明日カノの概要について
「明日、私は誰かのカノジョ」通称「明日カノ」は2019年5月から2023年11月までサイコミで連載されていたをのひなおによる恋愛漫画です。作品は様々な悩みやコンプレックスを抱く女性に焦点を当て、章ごとにヒロインを変えていくオムニバスストーリー。
”等身大のの人物像"が作品に強く反映されており、彼女らを取り巻く社会がリアルに反映されており、”彼女代行”、”パパ活”、”ホスト狂い”、”風俗嬢”、”ストリーマー”、”ヤングケアラー”、”ネグレクト”などの様々なテーマが描かれており、若い世代を中心に熱狂的な人気を得た作品です。「はるぴはー靴下裏返しのまま脱がないでくださ〜い」とか、大阪駅の広告とか、見たことがある人は多いと思います。2022年4月から2023年6月までドラマも放送されていましたね！
そんな明日カノ……タイトルやあらすじは何となく知っていたし、１時間に１回は広告が流れてくるし、で無料で読める分は読んだりもしていたけど、特に購入をする気は全くなかったんです。と、いうのも、わたし自身も彼女代行業をやっていたことがあるし、その時の源氏名が「雪」だったりして、その時は黒髪ロングで、（主人公のようにかわいくはなかったものの）あまりにも自分と重なる部分が多く、読めずにいました。
最近知り合った、何となく良い雰囲気の男の子から「明日カノ知ってる？読んだことある？最後の話の太陽くんに感情移入しすぎてつらくなったよ。しかも、菜々ちゃんの源氏名も雪ちゃんとか……僕たち運命なのかな？」と言われてしまい、せっかくだから読んでみるか～と思ったら想像以上の沼でびっくり仰天した挙句、太陽くんに共感とか……こんな家庭で生きてきたの可哀そうすぎる…と彼がいとおしくなってしまいました。（単純） これからは優しくしてあげよう。
と、いうわけで前置きがかなり長くなってしまったのですが、作品の感想をどう～～～しても語りたくなってしまい、具体的なあらすじには触れずに、各章についての感想を書いていこうと思います。
Killing me softly
「お客さん好みのカノジョになってデートをする」っていうのが、もろわたしの営業方法と同じで衝撃を受けました。
本当の自分ではなく、誰かの望む自分を演じて、喜んでもらって承認欲求を満たす。そんな感じで。
雪が壮太の告白を断った時の心境が、痛いほどよくわかり、相手が悪いわけじゃなくて自分が…切なかったです。
致死量の自由
雪と正反対のリナ。１mmも共感できないリナのエピソード。おいおい、そこで雪は行くんかい！と思ったけど、わたしでも同じ判断をしてしまったかな～と思うシーンが多かったです。二人が仲直りしてくれたのは本当に良かった。
1mm
雪とわたしの唯一の違いは整形の有無なのですが、（雪は天然美人なので）雪とアヤナを足して２で割るとわたしが爆誕するように思いました。わたしにも当時、交際していた恋人がいたのですが、彼女代行業がバレて別れることになりました。しかし、都心はすごいですね、彼女代行業で生活が出来て整形費用にも充てられるなんて。田舎では、本業と別に副業が必要でした。ほぼ毎日デートをして月２５万くらいとかの稼ぎでした。わたしは昼職とカノジョでしたけど、中には夜職とカノジョのトリプルワークもいました。わたしも彼女代行で稼いだお金を整形資金に充てました。話がそれましたが、アヤナには男よりも女友だちがいれば幸せになれそうですね。わかってくれる友、最強です。
Knockin’on Heaven’s Door
明日カノを読んでいて一番恐ろしかったのが、この萌てゃの話です。てゃってキーボードで打ちづらいですね。スマホでは楽だけど。ホストには１ｍｍも興味がありません。なぜなら、田舎のホストはブスだから（偏見）もし、自分が関東圏に住んでいて、しかも東京に住んでいて、新宿に住んでいたら……萌てゃと同じ道を進んでいたかもしれません（泣）読めば読むほど恐怖でした。ホラー漫画かと思いました。楓は他の人と違う…楓に会いたい…楓のために……優しくて、尽くしてしまう人や、誰かに依存してしまう人、あてはまる人は絶対にホストに通ってはいけません。むしろホストに貢がせたい！そのくらいの人じゃないと危険です。でも、楓のせいで足を洗えてよかったね。 ゆあてゃもせっかくカワイイお顔を生かしてアパレルとかインフルエンサーとかの方が向いているのにな～
Stairway to Heaven
ゆあてゃは絶対介護職が向いている。そう確信しました。でも、介護職の友人がホスト狂いになり、地雷系になり、ネットで喧嘩をしているのを見ると悲しくなります。
洗脳
大学内でも「高嶺の花」なルナ。やっぱり高級風俗でも人気なんだなあ。かわいいし、気立てもよく、凛として自分の芯がある。ストリーマーがお客さんで来るのってよくあるのかな、っていうか、ずっと疑問なんですけどストリーマーって人気だしモテるんじゃないの？(^^;)でも、彼女バレとかで大炎上するのかな。多分リアルなんだけれど、界隈に縁がなくてわかりません。と、カマトトぶっていますが、わたしも高校時代に狭いコミュニティでストリーマーにガチ恋していたし、何ならつながってた害悪リスナーでした。でも、彼氏持ちの親友とガチ恋歌い手のハメ撮りを見てしまい界隈とは縁を切りました。親友もろともブロックです。
What a Wonderful World
占い師に金を出すのがもったいない、と思ったわたしは自分でタロットを勉強しました。タロットはいいですよ。全部聞いたら教えてくれるのです。カードを引いて出た答えは自分の意志ではなく、「カードが言っていること」なのです。占い師を通じてカードで占いよりも、自分でカードで占う方がいいですよ。依存先が欲しいのなら、占うたびに自分で料金形態を決めてしまえばよいのです。搾取される側ではなく、搾取する側になりましょう。 しかし、父親の死をきっかけに実家に帰って母と二人暮らし。 これもわたしの話なのか？？？
No Woman No Cry
最近良い感じの外国人の彼が感情移入しすぎてつらくなった最終章。彼から「女の子と付き合うのかなり大変で…主に、お母さん関係が」「お母さんの問題で別れることになってしまって」と明日カノを読む前から言われていて、「海外ってお母さん大事にする文化だもんねー」と軽い返答をしてしまい「そんな簡単じゃないんだ。本当に、高校の時から日本で就職して移住しないかぎり、ずっとお母さんから逃げられなくて…」と言われていました。その事の重大さがわからずに「就職できなくてもまた日本に来ればいーじゃん」という意見が軽率だったこと、この話で痛いほど理解しました。
しかし、雪からしてみれば「そこまでお母さんに愛されてるだけいいじゃん……いうことくらい聞きなよ」に近い感覚かもしれませんね。雪の「勝手に信じてまた裏切られた」の勘定に身に覚えがありすぎて震えました。みんなそうなんだな。
少しずついろんな登場人物に共感し、大変苦しくもいとおしい作品でした。素晴らしい作品をありがとうございました。
次回作も楽しみにしています。
心理描写があまりもリアル……！
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