武術としての空手はもう死滅する段階にある | 南風のブログ

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脳梗塞患者で闘病生活中です。
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沖縄空手道無想会世話人に復帰しました。
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標題をみて、お分かりになった方が多いと思いますが、

『沖縄武道空手の極意その弐』の「あとがき」での新垣師範の文章です。

 

このあとがきに、師範の先輩から『沖縄武道空手の極意』出版後、

「アラカキ、ここまでは書くな!」とお叱りを受けたとの件(くだり)があります。

 

その理由は、

「武術の境地とは自分の修行により到達して行くものであり、

到達する以前に本などで理解してしまった気になると、そこから先へ進めなくなるからだ。」

たしかにその通りですね。

 

しかし、

新垣師範は続けます。

「武術としての空手はもう死滅する段階にある。」

これは、現実問題としてその通りですね。

「言語では言い表せないものまで」

「言語化して伝承しなければ」多分、地球上から失われてしまうものなのでしょう。

 

読者の皆さん「手(ティー)」の歴史は、ご存知ですか?

 

 

これは、是非ぜひ読んでいただきたい名著です。

 

新垣師範の

 

 

これも良いですが、もし入手可能であれば、是非ぜひ「TIYの変容」も、

知っていただきたいと思います。

「武術として伝わった沖縄空手には、

皆伝・奥伝などの伝書、そして秘技・秘伝などは存在しない。」

すべて、沖縄という狭い土地での口伝でした。

 

残念ながらこの事実が、

産業革命に先んじて、世界を植民地化した欧米の科学に飲み込まれ、

身体文化や身体操作すらも西洋化させられてしまった。

琉球王国があった沖縄本島ですら、

「TIY(手)」は変容してしまい、部分部分しか残っていません。

体系的なものは、失伝してしまいました。

口伝は、西洋的に解釈されてしまいました。

大国中国ですら、欧米に植民地化されましたからね。

現在復活しましたが、文化は革命で破壊されました。

小国日本はそれなりに頑張りましたが、やはり米国に植民地化され、

身体操作ですら洗脳されました。

 

一旦失伝し、死滅した「武術としての沖縄空手」は、

『沖縄武道空手の極意』として甦(よみがえ)りました。

この本が、唯一の技術書になります。

南風も、医療スポーツ科の教員時代に、個人研究費を使って、

色々な著作を買い求め、研究してみましたが、全滅でした。

残念ながら、この本が、唯一の技術書でした。

 

現代空手とも、現代沖縄空手とも、全く違う身体操作で、

現代の医学や運動生理学がようやく辿り着いた時点に、

遠い昔に辿り着き終えている精妙な物理学と解剖学の境地を、

このまま失伝して良いのでしょうか。

既に一度失伝してしまった沖縄空手を、人生を賭けて復興した新垣師範だからこそ、

その技術を後世に残すための活動を、世界に問い続けるのでしょう。

 

国際沖縄空手道・古武道無想会の本部道場は、

アメリカ合衆国ユタ州にあります。

日本では、少数の弟子たちが細々と稽古しているだけです。

 

しかし、一旦失伝し、死滅した「武術としての沖縄空手」は、

『沖縄武道空手の極意』として甦りました。

 

新垣清の前に道は無かったけれども、

新垣清の後に道は出来たわけです。

 

沖縄空手(首里手)の身体操作は単純です。全て同じ身体操作で、動きます。

正中線(背骨)を真っ直ぐに強く保って、両肘を落としながら正中線(背骨)に引き付けます。

全てこの身体操作を使用します。

単純ですが簡単ではありません。

身体内の、骨や腱、筋肉を、意識し別々に動かす稽古をします。

一体化して動かない仙腸関節を動かし、骨盤の中の筋肉を動かします。

そう簡単には動きませんよ。でも、そのうち動くようになります。

ボデイメカニクス(身体力学)です。

沖縄武道空手の極意とは、生命科学(ライフ・サイエンス)です。

 

物理学(フィニシス)解剖生理学(アナトミカル・フィジオロジー)です。

解剖生理学は、解剖学と生理学をミックスしたものです。

人体の構造が解剖学(アナトミー)

人体の機能が生理学(フィジオロジー)です。

 

エネルギーの法則と人体の構造と機能が沖縄空手の真髄です。

ですから、正しいとか間違えてるという問題ではなく、科学的解釈の問題になります。

科学とは個別の専門分野を研究する学問です。

 

その他に、新垣師範の著作である『沖縄武道空手の極意』をひも解けば、

生命心理学(バイオ・サイコロジー)、

量子力学(カンタム・メカニクス)、

バイオメカニクス(生体力学)の要素が覗えます。

何度も言いますが、「沖縄武道空手の極意は科学」です。

単なる、突きと蹴りと体捌きですが、

この部位をこんな風に使って重力落下でエネルギーを出し、相手に放出する。

これの集大成が、『沖縄武道空手の極意』です。

 

単純ですが難しい。でも繰り返しを重ねることで、できるようになります。

できるようになるためには、まず知識、そして実践です。

読者諸兄も、『沖縄武道空手の極意』の世界を堪能してください。

 

お読みいただきどうもありがとうございました。