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蜷川惣左衛門のブログ

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地方政治を見ていると、どうにも不思議な現象がある。
決定だけは残るのに、責任だけは跡形もなく蒸発する。
公共施設の建設、補助金の配分、人口減少対策、教育施策。
どれも結果が出るのは5年後、10年後、20年後。
その頃には、決めた人たちはもうその場にいない。
まるで、
「任期が終われば責任も終わる」
という不文律が地方政治の空気に溶け込んでいるようだ。

1. 首長:4年ごとの“短期決戦プレイヤー”
地方の首長は、4年という短いスパンで成果をアピールしなければならない。
だからどうしても、
•     目に見える箱モノ
•     すぐに数字が出る施策
•     「やってる感」が出るイベント
に走りやすい。
長期的に必要な改革?
人口減少に向けた痛みを伴う施策?
財政の健全化?
そんなものは、
「次の首長がやればいい」
と心のどこかで思ってしまう構造になっている。
これは個人の問題ではなく、制度の問題。

2. 地方議会:行政の“追認機関”になりがちな理由
地方議会は本来、行政を監視するはずだ。
しかし現実には、
•     行政からの説明をそのまま受け入れる
•     専門スタッフが少なく、資料を読み解けない
•     委員会の議事録も十分に公開されない
•     地元メディアの監視も弱い
結果として、
「行政の言いなり議会」
が生まれやすい。
議会が弱いと、首長の判断がそのまま通る。
そして、誰も責任を取らない。

3. 地方政治の“責任蒸発システム”はこう動く
地方政治の構造をざっくり言うと、こうなる。
•     首長:短期で成果を出したい
•     議会:行政に逆らう体力がない
•     市民:政治に関心が薄い
•     メディア:人手不足で深掘りできない
•     政策:結果が出るのは10年後
•     責任:その頃には誰もいない
これが、地方政治における
“責任蒸発システム”
の正体。
誰かが悪いのではなく、
構造がそうさせている。

4. 任期後の罰を強くすればいい? → 地方では逆効果
「任期後も責任を取らせろ!」という声は理解できる。
しかし地方政治では、これは逆効果になりやすい。
なぜなら、
誰もリスクを取らなくなるから。
•     不人気だが必要な公共施設の統廃合
•     財政改革
•     人口減少に向けた痛みを伴う施策
こうした“本当に必要な改革”が、完全に止まる。
だから、地方政治では
“罰”ではなく“逃げられない透明性”
をつくるほうが圧倒的に効果がある。

5. 首長と議会の“逃げ道”を塞ぐ制度
5-1. 事前・事後評価の義務化
「やります!」と言ったら、
「で、どうなった?」
までセットで公開させる。
言いっぱなし禁止。


5-2. 議会の調査権限を強化
行政が出した資料をそのまま読むだけの議会は、
監視機関ではなく“説明会の参加者”。
外部専門家を入れて、行政の説明を“翻訳”させる。


5-3. ロングタームKPIの設定
10〜20年スパンの指標を設定し、
首長も議会も毎年チェックされる仕組みを作る。
「任期中だけ良ければいい」という逃げ道を塞ぐ。


5-4. 情報公開の徹底
議事録、委員会、行政文書、議員の賛否。
全部公開。
光を当てれば、行動は変わる。


5-5. 利益相反の管理
地元企業・団体との関係が濃い地方では必須。
「誰のための判断か」を明確にする。

6. では、こんな制度を首長や議会が自分で導入するのか?
結論は明確で、
導入しない。
なぜなら、
•     自分たちの自由度が下がる
•     監視が強まる
•     地元団体との関係が制限される
つまり、
インセンティブが一致しない。

7. では、どうすれば導入されるのか?
地方政治の制度改革は、
“政治家以外の力”が流れをつくったときに動く。
•     市民(特に若い世代)の声
•     地元メディアの継続的な報道
•     行政側の賛同
•     他自治体の成功例
•     議会改革を掲げる新たな議員の登場
つまり、
政治家が自分から変わるのを待つのは無意味。
外から流れを変えるしかない。

8. 結局、地方政治の問題は“人”ではなく“流れ”にある
地方政治の無責任さは、
首長や議員個人の資質ではなく、
制度が無責任を生む流れになっていることが原因。
だからこそ、
“任期後に罰する”のではなく、
“任期中に逃げられない透明性”をどう制度化するか。