謎の“菩提子” | 開運数珠ネックレスのそわかのブログ

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『諸大宗数珠纂要』より

 

『数珠功徳経』というお経に、功徳の観点から見た素材の等級が記されており、『諸大宗数珠纂要』那須大慶編(1895年刊)に上掲の図表が出ています。

 

何を基準にして五倍十倍と言っているのか不明ですし、ハッタリ重視のいかにもインド的な途方もない数字の並べ方は面白くありませんが、高価な真珠や珊瑚が下から三番目で、我らが金剛菩提樹(ルドラクシャ)が上から二番目に来ているのは何だか嬉しいです(水精とあるのは水晶のことです)。

 

問題は、無数倍の功徳があるとして最上位に扱われている“菩提子”です。

 

私が最も信用に為る仏教語辞典として座右に置いている『日本佛教語辞典』岩本裕著(1988年刊)を引くと、“菩提子”はインドジュズノキの種子から作った数珠だとしてあるのですが、そうすると千億倍の金剛子とダブることになってしまいます。

 

ムクロジ科モクゲンジを金剛子としている本もあるようですが、そうすると、功徳千倍の木槵子は一体何なのでしょうか。

 

併せて考えてみますに、恐らくこの『数珠功徳経』は、お釈迦様ゆかりのインドボダイジュでは数珠を作れないことを知らなかった中国人あたりが書いた偽経ではないかと私は思います。

 

ですので、功徳無数倍の菩提子とはインドボダイジュを言ったつもりだったのではないでしょうか(もしくは、この菩提子はシナノキ科のボダイジュ?)。

 

そうでないと、全体の辻褄が合わないように思います。

 

無数倍と言っているのは、誰も見たことがなかった為にそのような有難い扱いがなされたのではとも思われます(そもそも存在しない訳ですから)。

 

ただ、当時の仏教者が持っていた数珠の素材の等級における或る程度の共通認識が、ここに反映されていると思われますので、そうなると、事実上数珠の素材の功徳面での王様は、金剛菩提樹ということになります。

 

私は仏教の知識をそれほど持ち合わせておりませんので、もしこの推測が間違っていましたら、どなたかご教示頂けますと幸いです。

 

※2017年11月28日追記:学名に“budhensis”と付くところから鳳眼菩提ではないかという気もしています。仏教圏では“仏陀の眼”として有難がられる素材です。