国政選挙には、制度の欠陥も、政治家の弱さも、そして有権者の怠慢も、全部まとめて一つの“流れ”になって押し寄せている。
誰か一人を悪者にしてスッキリしたい気持ちはわかるが、残念ながらそんな単純な話ではない。
むしろ三者が互いに甘やかし合い、期待し合い、失望し合い、そしてまた同じことを繰り返す。
この「ぬるま湯の循環」こそが、国政選挙の最大の問題だ。
1. 制度が生み出す問題の流れ
• 一票の価値が地域で違う
• 死票が大量に出る
• 情報が偏る
• 短期的な話題ばかりが注目される
• 資金力がそのまま発信力になる
制度が悪いのは事実だが、制度は勝手に動かない。
「変えよう」と言う人が少なければ、そりゃ変わらない。
2. 政治家側の問題
• 長期的な政策より、すぐ票になる話を優先する
• 説明責任より“炎上回避”が大事になる
• 党内の空気に逆らえない
• 地元利益と国全体の利益の板挟み
• SNSで“バズる”ことが政策より重視されることもある
政治家が短期的になるのは、短期的なことしか評価されないからだ。
「長期的な話をすると票が減る」という現実がある限り、政治家だけを責めても意味がない。
3. 有権者側の問題
正直に言うと、国政選挙の質を決めているのは制度でも政治家でもなく、「有権者の“姿勢”」だ。
● イメージで判断しがち
政策より“雰囲気”で決める。
「なんとなく良さそう」で国の未来を預けるのは、かなり大胆なギャンブルだ。
● 情報の偏りを自分で強化している
SNSのアルゴリズムのせいにするが、実際は自分が見たいものしか見ていない。
● 「どうせ変わらない」という言い訳
この言葉は便利だ。
考えなくていいし、責任も取らなくていい。
ただ、その結果として“変わらない未来”が続く。
● 目先の利益に弱い
長期的な国の方向性より、数千円の負担軽減のほうが票になる。
政治家が短期的になるのは、短期的な判断をする有権者が多いからだ。
● 完璧を求めすぎて、失敗を許さない
政治家に“神様レベルの清廉さ”を求める一方で、少しのミスで叩き潰す。
これでは誰もリスクを取らなくなる。
挑戦しない政治家を育てているのは、実は有権者側の反応だ。
4. 改善策──三者の“流れ”をどう変えるか
制度面の改善
• 投票価値の偏りを縮める
• 死票を減らす仕組み
• 情報提供の質を上げる
• 選挙資金の透明性向上
制度は“土台”なので、ここが変わると流れが変わりやすい。
政治家側の改善
• 長期的な政策を語る場を増やす
• 説明責任を果たしやすい環境づくり
• 党内の透明性を高める
• 地元利益と国益のバランスを取る仕組み
政治家の行動は制度と有権者の期待に左右される。
環境づくりが重要になる。
有権者側の改善
• 複数の情報源を見る習慣をつくる
• 政策比較を“最低限のマナー”にする
• 「どうせ変わらない」を封印する
• 長期的な視点を持つ
• 完璧主義をやめ、改善しようとする姿勢を評価する
有権者が変われば、政治家も制度も変わる。
ここが一番影響力が大きい。
5. 結局のところ──「誰が悪いか」ではなく「誰が動くか」
国政選挙の問題は、
制度のせいでも、政治家のせいでも、有権者のせいでもある。
そして同時に、誰のせいでもない。
ただ一つ言えるのは、
「誰かが動かない限り、何も変わらない」ということだ。
そしてその“誰か”は、
政治家でも制度でもなく、
結局、私たち自身だ。