『看護学生のための社会福祉読本』の内容を一部公開しています。
『看護学生のための社会福祉読本』は、
「看護師国家試験」の「社会福祉士」と「介護福祉士」に共通する問題の解説
を文章化したものです。
この2022年版では、第94~111回の過去18年間の看護師国家試験問題の中から
「社会福祉士」と「介護福祉士」に共通する問題を約1400問選んで、それを解説し文章化してあります。
ですから、この本を一通り読むと、社会福祉士や介護福祉士と共通する過去18年間の看護師国家試験問題
約1400問を体験したことになります。
さらに、第100~108回の過去9年間の保健師国家試験問題990問のうち
統計学の計算問題等を抜いて800問程度、文章化して加筆してあります。
「看護師国家試験」と「保健師国家試験」の受験生の方に活用していただけると嬉しいです。
今回のテーマは、「グループワーク」です。
グループワーク
グループワークの過程は、準備期、開始期、作業期、終結期に分類されます。準備期にはグループワーカーがグループに参加する対象(メンバー)を理解し「波長合わせ」が行われます。波長合わせとは、起きうる問題を想定し準備しておくことです。
開始期では、目的や問題意識を共有し、グループの目標について、メンバー間で合意を得ます。初期段階では、ワーカーは、活動計画の作成を支援し、メンバーの発言を尊重して活動内容に取り入れるよう促します。
作業期では、メンバー間の信頼関係を確立し、グループの相互作用を促進させます。終結期には、クループ活動についての評価を行い、今後の展開についてのメンバーの理解を得ます。グループワークでのワーカーの役割は、過程に応じて変化します。グループの凝集性が高まってきたら、危機に介入する以外は、側面的支援で受容的に見守ります。
グループワークでは、参加者のグループダイナミクスが活用されます。「グループダイナミクス」は、集団の持っている力のことです。ワーカーは終結時にこの力を評価します。
集団の一人ひとりが、お互いに支援し合うことで、一人ではできないこともできるようになる場合があります。また、グループワークを用いた指導は、個別指導と比較して、参加者の持つ体験を活用しやすいことも利点のひとつです。個別指導と集団指導では、プライバシーに関する指導は個別が適切で、学童等にグループダイナミクスを活用する場合は、集団指導が適切です。問題が生じたら、メンバー全員で話し合うことで、解決しましょう。
■グループワークの展開過程
過程 |
内容 |
準備期 |
ニーズを探り援助対象を決定し、波長合わせを行う。 メンバーとの予備的な接触、計画立案を行う。 |
開始期 |
メンバーが初めて集まり、グループ活動を開始する。 援助関係を形成し、契約(約束事の確認)を行う。 |
作業期 |
プログラム活動を通して相互援助システムを形成・活用する。 グループの凝集性が高まり「われわれ感情」やクループ規範が形成される。 |
終結期(移行期) |
活動を振り返り、メンバーを肯定的に評価する。 グループ活動を終了し、メンバーにとっては次の生活への移行期となる。 |
「社会福祉士正誤ポイント」と『看護学生のための社会福祉読本』の
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