食べ物とホルモン | サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ

サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ

気持ちよく生きるためのライフスタイルとしての南派拳法(カンフー)蔡李佛拳とエスクリマ(フィリピン武術)ラプンティ・アルニス・デ・アバニコを横浜、湘南、都内で練習しています。オンライン・レッスン一か月@10000で行っております。
連絡southmartial@yahoo.co.jp

 人間というのは、内側に取り入れたもので作られる。

 これは気功の考え方の基本です。 

 美しい物を内側に取り入れたり、健全な強さに繋がる物を選択的に取り入れることが、そのために推奨されています。

 そして、生きている中でどうしても入ってくる良くない物は、デトックスして出すか、解毒して別の良い物に換えて活用する。

 これが気功というものです。

 当たり前ですが、食べ物はこの代表となる物です。

 私は常の練功やジムでのトレーニングなどでの疲労を回復するため、口にする物に関しては常に考えていました。

 特に、フィットネス関係の情報には目を配り、必要なたんぱく質や栄養の摂取には関心を払っていました。

 というのも、サプリメントを使うのが好きではない派だったからです。

 食品で必要な栄養を摂るのは実はけっこう大変です。

 しかも、私は小食なので、何を食べるかはかなり選択する必要があります。

 しかし、そのような中で血管の病気の担当医から、将来のために少し血圧を下げたほうが言われたので、これはもう食品での十分な栄養摂取は難しいかもしれないと思い始めていました。

 肉料理でたんぱく質を摂るよりも、サプリメントの方が脂質や塩分を摂取しなくてすみます。

 そんな中でタイに行ってひと月暮らしてきたのですが、そこで三食口にしていたのは基本全てタイ料理です。

 外国の料理を食べたくなることもあるのですが、なるべくタイの人たちと同じ物を食べようとしていました。

 タイ料理というのは、まずお米がしっかりとあります。

 麺料理でも、その麺は得てして米粉で作られています。

 十代の頃から試合に備えて体重調整をしてきたので、平素から私は炭水化物をあまり摂取しないのですが、この場合は食べなければ始まりません。

 きっちり一人前ご飯を毎食食べます。

 それについてくるのが、いくつものタイの料理なのですが、実はそれらはほとんどが野菜で出来ています。

 味付けにハーブ。

 肉はほとんどありません。

 肉かな? と思うと魚の練り物であったりすることが多い。

 その食事をしていた結果、では筋肉がしぼんだり太ったりしたかというと、そういうこともありませんでした。

 二十年以上にわたって炭水化物は少なく、肉と野菜をたくさん、と意識して食事を摂ってきたのですが、これほとんど意味がなかったかもしれません。

 ただ、私自身の変化もここには差し入れて検討する必要がありそうです。

 というのも、気功とキャリステニクスをしていることでの、ホルモンの分泌の変化が考えられるからです。

 成長ホルモンの分泌が活発になると、さほどたんぱく質を摂らなくても筋肉は大いに発達します。

 これは、あまり肉を食べなかった昔の日本人やアフリカの人たちが素晴らしい筋肉を持っていたことがあることからも理解が出来ます。

 実際、私の最初の弟子はご飯と納豆を並みの量しか食べなくても、コンテスト・ビルダーが評価するような身体をしていました。

 のちに彼は医師によって発達障害による成長ホルモンの異常分泌と診断されたため、これが摂取栄養素よりもホルモンによるものだということが証明されました。

 この、ホルモンの分泌に訴えかけて身体を成長させようと言う現代トレーニング法が存在します。

 加圧トレーニングがそうですし、スロートレーニングもしかり。

 それらを遡ると出てくるのが、我らの気功であり、キャリステニクスです。

 監獄式キャリステニクスの提唱者であるポール・ウェイドは、自らの指導しているトレーニングを成長ホルモンを刺激して身体を目覚めさせることで爆発的に成長させるのだと語っています。 

 また、元祖キャリステニクスであるインドのヨガ、カラリパヤットでも、同じことが行われているようです。

 実際に、私の師父が影響を受けたカラリパヤットのマスター、ラージュ師は老人で食物も粗末なところに生活しているのにボディビルダーのようにムキムキであったそうです。

 気功における武気功でも、独特の体系に身体を発達させる効果は顕著に感じられます。

 帰国してから、私は元の肉と野菜の生活には戻らず、比較的素朴な小食の暮らしに入っています。

 タイでの経験をもとにした物なのですが、この暮らしをしていてもとりあえず体調に悪い物は感じません。

 それどころか、きちんと筋肉も発達しているようですし、疲労も残らない。

 体内が澄んでいる感覚もあって、大変に快調です。

 ここでまた答え合わせに登場していただくのが師公の著書なのですが、その中で初歩のうちに身体を作り替える百日築基について書かれたパートでは、その段階の間は肉食を控えた方がよいとありました。

 代わりに推奨されていた食事が、穀物を多く、野菜を多めに、魚は少し、肉はさらに少しにという物です。

 これ、いまの私の食餌と通じているのと同時に、タイでの標準的な食事と共通しています。

 期せずして、ちょうどよい食生活でひと月過ごすと言う経験が出来ていたようでした。いましばらく、このスタイルで身体の様子を見てゆきたいと思っています。