善悪を越えた邪悪 | サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ

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 世の中にはいろんな人がいる物です。

 ある、本業はデザイナーなのかな? それで様々なカルチャーに明るく、執筆活動も沢山されている方は、自分のことを「サタニスト」だと称しています。

 悪魔主義者です。

 あー、そういうことを簡単に言うメタル好きみたいな人いるよなー、と最初は思ったのですが、話を聴いていれば彼の言うサタニストとは、別のサタニストなのですね。

 一般に言う悪魔主義者の中には、私がこれまでにも書いてきたようなキリスト教的抑圧からドロップアウトしただけの中二病みたいなのが居て、裸になって手づかみで肉をかじって乱交をして「おれは自由だ―!」と悦に入っているようなタイプが居ます。

 これ、典型的な落ちこぼれ白人のパターンで、非常に貧乏くさくて情けないとはこれまで書いてきた通りの感想です。

 白人社会から出てまっとうに生き方を模索すればいいのに、その枠の中の権益を得たまま、ちっぽけなことをして悪ぶってしょぼいプライドを慰めているという、心底情けない連中です。

 人が見てる前で反抗ばかりしながら、皆勤賞で学校に来てる不良生徒みたい。

 必死で社畜しながらネットで憂さ晴らししてるサラリーマンみたい。

 しかし、彼のサタニストというのは、本当にキリスト教の枠から出て、自由な価値観で生きようという一派なのですね。

 サタン、セイタンとは「敵」という意味なのですが、これはキリスト教の敵、すなわち違う考えの人、という意味なので、キリスト教の考えに染まり切った社会に疑問を感じてそこから距離を置いて生き方を本質的に考え直す、という物で、そういうムーヴメントがかつてのヒッピー・ムーヴメントやニュー・ウェーヴと言った考え方の流れの中にあったのです。

 一夫一妻と言うのもキリスト教の「常識」だし、服を着ていなければいけないというのもしかり。

 そういうキリスト教的常識に最後まで洗脳されなかった白人種の地域が、布教が遅れた北欧ですね。

 なので、キリスト教的な見方をすれば、北欧の土着の価値観はサタニズムであり、彼らの自然の知恵と言うのは魔女の術なのですね。

 森の中で大鍋で何かを煮込んでかき混ぜているという魔女のイメージ、あれが北欧の人たちの生活の知恵に対して向けられたキリスト教側の偏見です。

 魔女の怪しげな薬ったって、要は漢方薬です。自然の物から作った生薬。

 魔法ったって木の枝で歯を磨いて虫歯にならないようにするっていうキシリトールのことですよ。

 そういうのが、中世までのキリスト教圏の考えではすべて、神に逆らって人為を通す傲慢な御業だとされました。

 なにせ人々が共通の言葉を使ってコミュニケーションをとって高い建物を建てたのが傲慢だと言って罰を受けるというのが聖書の考え方なので、現代では当たり前になっている高層ビルで経営している英会話教室なんかも魔女のアジトだと見なされれてしまう。

 NOVAとかホグワーツなんですよ。

 でね。トランプ主義者のキリスト教保守の人の考え方ってのはそういう物なので、彼らが言う「悪魔主義者に世界が支配されている」という陰謀論での悪魔主義者、っていうのは、本当に対象が広範囲にわたった物だと見なされる。

 でもって、それを広めてるインターネット自体がもう使ってたら悪魔主義者の道具じゃねぇか、って感じもします。

 そういう非常に狭い考えの視点から出た「自分たち以外」への敵視(セイタン視)と言うのが彼らの陰謀論の根幹にはあるというのは納得のいくことであるように思います。

 この陰謀論を、キリスト教系カルトの統一教会が広めていて、日本でも沢山の人たちが薄弱な知能と精神でうまうま乗っけられたりしていますが、いや、その人達、キリスト教徒でなければもう悪魔主義者なので、陰謀論が敵視している当事者なんですよ。

 私が普段から言っている、自分たちがいまどこにいて自分自身が誰なのかが分からないというのは、こういうことなのですね。

 日本で陰謀論に熱を入れてる人たち、本場に行けば「お前らが悪魔主義者だ!」ってヘイトクライムされるような構造になっている。

 実際にトランプさん当人が陰謀論者たちからブーイングされてつるし上げられたってこともありました。

 陰謀論を煽って利用しているうちに、集まって来た陰謀論者から敵視されてしまうということがあったのです。

 元々本質とか実態、核が無いので、周辺の磁場がそのまま内ゲバに向かって行ってしまう。

 そう考えると、すでに共和党内から反トランプの声が強くなっているのも理解に難くはありません。

 さて、そんな訳で、反キリスト教原理主義であるサタニストと言うのは、ある意味私たちの元祖であるタオイストや仏教徒のような伝統文化を名指しした言葉とも取れる訳です。

 黄禍論などはまさにそれですね。

 と、このようなトピックを提供してくれたサタニスト氏が先日語っていたのですが、彼がツイッターで見た記事に、現代医療に寄らずに自然の免疫でガンに立ち向かおうとしていた人が、とうとう末期に至ってしまってもうダメかもしれないという物があったのだと言います。

 すると、その記事に対して「そこでガンが進行して死ぬのは本当の愛が足りていないからだ」というコメントがあったと言いました。

 このことに対してサタニスト氏は「善悪を越えた邪悪を見た」と語っていました。

 善悪を越えた邪悪。まさにこの言葉に、自分がどこに居て何をしてるのか分からない主義者というのに似た物を私は見出します。

 このサタニスト氏が見つけたのと、そっくり同じ論法をかつて私も見たことがあります。

 児童虐待による死亡事件を扱ったニュースに対してついていたコメントなのですが、そこには「こうやって虐待死される子供たちというのは、愛を知らない親たちに愛に気付かせるために、何度でも生まれては死に、また生まれてくるのです」と書かれていました。

 こんなにおぞましい発想を皆さんの目にお伝えするのは正直酷く気が咎めています。

 これ、もしかして上の記事のヤツと同じのがコメントしたんじゃないかというくらい、そっくりな考え方です。

 サタニスト氏の言う「善悪を越えた邪悪」。

 そして、私が思う、スピリチュアルという物の正体です。

 自分が楽になればそれであとはどうでもいい、というおきれいな言葉で飾った、上っ面だけのもっともらしい逃避行動です。

 そこには本当のことは何一つ存在していない。

 あまりにも多くの人が、無自覚にそういった考えに取りつかれているのではないでしょうか。

 こういった、反知性主義が自らの尾を追いかけ続ける陰謀論者を増殖させ続けている。

 私にはそう思えて仕方がありません。

 自分がいまどこにいて何をしているどういう人間なのか。それを知るには、過去にさかのぼって物事を学ばないといけない。

 その労力が支払いたくないので、みんなスピリチュアルや反知性主義、陰謀論に飛びつくのでしょうが、そういったことが本質的にはどういうことなのか。

 安易に飛びついた人間をどのような物にしているのか。

 今回はそういうことを書かせていただきました。