汚い話にはなるかな?
しかし、薬局で働いてると、こういう事もあるもんなんだろうか?と、思えてしまう出来事だった。
今までも本当に色々見てきたし。
18時ごろ。
レジ締め等し始めててまぁまぁばたつく時間、50代くらいのアジア人女性がレジに来た。
見た目日本人にかなり近いけど、若干風貌が違う。
モンゴル人だった。
彼女は何か言いたげに、私に誰かとメッセージのやり取りをしている画面を見せてきた。
それは英文字で書かれてあっても、英語ではない言葉だった。
その部分を指されてもサッパリ意味不明なので、なんか写真はないのか?と尋ねたら、Google翻訳で、
「痔の薬を探しています」と、出してきた。
さらに彼女はスマホのアルバム内の写真を探し出して、すごい暗めの、なんか赤黒いような茶色いような写真を見せてきた。
ん?
これは?!
もしや????
「え…?それは、あなたの…?」
と、訊くと彼女は首を数回小刻みに縦に振った。
彼女のその患部の写真。
ポルノ小説的にいうと、彼女の「菊」の部分だった。
今まで色々薬局のお客様からはすごいもん見せられてきたけど、こここ、こーもんですか、今度は…
しかし写真見た限り、めっちゃ痛そうだった。
推定1cmくらいのぷっくりした「主」が出来てたんだよね。
しかも超真っ赤っか。
それは相当痛いだろうなって、見て思った。
その痛み、わかるぜ。
そして、彼女のスマホの写真ホルダーの中に数枚時の薬が見えた。
anusolとプロクトセジル。
そして彼女はさらにスワイプを続け、
「これはないのか?」と、写真を指差し尋ねてきた。
しかしキリル文字で書かれたそれがなんなのかすらわからない。
ウルトラなんとかという名前で、フルネームはなんだったか覚えてない
ここで覚えたのは、モンゴルのLaaという言葉は坐薬という意味らしい。
しかし、この見せられたウルトラなんとかがどのドラッグを使っているのかわからないと、何にも勧められない。
写真で出てきたAnusolの坐薬はこれ。
しかし彼女のようなタイプの痔には坐薬は地獄じゃないかな?と。
そのタイプには、プロクトセジルじゃねーか?という事で勧めてみたら
ノーノーノーと言われた。
いや、とりあえずはこれでその腫れを鎮めたらいいと思うんだけど…
ちなみにこれはステロイド(ハイドロコルチゾン)の入ったお薬で、ステロイドとか使いたくないって人は、このウィッチヘーゼルのタイプもある。
ウィッチヘーゼルの収斂(引き締め)作用で外に膨らんでるようなアレを、シュッと引っ込める効果がある。
だけどステロイドほどの抗炎症効果があるとは言えないと思う。
それから色々出してみた。
すると彼女は写真をモンゴル人の誰かに送って、その返信を待っているためしばらくそこにいた。
気づくともう閉店間際になっていた。
すると彼女は、
「ノーノーノー。」と、これのどれでもないという感じで私に言ってきたのだけど、これ以外はもうねーぞ?って状態だったので、
オーストラリアにはもう他に痔の薬はないですよ?と、伝えたら、
「あ、サンキュー」と言って帰っていってしまった…
え…?
っていうか、そのチャット相手誰?
医者?
薬剤師?
っていうか、なんでどの薬もダメなの?
だっていぼ痔じゃん?
どの薬も使えないとかかわいそすぎじゃね?
今すぐどうにかしたさそうな絵面だっただけに、なんか同情してしまった。
とりあえず、心の中で、
「辛いもん控えて下さいねー」と思いながら彼女の背中を見送った。
一体なんの薬だったら彼女のそれに使わせてもらえたのだろうか?