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蜷川惣左衛門のブログ

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流れ・好き嫌い・間違った論功行賞がつくる残酷な現実


職場で「なんであの人が上司なんだろう」と思ったことがある人は多い。
でもこれは、個人の資質の問題ではない。
組織の“流れ”と“文化”と“誤った褒め方”が生み出す必然だ。
 

 1.「順番で座る椅子」がある
多くの組織では、能力ではなく 「年数」や「順番」 で昇進が決まる。
つまり、
たまたまその時そこにいた人が、
たまたま空いた椅子に座る。
これでは、上司の質が安定するはずがない。

 2. 人間関係で回す文化が強すぎる
日本の組織は、
•     空気
•     和
•     根回し
•     しがらみ
こうした“人間関係のルール”で動く。
この文化の中では、
能力より「扱いやすさ」や「波風を立てないこと」が評価される。
結果として、
「仕事はできないけど、怒らない人」が上に行く。

 3. 最大の闇:好き嫌い人事
多くの組織では、
評価は“実績”ではなく“相性”で決まる。
•     上層部に気に入られる
•     飲み会で可愛がられる
•     反論しない
•     都合よく動く
こうした“好かれポイント”を押さえた人が昇進する。
逆に、
•     正論を言う
•     無駄を指摘する
•     不正を見逃さない
こういう人は、どれだけ有能でも嫌われやすい。
そして、
嫌われた瞬間にキャリアの天井が決まる。

 4. そしてもう一つの毒:間違った論功行賞
本来の論功行賞は「成果に応じて報いる」ものだが、
現実は “成果に見えるもの”に報いる という歪んだ形になりがちだ。
例えば、
•     トラブルを起こした本人が“解決した功績”で評価される
•     無駄な仕事を増やした人が“頑張った”と褒められる
•     火事を起こした人が“火消し役”として昇進する
•     目立つ仕事だけ拾った人が“実績”として扱われる
こうして、
「問題をつくる人ほど得をする」
という逆転現象が起きる。
真面目に火事を起こさない人は、
“功績がない”とみなされる。

 5. 評価制度を作る人が、評価される側でもある
昇進制度を作るのは管理職。
つまり、
自分が不利になる仕掛けを自分で作るわけがない。
好き嫌い人事も、間違った論功行賞も、
その恩恵を受けている人たちが制度を握っているため、
改善されることはほぼない。

 6. 能力の“見える化”が怖い
能力を測る仕掛けを入れると、
•     できる人は得をする
•     できない人はバレる
•     好き嫌い人事が露骨に見える
•     間違った論功行賞が数字で否定される
この“バレる恐怖”が、組織全体を硬直させる。
だから曖昧なままにしておくほうが都合がいい。

 7. マネジメントを専門職として扱わない
「仕事ができる人を上司にする」
という古い価値観が根強い。
でも、
仕事ができる ≠ 人を導ける。
この区別がないと、
優秀なプレイヤーを“ダメな上司”に変換する事故 が起きる。

 8. 一度上に行くと、降りられない
降格がない組織では、
一度上司になった人が永遠に居座る。
つまり、
“能力の固定化” が起きる。
固定化した人ほど、自分の立場を守るために改革を拒む。

 9. 現場は忙しすぎて、土台を直す余裕がない
現場は日々の仕事で手一杯。
上層部は現場の実態を知らない。
結果として、
誰も“流れ”を直さないまま、惰性で続く。

■ では、この責任は誰が取るべきか
本来は、
•     人事権を持つ管理職
•     評価制度を作る人事部
•     文化を維持してきた経営層
ここが責任を負うべき。
しかし現実は、
責任を取るべき人ほど責任を取らない仕組みになっている。
だから、組織は変わらない。

■ そして、この流れで“誰が不幸になるのか”
ここが一番残酷な部分。
 1. 現場のまじめな人が不幸になる
•     火事を起こさない
•     無駄を増やさない
•     正論を言う
•     誠実に働く
こういう人ほど評価されず、
むしろ“扱いにくい”とみなされる。
努力が報われない構造は、
まじめな人を最も傷つける。

 2. 若手が不幸になる
若手は組織の未来そのもの。
しかし、
•     好き嫌い人事
•     間違った論功行賞
•     無能な上司の固定化
これらが続くと、
「ここにいても成長できない」
と感じて離れていく。
組織の未来が失われる。

 3. 有能な人が不幸になる
能力がある人ほど、
•     無能な上司の尻拭い
•     間違った評価
•     不合理な文化
に疲れ果てる。
そして、
「ここでは能力を発揮しても意味がない」
と悟って去る。

 4. 残された人も不幸になる
有能な人が抜けると、
残された人に負荷が集中する。
その結果、
•     さらに疲弊
•     さらに離職
•     さらに無能の固定化
という負のループが始まる。

 5. 最終的には組織全体が不幸になる
好き嫌い人事と間違った論功行賞は、
短期的には“都合のいい人”を上に置けるが、
長期的には組織の競争力を奪う。
つまり、
誰も得をしない。
ただゆっくり腐っていくだけ。

■ 結論
「バカな上司」は、
個人の問題ではなく、組織の“流れ”と“好き嫌い”と“間違った論功行賞”が生み出す副産物。
そしてその犠牲になるのは、
まじめな人・若手・有能な人・そして最後は組織全体。
だからこそ、
“流れそのもの”を変えない限り、
同じ不幸が繰り返される。