練功と筋肉量 | サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ

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気持ちよく生きるためのライフスタイルとしての南派拳法(カンフー)蔡李佛拳とエスクリマ(フィリピン武術)ラプンティ・アルニス・デ・アバニコを横浜、湘南、都内で練習しています。オンライン・レッスン一か月@10000で行っております。
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 先日、クロスフィットというフィットネスのシステムの動画が流れてきたんですね。

 クロスフィットというのがどういう物なのかまったくわかりませんが、かなり高強度のウェイトを挙げているようで、非常に危険であスリーティスティックでストイックなエクササイズなのだろうなと感じました。

 これの選手である女性の身体を測定するというのが動画の内容だったのですが、これが非常に驚きました。

 体重が45キロくらいで、筋肉量が41キロくらいです。

 ごめんなさいちょっと笑ってしまいました。

 君、筋肉以外の部分って三キロちょっとしかないの? 人間ってなに? って感じでした。

 実は今、東洋医学を具体的なメソッドとしたフリーダム・ボディ・フィットネスという以前から打ち出している概念のマニュアル化をするために、西洋式フィットネスのトレーナーの勉強をしているのですが、それによると一般的な女性の筋肉は全体の15%程度で、それらの内から内臓などの不随意筋を除くと、運動に使ういわゆる筋肉、骨格筋と言うのは7キロくらいだそうなんですね。

 しかも、筋肉の発達に欠かせない男性ホルモン、テストステロンは女性は男性の5パーセントしか出ません。

 これは大変なことです。

 45キロの人間がそのうちの41キロと言う中東の国の公式支持率みたいな数字の筋肉をつけるのは、どれだけ大変なことだったことでしょう。

 筋肉の増量と言うのは、一年間に3キロ程度というのが限界だと言われているのですね。

 もちろん、一流筋肉アスリートというのはホルモン異常が起きている人間が多いですから、この数字の適応外にあるのでしょうが、年3キロづつ貯筋して41キロまで貯めるのは大変なことです。

 今回、新たに学んだこの西洋式フィットネスの常識という視点から東洋式の身体観を観てみたいと思います。

 一流の筋肉アスリート女性の肉体はあまりに異常すぎてサンプルとしてよくわからなくなってしまいますが、もっとも筋肉のある世代である20代くらいの男性の場合、平均的な筋肉量はBMIが低い人で22キロ、体重が多い人で24キロ程度だそうです。

 まぁ間を取って23キロを真ん中と解釈しましょうか。

 私の体重が、83キロなので平均からすれば随分重いと言うことになります。

 なので、上の例で言うならこの体重だと平均だと筋肉が24キロくらいあるという解釈がなりたちます。

 実際には、機械で測ってみると私の筋肉重量は61キロ超です。

 平均のおよそ2・5倍ということになります。

 24キロの体重がある人が私と同じ量まで筋肉を付けようとすると、61-24で37キロ、これを年間3キロづつで作ってゆくと12年くらいかかる。

 では私が12年間くらい、筋肉をつけるのに精を出して暮らしてきたのかというとそうではありません。

 けど、アサド政権の支持率(100パーセント)ほどではないにしてもサダム・フセイン政権の支持率(70パーセント)くらいの議席は筋肉が占めています。

 これは、どうしてかと言うなら、中国武術の練功法によってです。

 中国武術では、ただ突きや蹴りの型を行うのではなく、身体の作り変えをする練功法という物を幾つもします。

 そのうちの多くは気功となります。

 これによって、筋トレやジョギングに専念していなくても、身体は育っていたのです。

 拳を学んで練功法を学ばなければ全ては虚しいともいいます。

 この身体の作り変えが中国武術の肝となります。

 決して手先の技ではないのです。

 私が日ごろから、強弱や勝敗に興味がないと公言しているのもこのためです。

 私の筋肉量と比較して、一般的に23パーセントの筋肉量の男性を観た時に、そこにある脂肪量ってどのくらいでしょうか。

 また、老廃物や排泄物のしめる割合は?

 健康な身体が得られると言うことは非常に重要です。

 中国武術では、技ではなくて功を尊べといい、いくら若手で勝負が強くても、歳を重ねて功のある人にはかなわない部分があるとはよく言われることです。

 これは、この筋肉量にも当てはまるように思います。

 一般の男性がどれだけ運動神経や反射神経に任せて動いたとしても、長く練功を積んだ人間の改造された肉体の力には及ばないことがありえます。

 なにせ、一年でたった3キロしか筋肉は付かない。

 長く生きた時間を優位に活用できていると言う財産は間違いなく年長者には存在するのです。

 そういう処もまた、生涯に渡って学ぶ価値のある部分だと感じております。

  中国武術の発勁とは、平たく言うならば実際よりもずっと巨大な人間が持つ力を獲得することだと感じることが多いです。

 私の場合だと、80キロの体重で130キロくらいの力を獲得しているかもしれない。

 筋肉量で考えるならそうなります。

 ですので、見た目は普通の人がそう勢いをつけた様子もなく触っただけで同じ大きさの人間が派手に吹っ飛ぶというようなことが当たり前に起こります。

 これは練功の結果なのです。

 日々の習慣が生きれば生きるほど良い方向に働く。

 そういう物を持っているのは幸せな人生ですよね。