価な黒檀や紫檀に取って代わられ、今では特注品としてしか作らないようになったということでした。
しかも、天玉の石は樹脂製であることが普通らしいです。
手前味噌ですが、そわかの開運数珠ネックレスは結構グレードの高いお品なのですヨン♪