カンゾウとヤブカンゾウの違い
今年もカンゾウの花の季節になった。
日本の在来種でこのオレンジ色は意外な色と言っていい。
4年前に移植した小さな苗は、大きくなって、ネズミ算式に増え、
今や「食べられる山野草コーナー」で一番目立つ存在になった。
今年はカイガラムシみたいのがはびこって苦戦しているものの、
高さ1.5メートルに達する大きな花茎を立ちあげた。
しかし不思議なのはその花だ。
ダブル咲きになっていて、これだと普通は「ヤブカンゾウ」とされる。
一方、シングル咲きだとそれはカンゾウ、またの名をノカンゾウとされる。
カンゾウとヤブカンゾウでは花が少し違うだけで、食用にする若芽も全体の草勢も、区別できないほど似ている。
花にしかその違いが無いのが実際のところだ。
ここの場所に出るカンゾウは、2年前までは写真の通り確かにカンゾウだったのだ。
シンプルなシングル咲きにその特徴が出ている。
だとしたら、どう考えてもカンゾウがヤブカンゾウに変身してしまったとしか思えない。
そんなことってあるだろうか?
気を付けて見てみると、車で通る玉川上水の縁に延々と群生するカンゾウ、
これも今年はヤブカンゾウになってしまっている。
去年まではシングル咲きのカンゾウしか無かったのだって記憶にまだ新しい。
ならばカンゾウとヤブカンゾウ、この二つは同じものなのではないだろうか?
2種を分けているのはDNAではない、
その年の生育環境で咲き分けているのではないだろうか?
例えば春の芽出しの時の平均気温の高さ、とか、
花芽を付ける時の雨の多寡など、とか、
株の成熟度合い、とか。
これは根拠のないトンデモ仮説かもしれない。
でもそうでもしないと説明がつかない。
次々と咲いては萎れていくカンゾウの花。
「お前は何者?」
花に口がきけたらいいのに、と思う瞬間である。
かつてカンゾウの名の由来を調べています。
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