金曜日。
朝から見に行く物件がキャンセルになって、とりあえず時間が出来た。
そういえば数日前に日本領事館から警察証明届いたってメール来てたな。
ビザの動き全くないし、今後もしばらくないだろうからそのうち行くかーぐらいに思っていたけど、この前日の夜にオフィサーから警察証明を出すよう求められ、それで結局領事館へ行く事になった。
しかし最近また雨ばかり。
D猫さんはゴルフに行けず、自転車にも乗りたくないし、そんなわけで会社まで車で送った。
街まで送って帰ってきて、また街へ行くという…。
それを思ったら超めんどくさかった。
しかし、今日この用事を絶対に終わらせないといけない。
午前中に終わらせて、午後にあるインスペクションに行きたかった。
領事館へ着いた。
最近あのずんぐりした東欧系の男性から南アジア系に変わったという事をちょっと触れた。
またあの彼かと思ったら、今度は南アジア系の女性だった。
多分ヘナで白髪染めてるのかな?私と同じように髪の毛がところどころオレンジになってた。
私が到着した時は誰かとフレンドリーに話していた。
そして、中は7人までしか入れないからという事で、その場で待たせてもらうことにした。
長くかかる人と、私みたいに警察証明の受け取りだけの人とがいるから、そんなには待たないだろうと賭けた。
すると、2分くらいで2名揃って出てきたので、すぐに中へ通された。
私の用事は5分くらいで済んでしまったが、私の後ろで日本の警察証明を取ろうとしているオージーが、一生懸命指紋を取ってて、手が大きいからなのか職員の方もかなり苦心されていた。
「んーどうしたらいいだろうねー?」なんて職員さんの日本語が日本の役所っぽくてほっこりした。
人生で受け取るのは4回目になる警察証明。
毎回めんどくさい。
そして開封無効についての説明も都度受ける。
しかしオーストラリアのビザは、手書き申請じゃない場合、中身をスキャンしなきゃいけない場合が殆どだ。
その点についても一応触れてはくれる。
そんなこんなで警察証明を受け取ったらお腹が空いた。
私はずっと春巻きを食べたいと思っていたことを思い出した。
なので、以前振られたAJへ向かった。
しかし、まだやっていなかった。
あとちょっとで開く感じではあったけど、私の空腹はもうそこまで待てなかった。
完全な春巻き難民である。
とりあえずマイヤーセンターへ引き寄せられてみた。
マイヤーといえば3 Kingdomsではあるが、朝から激辛モノを食べる元気がなく、無難に寿司にした。
寿司ハブ、出来立てなら美味しい。
朝オープンしたての時に行けば、まだ日本の寿司に近い寿司が食べられる。
こういう時に空腹だとショーケースの中の何もかもを食べられる気になる。
私はサーモンアボカド、スパイシーマグロ、ウナ玉、ツナキュウを選んだ。
これと熱い緑茶とで普通に美味かった。
寿司と緑茶のハーモニーたまらんなとしみじみしながら、次の目的地へ。
外に出たら雨が降っていた。
雨は日の入り後に降る予報だったので洗濯を干しっぱなしにしていた。
相変わらず仕事が適当な天気アプリである。
しかし、今更どうしようもないので、とにかく行きたかった場所へ。
それは洪水被害で一旦クローズしていた韓国食材店、O’Fresh Martだ。
私はハナロよりもこっち派。
復活してくれて本当に嬉しい。
薄切り肉が安いので、街に行く用事がある時はいつもここで牛丼用の肉を購入する。
ホントはお茶だけを買いに来たんだけど、欲しかったお茶がなく、せっかく来たからと思って牛バラ肉を買い足した。
そしてオリオンビールの500mlが一本$5ぐらいだったのでそれを2本購入。
すぐにプシュっとプルタブを上げたい気持ちをグッと堪えて、人通りの多いエドワードストリートへ出た。
オメガの前の横断歩道を渡り切った時、縁石を乗り越えるのに脚を軽く上げたら、長いバティック(インドネシアのパンツ。)の裾が足元でもたれ、それに引っ掛かって盛大にすっ転んでしまった。
漫画のようなこけ方をしたのが自分でもよくわかったので、思わず笑ってしまったが、周りの人は結構優しくて、大丈夫?とか聞いてくれたり、手を差し伸べてくれたりした。
怪我は大した事なかった。
恥ずかしいの以外は大丈夫で、オリオンビールも無事だった。
通りを歩いていたら、Cross River rail experience centre なるものがあるのを見た。
はとというジャパレスと麺や豪の間にある。
サーっと見てサーっと帰ろうと思ってたら、中に校外学習で来てるハイスクールキッズが、ズラーっとパイプ椅子に座って、大きな画面を見ながら話を聴いていた。
缶ビールが入ったビニール袋ぶら下げて、一人でノコノコやってきた私。
その光景を見て、うわー!っと気まずくなり、そのまま階段を下りようとしたけど、職員の方が「いやいや、あの、こっちにもっと静かなモニタールームもあるので是非観ていって下さい」と優しく、エレガントな感じで案内してくれた。
さっき盛大にすっ転んだ恥ずかしさがそこまで温度を下げていない状態でのソレだったので、もうすでに頭から湯気が出ていたのではないかと思う。
しかしモニタールームは冷蔵庫並みに冷えていた。
それを見かねたのか「寒いですか?ジャケットお持ちしますよ!」とすかさず中綿入りのジャケットを持ってきてくれた。
な…なぜそんなにおもてなし精神無駄に溢れまくってるの?!ここ。
ただフラーっと見て、ふーんって感じで帰るつもりだったんだけど。
ちょっとだけ「鉄子」として、このクロスリバーレールは気になっている。
駅はどういう感じなのか、いつか家を買う時のためにも将来像を見ておきたかった。
しかしあんな小さな場所なのに、結構最新のテクノロジーが使われていて、展示品の説明等がタッチパネルの中に凝縮されているため、かなり色々なものをみられる。
通されたモニタールームは左右、正面と3方向にスクリーンがあり、パノラマ状に繋がってるので、俯瞰しているCG画像は空を飛んでるみたいな気分になる。
ただ、乗り物に弱い人とか眩しさに弱い人は多分気持ち悪くなると思う。
私も一瞬、脳にズドンと衝撃が来る感じになったし、実際「ちょっと頭がくらくら来て無理ですわ。」と、席を立った年配者も居た。
▲一番気になってるGabba駅の将来像。横断歩道を渡らなくてもスタジアムに行けるようになるのはマジでデカいぞ!
▲掘ってたら出てきた過去の遺物。ガラス瓶は1900年代頭のものだったかな。真ん中の鉄球はキャノンボールって書いてあった。
まぁ小っ恥ずかしかったけど、楽しめた。
帰ろうとした時に、最初に通してくれた女性とは別の、綺麗な中華圏の初老の女性に丁寧に話かけられた。
来館動機等を尋ねられ、
盛大に転んだ後に頭の中を落ち着けたかったら、たまたまここの看板が目に止まったのでなんとなく入ってみた…
が、一番の理由ではあるけど、
「将来家を買うのにどの辺りがいいか色々調査したかったので」と透かした事を言ってみた。
しかし上で書いてるようにコレもホントである。
「それにしても思った以上に色々知れたし、皆さん素晴らしいおもてなしで、絶対に友人にもここのこと宣伝しておきますね!」と、心を弾ませながらその中華圏の女性に伝えた。
「あら、それはとても嬉しいお言葉です!ありがとうございます。ところでお客様はお子様とか、お孫さんとかいらっしゃいますか?もしいらっしゃったら是非一緒にまた来て下さい!小さなお子様向けのイベントもたくさんありますので。」
孫…
出産経験すらないのにそれ飛び越えて孫か…
そんなに婆婆チックだったか?
たしかに私の歳で孫がいるという人もいなくはない。
帰り道、私の頭の中では孫…という言葉が静かにふわふわとはためいていた。
電車はセントラルからヴァリーを抜け、トンネルを出たら、窓の向こうが何も見えないくらいの雨が降っていた。
降車駅が近づいた時は少し小降りになった。
しかし、自分のストリートを歩き始めた時にさっきの雨雲が到達したようで、すごい勢いの雨に降られた。
あと5分くらいで家というところで、びしょびしょになった。
そして、家が見えたところで雨が一気に小降りになった。
そして午後のインスペクションはキャンセルのお知らせが入り、ここで一本オリオンのプルタブを上げたわ。
とりあえず警察証明は無事にアップロード出来たし、あとはAFPのポリスチェックだけだな。
めでたしめでたし?