海賊武術が更なる展開 | サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ

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気持ちよく生きるためのライフスタイルとしての南派拳法(カンフー)蔡李佛拳とエスクリマ(フィリピン武術)ラプンティ・アルニス・デ・アバニコを横浜、湘南、都内で練習しています。オンライン・レッスン一か月@10000で行っております。
連絡southmartial@yahoo.co.jp

 毎週充実して、老師のところで学問を積んでいます。

 仏教文化における身体観の伝承としての、心意拳の伝播と海賊武術の広がりを研究するライフを送っています。

 その中で、先日からクラス後の研究会タイムに老師よりお誘いいただけました。

 そこではいつも教わっている岳家拳(心意系)、五祖拳(最も南方まで伝播した海賊武術)をに加えて、兵器を教わることが出来ました。

 いま教えていただいているのは、破峰八刀という苗刀です。

 出た、苗刀!!

 以前に、山東苗刀の老師を台湾からお招きして講習会を開いたことがありました。

 海賊武術を代表する刀術です。

 というのも、これは元々嘉靖の大倭寇の時に倭寇勢が使っていた倭刀術を、官軍側が取り入れて後に制式兵器にまで高めた物だからです。

 最も、苗刀と名付けられたのは近代に至ってからで、当時は倭刀と呼ばれていたそうです。

 この倭刀は明代からすでに中国武術内で研究されていたそうで、大倭寇の時代に突然中国に降ってわいた物では実はないそうです。

 倭寇討伐で群を率いた兪大猷将軍と言う人がいまして、この人が元々南派拳法の使い手だったそうです。

 剣術に長けていたそうですが、倭刀の研究もしてらして名人に弟子入りして体得をしていたそうです。

 その観点があったからこそ、倭寇側の剣術を分析、対策をすることが出来たのでしょう。

 こうして官軍側に取り入れられた倭刀術なのですが、その内容にまた感銘を受けました。 

 技術の中で出てくる、身体の中に纏うようにする動き、これ、纏頭裹身と言うのだそうですが、これはね、フィリピン武術で言うプランチャーダです。

 アンブレラ・ブロックと言う笠の形を描くように頭をブロックして袈裟懸けに切る。

 他にも、シールド・ブロックと言うかなりトリッキーな物も含まれていました。

 また、刀の峰に手を置く動きが教わった苗刀では多用されていたのですが、これ、アルニスのブロックの基本です。

 他にも、自分の身体を視点にしててこを利かせて打つ用法が多用されている部分も共通点がありますし、やはりおそらくはこの辺りの海賊武術がフィリピンで土着化したのでしょう。

 これらを体系づけて一本の物として学べる。私には非常に価値のある研究です。