チベットの方法 | サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ

サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ

気持ちよく生きるためのライフスタイルとしての南派拳法(カンフー)蔡李佛拳とエスクリマ(フィリピン武術)ラプンティ・アルニス・デ・アバニコを横浜、湘南、都内で練習しています。オンライン・レッスン一か月@10000で行っております。
連絡southmartial@yahoo.co.jp

 最近、前にもまして日々が早く過ぎ去っていっているように感じます。

 これはおそらく、潜伏期間で待機しているという認識があることと無縁ではないのでしょう。

 本当は今年、またタイに修行に行き、見識を深め、そして新しい生活に踏み出すつもりだったのですが、現在外国に行くことはできません。

 そしておそらくは、もうできない、に近いのではないかと思っています。

 タイに行ってガビー・ガボーンを学び、その中に含まれている古式ムエタイを学ぶためにキャリステニクスで膝の回復もだいぶさせたのですが、どうやらこれを叶えることはもう難しそうです。

 なにせ私もアラフィフ、五年、十年後に自体が収束して渡航や訓練が可能になっても体が動くかどうかはわかりませんし、地上に肉体が残っているかどうかも怪しい……。

 しかし、この人生は学問に捧げてしまっています。

 いまさら取り戻してまた別の人生をやり直すのも疲れそう。

 そこで、とりあえずいま出来ることとして練功と座学を続けているのですが、その中で、タイから北に向かってチベットにある物に再会しました。

 もともと、タイ自体にチベットの人達は沢山います。

 夕方の城壁の辺りを歩いていると、ラマ僧の方々が列をなしてやってくるところを目にします。

 チベットはまた、吐蕃と言われていて、泰と同じく中華社会の辺境の地でした。

 チベットの密教は、タントラ、行、瑜伽と、少林寺の仏教と同じく身体の行を伴う内容で知られています。

 そのため、昔のカンフー映画を観ると、強敵の立ち位置で良くラマ僧が登場していました。

 また、私が学び、そして伝えている蔡李佛拳の血脈はラマ拳と言われるよく似た武術と繋がっており、このラマの行は功夫と切っても切り離せないところがあるのです。

 そのことを師父から教わった時には、そんな遠くのことなどには意識が向かわず、目の前の課題を早く教えてほしくて仕方なかったのですが、いまとなってはそのルーツへの道をたどることが私の学問となっています。

 この、チベットにおけるラマ僧の行にツァ・ルンという物があることを知ったのはずいぶん昔です。

 テレビの健康番組か何かで目にしました。

 そのころは、気功だなんだに興味はなかったのですが、そこで語られたエピソードが面白かったので記憶に残っていたのです。

 というのも、そのお話というのは、第一次大戦後、年老いた退役空軍将校がインドには不老不死の法があると聞いて探検に出かけて、そこで秘境に隠れ住むラマ僧たちの寺院にたどり着き、彼らからその秘法を学び、若返って帰ってくる、という物だったのです。

 もう、ホームズや少年探偵団、アラビアン・ナイト、パルプ小説が大好きだった私にはたまらない面白いお話です。

 また、これ、ジョジョの奇妙な冒険にそっくりなお話です。

 このお話、実際に当時に書かれた本に準じているという歴史の古いお話なので、荒木先生がジョジョのネタ元にした可能性も十分あります(だし、その秘法を実践しているかもしれない)。

 この度たまたま、学問の書を求めているうちに、1939年に出版されたこの本の日本語訳が収録された物に出会いました。

 第二次世界大戦がはじまった年です。

 医学や常識が今とはまったく違う時代の視点で中身は書かれています。

 その上で読んでいただきたいのですが、この、ラマ僧の不老、若返りの秘宝というのは、体にある七つのエネルギー・ヴォルテックス(ウズマキ)を体操によって調和させて生命力を回復させる法として書かれています。

 それらの七つのヴォルテックスは、体内の内分泌腺の場所に重なっているのですが、著者はこれを医学的な内分泌腺とは関係ないと言っています。

 皆さんお気づきかと思いますが、この七つのエネルギーの渦巻く場所、それも内分泌腺の箇所にあるウズマキとは、すなわち、チャクラ(車輪)と呼ばれる場所です。

 この七つのヴォルテックスを健全化させると、セックスのエネルギーが充たされてそれによって若返る、ということだそうです。

 つまり、この体操とはすなわち、ヨガです。

 私も学んだルーシー・ダットンがタイに伝わった仏教ヨガであるように、これはチベットに伝わった仏教ヨガです。

 私は、自分が師父から学んだ仏教体育の内功についてもっと見識を深めたくてタイでルーシー・ダットンを学びました。

 うちに、法輪の気功として伝わっている物がどれだけ重要かを私は身をもって知っています。

 しかし、これを知る武術家がほとんどいないのです。

 ラマ拳は、確実にこのチベット・ヨガから派生した物でしょう。

 これはそちらからの流れで入ってきている物かもしれません。

 この方法が精を活性化させるとしたら、それは内容的にも非常に有用な物です。

 さらに言うと、実はこのチベット・ヨガの動き、ポール・ウェイド先生のキャリステニクスにも存在しています。

 どうですか、色々繋がってきましたでしょう。

 という訳で、日々の練功にこちらも追加して様子を見ている次第です。 

 本の中では、みるみる白髪が黒くなったというようなことが書かれていますが、なにせ百年近く前の本に書かれていることですからねえ。

 とはいえまぁ、これらを総合的に実践している気功家が試してみたと言う話はなお持って耳にしない物です。

 ぜひに試してみる価値はありますでしょう。

 ちなみにこのチベット・ヨガ、秘伝である最後の段階では精を上に上げることで日常生活を捨てる段階に入るのだそうです。

 おぉ、やっとるなー。

 やはりクンダリニー上昇、黄河大逆流の秘儀です。

 しかしこれ、ご注意を。

 やはりここまでで終わっているのですよ。

 我々がやっているように、小周天で上げた物を円環させて下すと言う段階が記述されていません。

 ヨガはこれが怖い。

 上げたままだと頭がおかしくなります。クンダリニー症候群と呼ばれて問題視されている現象です。

 うちには、この中国の定番である周天気功とチャクラを活性化する法輪気功の両方が備わっています。

 法輪気功はおそらく活性化しやすく、上げるための土台を作りやすい。

 しかし、降ろしにくい。

 周天気功は安全性が高いのですが、中国らしく気長で時間がかかるし効果が出るまでに至れない人も多いようです。