認知症の行方不明問題が深刻化している | 相続人に必要な「遺産相続の手続き」を解説|かながわ総合法務事務所

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司法書士・行政書士の山口です。

 

高齢化社会によって、認知症患者が増加。

将来的には5人に1人、高齢者の20%が認知症になるとも言われています。

 

 

認知症患者増加に伴って、行方不明者が多発するという問題も。

年間で1万8000人近くの行方不明者が発生しているようです。

 

 

2022年の認知症の行方不明者数は1万8709人。
10年前の2012年と比べると、約2倍に増えているようです。

 

神奈川県は、全国でも行方不明の届け出が多い県のようです。

認知症や、その疑いのある人が行方不明になる事案は「特異行方不明事案」と呼ばれるケースのよう。

神奈川県では、この10年で7倍に増加しているようです。

 

10月の2週間だけでも、認知症や、その疑いのある人が町なかで保護されたケースは391件に上ったようです。(神奈川県内)。

認知症の行方不明者が増え続ければ、今後、対応しきれなくなると警察は危機感をつのらせています。

 

全国的には行方不明者届の受理当日に77.5%、1週間以内にほとんどの人が所在確認されているようです。

しかし、徘徊中に亡くなってしまった方は491人もいます。

 

 

(東京都健康長寿医療センターより抜粋)

 

認知機能が低下していることから、1人では事故にあう可能性が高くなります。

溺死・事故などが約55%、低体温症が約35%、90%の死因がこの3つです。

あとは、病気その他で10%ほどが死因原因のようです。

 

 

徘徊で行方不明というと、重度の認知症患者をイメージするかもしれません。

しかし、軽度でも20~25%の行方不明者がいるよう。

4人に1人という比率を考えると、意外かもしれません。

 

 

 

行方不明になって当日・翌日までは、生存確率が高いようです。

しかし、3日目になると死亡率のほうが高くなります。

当然ですが、早い対策が必要ということ。

 

近隣を探しても見当たらなければ、すぐに関係機関の協力を仰ぐこと。

警察・役所などに連絡です。

 

 

事前措置としてはGPSの設置。

しかし、認知症の方がなにも持たないで家を出た場合は功を奏しません。

玄関にセンサーを設置、ご家族のスマホに通知がいくなどの設定もできます。

できる限りの対策は講じていたほうがいいでしょう。

 

そして、徘徊癖がある場合には、SOSネットワークに登録しておきましょう。

 
 

 


SOSネットワークは、高齢者が行方不明になった時に、警察だけでなく、地域の生活関連団体等が捜索に協力して、すみやかに行方不明者を発見保護するしくみです。
 

全国各地の自治体や、警察、支援団体(推進コア団体)などが連携して構築しているネットワークです。

タクシー会社や郵便局、ガソリンスタンド、コンビニ、銀行、宅配業者、コミュニティFM放送局、町内会、老人クラブ、介護サービス事業者など、日頃地域で活動している企業や住民団体などが、捜索に協力します。

実際の捜索では、家族から警察に捜索依頼があると、警察は本人の特徴を手短にまとめて、FAXやメールを使って、協力団体に捜索協力を要請します。

 

連絡を受けた協力者は、地域の中で仕事や活動をしながら、行方不明者を気にかけたり、まわりを探したりします。

行方不明者を見つけた場合、協力者はやさしく声をかけて確認し、警察に連絡をします。

そして、警察は行方不明者を家族のもとに戻します。