王師の形(王套路(ワンドウ)部分) | 南風のブログ

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脳梗塞患者で闘病生活中です。
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沖縄空手道無想会世話人に復帰しました。
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現代空手には、王(ワン)を頂く形が三つあります。

ワンシュウ、ワンカン、ワンダウンです。

これは、ナイファンチと同じく、元々一つの形で、

中国の軍事教練の套路を日本の空手の形として輸入した時に、

三人の修行者に三分の一ずつ覚えさせて、

日本に持ち込んでから、統合する予定だったのが、

そのまま、別の形として伝わってしまったと言うことでした。

 

王師が教えた三つの形の統合ヴァージョン。

この形は、第8回無想会セミナーで披露されました。

 

沖縄空手のショートの前蹴りが出てくる形は、

「平安初段」、「平安四段」と「王師の形」の三つしかないことから、

改めて、この形をクローズアップしてみたいと思います。

 

1.王套路(ワンドウ)

①胸ぐらを掴まれたのを両手で振り払って頭部を持つ。

ここから始まります。

内側から両手を差し込みますが、

三戦(サンチン)が、上から押忍でクロスを落とすようになりましたので、

喉輪の形と押忍の形の分類では、押忍の形に分類されます。

ですから、上から押忍でクロスを落とすでも良い気がします。

始動は、路牌(ローハイ)と同じです。

相手に掴まれたのを排除したら、左手喉輪で右手で頭を掴み、

捩じりながら、右膝蹴りです。

 

②右膝蹴り、右足開く、左手で頭部を掴み左へ突き出す。(左向き)

右膝蹴りの後、左手で頭部を掴み、左向き撞木立ちになります。

 

③右正拳、左正拳、右前蹴り、右縦猿臂、右裏拳、左拳上から落とし右拳突き上げ。

交差した左手で頭部を掴み左へ突き出す。(後向き)

王師の形は□の右上から開始して、四角にグルグル回る演武線です。

左向き撞木立ちでワンツーパンチした後、右前蹴りが出てきます。

下から右縦猿臂突き上げ、上から裏拳落としと連続技が続きます。

ここからナイファンチ初段又は平安三段の初動と同じ動きになります。

左手は上から下へ、右拳を下から上へ突き上げます。カウンター攻撃ですね。

□の左辺に移って正面から後ろ向きになります。

左手で頭部を掴んで突き出します。

 

④右正拳、左正拳、右前蹴り、右縦猿臂、右裏拳、左拳上から落とし右拳突き上げ。

交差した左手で頭部を掴み左へ突き出す。(右向き)

同じ挙動を繰り返します。

後向き撞木立ちでワンツーパンチした後、右前蹴りが出てきます。

下から右縦猿臂突き上げ、上から裏拳落としの後、

左手は上から下へ、右拳を下から上へ突き上げます。

 

⑤右正拳、掴まれたのを振りほどいて右膝蹴り、右正拳、

左手下から交差、左手突き出しながら正面を向く。右手腰構え。

□の下辺に移って正面から見ると右向きになります。

撞木立ちで左手は頭部を持って突き出している状態です。

右正拳突きを出しますが掴まれます。

掴まれた右正拳を下に落として振りほどきます。

右手はそのまま一周して戻ってきます。

両手で頭部を持って、右膝蹴り。今度こそ一発右正拳突きです。

右正拳突きを出したまま、相手の頭部を掴んだ左手を右正拳の下に差し込みます。

 

⑥右足で前進しながら右手を下から回して両手を交差、もう一回転して、左手を後ろに隠す。

□の右辺に移って正面に向かって演武します。

右正拳の下に差し込んだ左手を正面に突き出して立ちます。

右足を内側から円を描きながら、一歩進みます。

右足と同時に、内側から円を描いて、右手を突き出します。

突き出していた左手は、右手右足と交替して背中に隠れます。

 

⑦左足で前進しながら左手を下から回して両手を交差、もう一回転して、右手を後ろに隠す。

□の右辺に居ます。

右手右足が前に突き出してる状態から、今度は左手左足が円を描きながら交替します。

左手が右手と交差して交替したら、右手は背中に隠します。

 

⑧右前蹴り、右横猿臂、右裏拳、相手を掴み左手で後ろに動かす。(後向き)

□の右上角に居ます。

右前蹴りで一歩進み、足を置くと同時に右横猿臂、右裏拳と連続攻撃です。

相手を左手で掴んで突き出しながら後ろ向きになります。左前撞木立ちです。

 

⑨左手で相手を保持、右脚で蹴って一回転(本当は膝蹴り)。両手左腰構え(頭部を保持)。

左手で掴んでいる相手を右足でパッチンします。

平安五段と同じです。平安五段はそのまま右猿臂、裏拳で突きあげますが、

王套路(ワンドウ)は、右足でパッチンした後、一回転して元の位置に戻ってきます。

相手の頭部を両手で持って左腰構えです。

□の右辺に後ろ向きで居ます。

 

⑩右足で前進しながら捻り突出し、右腰構え、左足で前進しながら捻り突出し。

一回転して戻ってきたので、左前撞木立ちです。

右足で一歩進みながら、重力落下の頭部捻り。

続けて、左足で一歩進みながら、重力落下の頭部捻りです。

 

①左足を引きながら両手を交差して捻り開く。右手で持ち上げ、左手引手。

左足が一歩出ている状態から、左足で一歩下がります。

左足が開始地点にかかります。同時に両手を開きます。

両手は頭部を突き出しながら捻った後、開くポーズが出てきますが、これも頭部を捻るポーズです。

両手を落としながら開くのも、両手を突き出すのも、どちらも重力落下の頭部捻りです。

そのまま、右手は相手を持ち上げ左手は引手をとります。

 

②左足で斜めに前進しながら両手を交差して捻り開く。左手で持ち上げ、右手引手。

左足一歩対角線に進みます。□の右上から左下方面に移動します。

その時に両手を落としながら開きますが、

右手で掴んでいる相手を両手で捻っています。

今度は左手で持ち上げて右手は引き手をとって準備します。

 

③右手で貫き手、掴んで左足を右足後ろに交差しながら引き倒す。

右手で貫き手をした後、相手を掴んで引き倒します。

左手は開いて押し付ける感じ、右手は掴んで引っ張る感じ(下段払いっぽい)です。

その時に、引いた左足が右足に交差します。

 

④左足斜め前に前進、左手で押さえ右掌手打ち。(左向き)

⑤右足斜め前に前進、右手で押さえ左掌手打ち。(正面向き)

□の左上の位置に居ます。

左足を出して左手で押さえて右掌手打ち。

右足を出して右手で押さえて左掌手打ち。

これらの押さえて掌手打ちは、低い位置で行います。

 

⑥両手で掴み左膝蹴り(左向き)、蹴り足を斜めに引いて、左手で押さえ右掌手打ち。(後向き)

⑦右足斜め前に前進、右手で押さえ左掌手打ち(後向き)。右足を引いて左拳突き出し。(正面)

□の左上の位置から右下の位置に戻りますよ。

五十四歩の形などに出てくる、左膝蹴りです。

対角線を移動するのに便利ですよね。

真ん中で膝蹴りをして正面から後ろ向きになります。

左足を出して左手で押さえて右掌手打ち。

右足を出して右手で押さえて左掌手打ち。

これらの押さえて掌手打ちは、□の左上で低い位置で行ったのと比べて、

□の右下で高い位置で行います。

攻撃は、下段から中上段に変わります。

さて最後の左掌手打ちの後、左手で相手を掴みます。

左手で相手を掴んだまま転身して、開始位置に戻り、

左手を突き出します。

 

ここまでで、「王套路(ワンドウ)」部分が終わります。

この後、「王官(ワンカン)」部分が、正面向きの開始位置から始まります。

□の右上角が開始位置です。

 

お疲れ様です。

ここまでお読みいただいてどうもありがとうございました。