橋を架ける | サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ

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 橋。

 というと、中国武術では腕のことを言います。

 なので、腕を絡ませるような用法のことは橋法。

 鉄のように鍛えた腕は鉄橋。

 なのですが、もう少し上級なところで橋というと、気橋という物があります。

 これは、経脈と経脈を繋ぐ気のラインのことで、元々は繋がっていない物を繋げる役割があります。

 これが繋がっていないと体の力が一つに統合されることはないので、うちでは最初からとにかくこれだけは最低限ひたすら覚えて忘れないようにとやらせるのですが……得てしてみんなすぐ油断してつながりを切ります。

 まぁ、しょうがない。これが切れてるから、ほとんどの人類は腰痛を起こすのだし、格技や武道をやっていても腰を悪くする。

 もともと繋がってないというだけあってまぁとにかくすぐ切れるのがこれです。

 なので、初心者から中級者まではこれが切れないようにするのが練功の大きなウェイトをしめると言ってもいいくらい。

 その橋なのですが、英語で言うとブリッジですね。

 二月から初めて、一つの段階を一週間以上かけるようにして関節の腱や軟組織を少しづつ少しづつ鍛えながらやってきたキャリステニクスの中の、ブリッジがアングルド・ブリッジという段階に入りました。

 床ではなくて、膝くらいの高さの土台の上に頭を乗せたところからブリッジをして手で頭を押し上げるというエクササイズなのですが、いや、色々気持ちが動くところがありました。

 と、いうのも、私は二十年以上前、十代の頃にレスリングをやっていたのですが、その時にとにかくブリッジをやらされました。

 練習の半分以上を床運動に費やしていて「体操部に入ったつもりはないんだけどなあ」と思いながらブリッジでゴロゴロ転がったりしていたのですが、これ、ギリシャの時代から続くという西洋キャリステニクスの本道なのですよね、ポール・ウェイド曰くには。

 で、そうやって身体を作り替えて、体重を70キロ越えにまで増やしていたのですけれども、いま思えばキャリステニクスの効果なのか十代のマジックなのか、当時の首回りは41センチ、太もも周りは60センチ越えでした。

 ズボンの下に女の人のウエストが二つある状態ですよ。贅沢なものです。なんだそれ。

 そういう体格だったので、当時出来ていたことはもう、体脂肪一桁になった二十代からは出来なくて当たり前で、間違っても試そうなんて思うなよ、大怪我するから、というのが私の中のガイドラインになっていました。

 しかし、カポエイラを始めた時に、当時の身体ではブリッジがまったくできなくなっていたという経験で改めて現実に直面。

 その後、ブリッジなんて危険行為はまったくしていなかったのですが、いや、思ったより順調に出来ました。

 これ、やっぱり中国武術に熱心になって、例の気橋が架かったせいで腰の痛みが無くなっていることと関係があるような気がします。

 インドのキャリステニクスでもある、ヨガではブリッジを車輪のポーズ(チャクラ―サナ)と言うそうです。

 やはり、レスリングのブリッジと同じように転がるのかもしれません。キャリステニクスは、シルクロード沿いにユーラシア大陸に分布しています。

 人間の身体というのは、20代から退化してゆくのが常だと言います。

 私自身も、24の時には、それまで出来ていたことがまったくできなくなっている自分を感じていました。

 21を境に、明らかに十代の頃とは違ってきている自分を感じていました。こういうのはアスリートならみんな経験していることではないでしょうか。

 しかし、それでもそれまでとは違う形で身体能力を挙げてゆくことは可能です。

 実際、いまの40を超えた私は、これまでの人生で少なくともベンチプレスに関しては一番挙げられる。

 十代の頃の野放図な体力はありませんが、体調の良さは30代の頃とは比べ物にならないくらい良いです。

 怪我をして後遺症が引っ掛かる場所は増えましたが、柔軟性も人生でベストの状態です。

 内功のことに関しては、もはや語るに及ばず。

 中国武術では五十代がピークだと言いますが、それは身体と内功のバランスでのこと。

 その後は身体は衰えて行く部分がありますが、功はまだ上がってゆきます。

 いまの私が乗っているルートはそちらに繋がっているはずで、日々の身体能力の成長が毎日の楽しみになっています。20代、30代の頃は衰えばかり感じていたのに。

 キャリステニクスのポール・ウェイド氏も、気功の大師の謝明徳師も、面白いことに、それぞれの著書において、自分の指導していることはあなたの生きがいになる、と記しています。

 そしてまさに、両方とも私の生きがいになっています。

 その二つは、本質において共通する一つのことでもあります。

 この、新しい生きがいを必要としている人に手ほどきをしてゆくことが、ビューティフル・ライフ・スタイルを提唱する私の活動の核心となっています。